アストラゼネカのチカグレロル欧州連合医薬品委員会より、心筋梗塞の既往歴を有する患者さんの治療延長に対する肯定的な見解を取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2015年12月18日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、欧州医薬品庁(EMA)ヒト用医薬品委員会(CHMP)より、心筋梗塞の既往歴を有し、アテローム血栓性イベントの再発リスクが高い患者さんの治療薬として、チカグレロル(欧州での製品名:BRILIQUE)の承認を勧告する肯定的な見解を取得したことを12月18日に発表しました。今回の見解で、本治療は、イベント発症後最初の1年間を抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)で治療した後の継続治療として開始することができると記載されています。

チカグレロル90mgは現在、急性冠症候群(ACS)患者さんにおける心血管死、心筋梗塞および脳梗塞の発症抑制を適応としてEUで承認されています。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べました。「この度のCHMPの肯定的な見解を大変喜ばしく思います。患者さんたちは心筋梗塞発症から1年が経過しても依然、心血管イベントの再発リスクを抱えていることがエビデンスによって示されています。当社は、チカグレロルが、心筋梗塞を含む急性冠症候群の急性期だけでなく長期的にも、患者さんの心血管イベント再発のリスクを低減する役割を果たすことが出来ると確信しています」。

また、パリ大学心臓病学教授であるPhilippe Gabriel Steg教授は次のように述べました。「欧州においてチカグレロル60mg用量が承認されれば、高リスク患者さんは最適なリスク・ベネフィットバランスのもと、心血管イベント抑制期間を延長することが可能になるでしょう」。

今回のCHMPの肯定的な見解は、21,000例超の患者さんを対象とした大規模アウトカム試験であるPEGASUS TIMI-54試験の結果に基づいたもので、その結果は2015年3月の米国心臓病学会議(ACC)において発表されました。PEGASUS TIMI-54試験では、試験への組み入れ前1~3年の間に心筋梗塞の既往歴がある患者さんを対象に、チカグレロルと低用量アスピリンとの併用を、プラセボと低用量アスピリンとの併用と比較して、心血管死、心筋梗塞および脳梗塞の長期にわたる二次的な発症抑制効果を評価しました。その結果、チカグレロルはプラセボに比べて心血管死、心筋梗塞あるいは脳梗塞からなる複合主要評価項目を有意に低減したことが示されました。3年時の複合イベント発症率は、チカグレロル60mg群で7.77%、プラセボ群で9.04%でした。

 今後は、EUの医薬品承認権限を持つ欧州委員会が、チカグレロルに関するCHMPの肯定的な見解を審査します。最終決定はEU加盟国28カ国に加えアイスランド、ノルウェーおよびリヒテンシュタインに適応されます。承認された場合、チカグレロルはこれらの市場において、心筋梗塞の既往歴を有する患者さんに対する長期治療薬として承認された最初の経口抗血小板薬になります。

本発表は心筋梗塞発症後1年以上経過した患者さんへの使用に関する2015年9月3日付の米国食品医薬品庁(FDA)によるチカグレロル60mgの承認に続くものです。
 

PEGASUS-TIMI 54試験について
PEGASUS-TIMI 54 (PrEvention with TicaGrelor of SecondAry Thrombotic Events in High-RiSk Patients with Prior AcUte Coronary Syndrome – Thrombolysis In Myocardial Infarction Study Group)は、アストラゼネカの最大級のアウトカム試験で、31カ国の1,100超の施設からの2万1,000例を超える患者さんを対象としています。本試験では、試験組み入れ前の1~3年の間に心筋梗塞の既往歴があり、血栓性心血管イベントのリスク因子(65歳以上、投薬を必要とする糖尿病患者、1回以上の心筋梗塞の既往歴、複数の冠動脈疾患または毎分60ml未満のクレアチニンクリアランス)を1つ以上持つ50歳以上の患者さんを対象に、1日1回の低用量アスピリン治療下で、チカグレロル錠60mgあるいは90mg、またはプラセボを1日2回併用投与したときの、アテローム血栓性イベントの再発抑制を評価しました。本試験の主要有効性評価項目は36カ月時点の心血管死、心筋梗塞または脳梗塞の複合エンドポイントです。患者さんは最低12カ月、最大48カ月治療を受け、追跡期間中央値は33カ月でした。12カ月以上前の心筋梗塞の既往歴を有する患者さんに使用が承認されているのはチカグレロル60mgのみです。本試験は米国マサチューセッツ州ボストンにあるブリガム・アンド・ウィメンズ病院のTIMI(Thrombolysis in Myocardial Infarction:心筋梗塞における血栓溶解)研究グループと共同実施しました。

チカグレロル(欧州での製品名:BRILIQUE )について
チカグレロルはで急性冠動脈症候群(ACS)に対する経口抗血小板治剤で、シクロペンチルトリアゾロピリミジン群(cyclo-pentyl-triazolo-pyrimidines:CPTPs)に分類され、P2Y12受容体に直接作用します。チカグレロルは血小板活性を阻害することで効果を発揮し、ACS患者において心筋梗塞あるいは心血管死を含む血栓性心血管イベントの発生率を低下させることが示されています。
チカグレロルは日本国内では未承認です。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に呼吸器・炎症・自己免疫疾患 (RIA) 、 循環器・代謝疾患 (CVMD) 、オンコロジーの3つの重点治療領域ならびに感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。