アストラゼネカのTAGRISSO™ (AZD9291)、EGFR T790M変異陽性転移非小細胞肺がんの適応で米国FDAより承認取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2015年11月13日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


患者さんのアンメットニーズに応えるため、最短期間での開発を実現 :
臨床試験開始からわずか2年半で承認取得を達成
患者さんに重要な新たな選択肢を提供: 客観的奏効率59%、奏効期間12.4カ月

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、11月13日、TAGRISSO™ (AZD9291)80mg錠1日1回投与が、米国食品医薬品局(FDA)が承認した検査方法により、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)による治療後に病勢進行した転移 EGFR T790M変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんの治療薬として、FDAから 承認を取得したことを発表しました。

AZD9291は、転移EGFR T790M 変異陽性非小細胞肺がんを適応として承認された唯一の医薬品です。本適応は、抗腫瘍奏効率および奏効期間(DoR)に基づきFDAの迅速承認プロセスを経て承認されました。

AZD9291は、活性型・感受性変異(EGFRm)およびEGFR-TKI耐性遺伝子変異であるT790Mの両方を阻害するよう設計された、EGFR-TKI標的がん治療薬です。EGFR-TKIによる治療後病勢が進行したEGFR変異陽性NSCLC患者さんの約3分の2においてT790M耐性変異が発現しますが、これまで治療選択肢は限られていました。

ダナ・ファーバーがん研究所胸部オンコロジーLowe Center 所長、 Belfer Center for Applied Cancer Scienceの Scientific Directorならびにハーバード大学医学部内科学教授であるPasi A Jänne MD, PhD は次のように述べました。「AURA臨床試験において、AZD9291はEGFRm T790M 転移非小細胞肺がん患者さんに対する圧倒的な早期有効性および忍容性を示しました。本剤は、EGFRm T790Mを有する非小細胞肺がん患者さんの標準治療となる可能性を持っています。AZD9291の迅速承認は、対象となる患者さん対する同剤の臨床的効果が顕著であることを示し、医療従事者に重要な新規選択肢を提供します」。

アストラゼネカの最高経営責任者であるパスカル・ソリオは次のように述べました。「TAGRISSOのFDA承認は、新たな治療選択肢を緊急に必要としている肺がん患者さんにとって重要かつ画期的なものです。当社は本領域における過去の実績を発展させ、次世代医薬品である本剤を一日も早く患者さんにお届けするために、画期的な臨床エビデンスを構築し、記録的なスピードで承認を達成しました。当社の包括的な肺がんポートフォリオを進展させ、高精度医薬品、免疫治療および新規併用等を提供していくことで、アストラゼネカはがんすべての病期において、より多くの患者さんを治療する機会を提供していきます」。

アストラゼネカは、AZD9291のコンパニオン診断薬としてcobas® EGFR Mutation Test v2をロシュと共同開発しています。cobas® EGFR Mutation Test v2は非小細胞肺がん患者さんにおける一連のEGFR遺伝子変異(T790Mも含む)を同定する診断薬です。

AZD9291はFDAにより、迅速審査、画期的治療薬、優先審査および迅速承認のステータスを付与されていました。欧州および日本においては、AZD9291はそれぞれ迅速審査および優先審査の指定を受けています。

AZD9291のFDA承認は、EGFR チロシンキナーゼ阻害薬の使用中又は使用後に病勢進行した411例のEGFR T790M 変異陽性非小細胞肺がん患者さんにおいて有効性を示した2本のAURA第II相試験(AURA第II相延長試験、AURA2試験)のデータに基づいています。

AZD9291の忍容性プロファイルにより、重症度グレード3以上の有害事象の発現は3.5%以上にはみられなかったことが示されました。最もよくみられた有害事象は概ね軽度から中等度であり、下痢(全グレード:42%、グレード3/4: 1%)、発疹(全グレード:41%、グレード3/4: 0.5%)、皮膚乾燥(全グレード:31%、グレード3/4: 0%)、爪毒性(全グレード:25%、グレード3/4: 0%)でした。AZD9291の禁忌はありません。警告・使用上の注意には間質性肺疾患、QT間隔延長、心筋症、および胎児毒性が含まれます。
 

非小細胞肺がんについて
肺がんは、男性および女性双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約3分の1を占めています。これは、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんの死亡合計を上回ります。一方、肺がんの5年生存率は20%未満です。米国の全肺がんの約85%は非小細胞肺がんであり、そのうち10%~15%はEGFR変異陽性を示します。EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による治療を受けている患者さんの約3分の2はT790M変異に関与する耐性を獲得します。

AZD9291について
AZD9291 80mg錠1日1回投与は、上皮成長因子受容体 (EGFR) チロシンキナーゼ阻害剤による治療後に病勢進行した転移 EGFR T790M変異陽性非小細胞肺がん (NSCLC) 患者さんの治療を適応とする世界初の医薬品です。非臨床体外試験により、AZD9291は、臨床的に関連する一連のEGFRmおよびT790M変異陽性NSCLC細胞株全体の変異EGFRリン酸化反応に対し強力な阻害活性を有する一方で、野生型EGFR細胞株に対しては阻害活性が著しく低いことが確認されています。先般、AZD9291の国際一般的名称(INN)案であるosimertinibの名称が世界保健機構 (WHO) により発表され、2015年11月までに正式に採択される可能性があります。 米国においては、米国医師会がosimertinibを米国採用名称 (USAN)として容認しました。

AZD9291開発プログラムについて
AZD9291は、EGFR-TKIによる治療後病勢進行がみられたEGFR T790M変異陽性、局所進行または転移NSCLC患者さんを対象とし、プラチナ製剤ベースの2剤化学療法との比較におけるAZD9291の有効性・安全性の評価を目的とする非盲検無作為化第III相確認試験であるAURA3で検討されています。また、AZD9291は術後補助療法、脳転移をもつ患者さんを含むファーストライン治療、および他の化合物との併用治療においても検討されています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
オンコロジーはアストラゼネカが歴史的に深い経験を有する治療領域です。本領域は当社の主要な成長基盤のひとつであり、当社の将来を変革することが期待されています。当社のビジョンはがん治療のパラダイムを再定義することで患者さんを助け、将来的にはがんによる死亡をなくすことです。2020年までに6つの新しいがん治療薬を患者さんにお届けすることを目指しています。当社の次世代医薬品の広範なパイプラインは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの主要な基盤のもと、卵巣がん、肺がん、乳がんおよび血液がんの4つの主な疾病領域に焦点を当てた開発を進めていきます。

ロシュについて
スイスのバーゼルに本社を置くロシュは医薬品事業および診断薬事業を柱とする研究開発型企業であり、トップクラスのヘルスケア企業です。ロシュは世界最大のバイオテクノロジー企業であり、オンコロジー、免疫、感染症、眼科およびニューロサイエンス領域において画期的な医薬品を有しています。また、ロシュは体外診断薬・機器事業と病理学的検査事業における世界のリーダーであるとともに、糖尿病管理における最先端企業です。ロシュの個別化医療戦略は、患者さんの健康、クオリティオブライフおよび生存期間に有意な改善をもたらす医薬品や診断薬の提供を目指しています。1896年に創業以来、ロシュは1世紀以上にわたり世界中の人々の健康に重要な貢献を果たしてきました。ロシュにより開発された24品目の医薬品が世界保健機関の必須医薬品モデル・リストに掲載されており、それらには生命を救う抗生物質、抗マラリア薬、化学療法剤が含まれています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。