アストラゼネカ、ZSファーマを買収 循環器・代謝疾患領域のポートフォリオを強化

本資料はアストラゼネカ英国本社が2015年11月6日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


アストラゼネカはZSファーマを1株当たり90ドルで買収
現在FDA審査中のベストインクラスの可能性をもつ高カリウム血症治療薬を含む 2016年からの製品売上への貢献ならびにアストラゼネカの成長回復戦略へのプラス効果が期待される

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は11月6日、米国のバイオ医薬品企業ZS Pharma社(本社:米国カリフォルニア州サンマテオ、以下、ZSファーマ)を買収する最終契約を締結したことを発表しました。ZSファーマは独自のイオントラップ技術を用いて、慢性腎疾患(以下、CKD)および慢性心不全(以下、CHF)の典型的な合併症であり、血中カリウム濃度が上昇する重篤な疾患である高カリウム血症(カリウム高値)の新規治療薬を開発しています。

今回の買収によりアストラゼネカは、CKDおよびCHFの死亡率上昇を伴う高カリウム血症に対する、ベストインクラスの治療薬になる得るカリウム吸着剤ZS-9を入手します。ZS-9は現在、米国食品医薬品局(FDA)により審査中で、処方医薬品ユーザー・フィー法上の審査完了は2016年5月26日を目標としています。欧州における販売承認申請は、2015年末までに行われる予定です。ZS-9のピーク時の売上は、全世界で年間10億ドル超と予測しています。

ZSファーマは、アストラゼネカの主要3治療領域のひとつである循環器・代謝疾患のパイプラインおよびポートフォリオと非常に良くフィットし、今回の買収はこの主要3治療領域(循環器・代謝領域、オンコロジー、呼吸器・炎症・自己免疫)に焦点を絞った事業開発を継続するものです。アストラゼネカは、循環器疾患、糖尿病および慢性腎疾患の複数の危険因子に対応することで罹患率、死亡率および臓器損傷を低減することを戦略の焦点としています。アストラゼネカは、現在CKD合併貧血の治療薬として第III相開発段階にあるroxadustatおよび業界トップクラスの糖尿病ポートフォリオを含め、CKDおよびCHF治療薬の開発にさらに注力しており、ZS-9はその戦略を補完するものです。

アストラゼネカの最高経営責任者であるパスカル・ソリオは次のように述べました。「高カリウム血症は慢性腎不全および慢性心不全の患者さんにとって致死的になりうる疾患ですが、そのリスクは過小評価されており発現率は増加しています。今回の買収によって、当社の革新的医薬品のポートフォリオにベストインクラスになりうる治療薬が追加され、循環器・代謝疾患への当社の戦略的注力を補完するものです。私たちはZSファーマのチームをアストラゼネカに迎えることを楽しみにしています」。

本契約に基づき、アストラゼネカはZSファーマの全発行済株式を1株当たり90ドル、合計取引額約27億ドルで全額現金取引によって取得します。

ZSファーマはカリフォルニア3拠点およびテキサス州コロラドの拠点に所属する約200人の従業員を擁し、契約完了後はアストラゼネカの全額出資子会社になります。今回の取引によるアストラゼネカの2015年財務ガイダンスへの影響はありません。2016年から製品売上の計上、2016年と2017年には最小限の利益の希薄化、2018年からはアストラゼネカの中核利益への貢献が予想されます。

ZSファーマの最高経営責任者であるRobert Alexanderは次のように述べました。「今回の契約により、循環器・代謝疾患治療薬の開発および商業化におけるアストラゼネカの長期にわたる専門性を活用し、ZS-9の可能性を最大化することができます。当社は、これからアストラゼネカと共に、この重要な高カリウム血症治療薬を全世界の市場への導入にむけて協働し、重大なアンメット・メディカルニーズに応える一助となることを楽しみにしています」。

買収条件
本買収の構造は、ZSファーマの普通株式の全発行済み株式を1株当たり90ドルで全額現金株式公開買い付けを実施後、ZSファーマの普通株式のうち非入札株を公開買い付けと同様の1株当たり90ドルの対価に変換し合併するというものです。本合併契約に基づき、アストラゼネカはZSファーマの普通株式の全発行済み株式を取得するため公開買い付けを開始します。ZSファーマの取締役会は全会一致で本契約を承認しました。

ZSファーマの発行済み株式の大部分の入札、および1976年のハート・スコット・ロディノ反トラスト改正法に基づく待機期間の満了または早期終了は、慣習的な買収条件の対象となるため、本取引の完了は2015年内と予想されます。本取引は融資条件の対象ではありません。


高カリウム血症について

高カリウム血症(カリウム高値)は慢性腎疾患および・または慢性心不全患者さんの23~47%に発症し、心停止および死亡(最大死亡率20%)に至る可能性があります。通常の心臓病治療薬による治療が原因で高カリウム血症が増加する場合もあります。既存の治療選択肢は限られているため、大きな薬剤間相互作用がない即効型治療薬に対するニーズが特に高く、アンメット・メディカルニーズが依然存在します。

ZS-9について
ZS-9は特許を有するケイ酸ジルコニウム化合物で、無味無臭の結晶として製造されます。5~15gの用量をテーブルスプーン3杯の水と混合し経口投与すると、選択性の高いカリウムトラップとして作用し、体内では吸収されず、便とともに排出されます。臨床試験によりZS-9は室温で安定し即効性があることが示されています。ZS-9のピーク時の売上は、全世界で年間10億ドル超と予測されています。出願中および取得済み特許(一部ライセンス契約)の失効時期は2032年以降です。

ZS ファーマについて
ZSファーマは2008年設立、治療選択肢が限られている疾患の現状に挑戦するバイオ医薬品企業として上場しています。同社は医療界に存在するアンメットニーズへの対応に焦点を当てた腎疾患および肝疾患の治療薬の開発に独自のイオントラップ技術を活用することに注力しています。詳細はwww.zspharma.com.をご覧ください。

循環器・代謝疾患(CVMD) におけるアストラゼネカについて
循環器・代謝疾患および慢性腎疾患(CKD)は、サイエンスのリーダーシップの実現および成長の回復を目指すアストラゼネカの戦略の一環として注力する重点領域です。循環器・代謝疾患および慢性腎疾患の患者さんが、異なる病期において直面する複数の危険因子への対応に焦点を当て、人生を変えうる医薬品を通じて罹患率および死亡率を減少させることを目標とした、患者さん主導の戦略です。現在第III相開発段階にある革新的な医薬品の一つがroxadustatで、透析の有無にかかわらず、慢性腎疾患に伴う貧血治療薬としての可能性を有します。本製品の開発プログラムは、FibroGen社がアストラゼネカならびにアステラス製薬と協働して実施中です。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはwww.astrazeneca.com.をご覧ください。