アストラゼネカのTAGRISSO™ (OSIMERTINIB)、EGFR T790M 変異陽性転移非小細胞肺がん治療薬として欧州ヒト用医薬品委員会(CHMP)より肯定的見解を取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2015年12月18日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


客観的奏効率66%および無増悪生存期間中央値9.7カ月に基づく肯定的勧告

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2015年12月18日、欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会(CHMP)が、TAGRISSO™ (AZD9291、osimertinib) 80mg錠1日1回投与を局所進行あるいは転移性の上皮成長因子受容体 (EGFR) T790M変異陽性非小細胞肺がん (NSCLC) の成人患者さんへの治療薬として、販売承認を勧告する肯定的見解を採択したことを発表しました。

本適応にはEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)による治療中あるいは治療後に病勢が進行したNSCLC患者さんおよびEGFR-TKIによる治療を受けていないT790M変異陽性患者さんが含まれます。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデントおよびチーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べました。「CHMPのosimertinibの販売承認取得に対する勧告は、欧州の患者さんに前進の一歩をもたらすものです。同勧告は、最近の米国におけるosimertinibの迅速承認ならびに英国における医薬品早期アクセスプログラムに続く、緊急のアンメットニーズに応えるステップです。当社は革新的な臨床的エビデンスを構築し、単剤療法ならびに当社の包括的オンコロジーパイプラインがもたらす他の高精度医療(Precision medicine)や免疫治療との併用において、osimertinibのあらゆる可能性を検討しています」。

AURA試験の臨床治験医であり、フランス・パリのGustave Roussy がんセンター医薬品開発部門の責任者であるJean-Charles Soria教授は次のように述べました。「欧州では、肺がんにより毎年26万人が死亡しており、新規治療薬に対する緊急のニーズがあります。EGFRm T790M陽性非小細胞肺がん患者さんがosimertinibを使用できる日が近付いていることを、治療医として非常に嬉しく思います」。

Osimertinibは活性化・感作性変異(EGFRm)、およびEGFR-TKI治療耐性に関与する遺伝子変異であるT790Mの両方を阻害するよう設計されているEGFR-TKIです。EGFR-TKIによる治療後に病勢が進行したEGFRm陽性 NSCLC患者さんの3分の2近くはT790M耐性変異を発現しますが、その治療選択肢は現在のところ限られていす。

CHMPのosimertinibに対する勧告は2本の第II相試験 (AURA延長試験およびAURA2試験)およびAURA第I相拡大試験のデータに基づいています。同試験は、EGFR-TKIによる治療中あるいは治療後に病勢が進行した474人のEGFRm T790M NSCLC 患者さんにおける有効性を示しました。客観的奏効率 (ORR: 腫瘍縮小効果) は第II相試験併合解析において66%、第I相試験では62%でした。無増悪生存期間 (PFS) は第II相試験併合解析で9.7カ月、第I相試験では11カ月でした。奏効期間 (DOR) 中央値は、第I相試験で9.7カ月であり、第II相試験併合解析では、DOR中央値に到達しませんでした。

2本のAURA第II相試験における代表的な有害事象は下痢(全グレードで42%、グレード3/4で1.0%)、発疹 (全グレードで41% 、グレード3/4で0.5%)、皮膚乾燥 (全グレードで31%、グレード3/4で0%) および爪毒性 (全グレードで25%、グレード3/4で0%) 等で、概して軽度から中程度でした。警告および使用上の注意には間質性肺疾患、QT間隔延長、および胚・胎児毒性が含まれます。

CHMPの肯定的勧告は、先ごろの米国食品医薬品局 (FDA)によるosimertinib迅速承認に続き、EMAの迅速審査を経て発出されました。日本では、osimertinibは医薬品医療機器機構(PMDA)から優先審査品目に指定されています。世界のその他の地域においても、薬事当局との協議が進展中です。
 

非小細胞肺がん (NSCLC) について
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約3分の1を占めます。また、肺がん死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんの死亡合計を上回ります。NSCLC患者さんのうちEGFR変異陽性の患者さんは、ヨーロッパで10-15% 、アジアでは30-40%に上り、腫瘍細胞の増殖を促進する細胞内シグナル伝達経路を阻害する既存のEGFR-TKI による治療に非常に高い感受性を示します。しかし、腫瘍細胞はほとんどの場合、薬剤耐性を生じ、その結果、病勢が進行します。既承認のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブ、エルチロニブあるいはアファチニブによる治療を受けている患者さんの約3分の2において、EGFR T790M変異として知られる二次変異によりこの薬剤耐性が発生します。

Osimertinibについて
Osimertinib 80mg錠1日1回投与は、EGFR T790M変異陽性非小細胞肺がん (NSCLC) 成人患者さんの治療を適応とする世界初の医薬品です。非臨床体外試験により、臨床的に関連する一連のEGFRmおよびT790M変異陽性NSCLC細胞株全体の変異EGFRリン酸化反応に対し強力な阻害活性を有する一方で、野生型EGFR細胞株に対しては阻害活性が著しく低いことが確認されています。

EGFR-TKIによる治療後に病勢進行した局所進行あるいは転移 EGFR T790M変異陽性非小細胞肺がん (NSCLC) 患者さんを対象とする検証的AURA3 第III相試験において、osimertinibとプラチナベース二重化学療法との比較が行われています。また、Osimertinibは補助療法および脳転移を含む転移ファーストライン治療、ならびに他の化合物との併用においても検討されています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
オンコロジーはアストラゼネカが歴史的に深い経験を有する治療領域です。本領域は当社の主要な成長基盤のひとつであり、当社の将来を変革することが期待されています。当社のビジョンはがん治療のパラダイムを再定義することで患者さんを助け、将来的にはがんによる死亡をなくすことです。2020年までに6つの新しいがん治療薬を患者さんにお届けすることを目指しています。当社の次世代医薬品の広範なパイプラインは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの主要な基盤のもと、卵巣がん、肺がん、乳がんおよび血液がんの4つの主な疾病領域に焦点を当てた開発を進めていきます。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。