アストラゼネカのチカグレロル 米国FDAが心筋梗塞の既往歴を有する患者さんに対する長期投与の適応追加を承認

本資料はアストラゼネカ英国本社が2015年9月4日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、9月3日、米国食品医薬品局 (以下、FDA)がチカグレロル(米国での製品名:BRILINTA®)の新規用量である60mgの、心筋梗塞発症から1年以上経過した患者さんに対する使用の適応拡大を承認したことを発表しました。これによりチカグレロルは、急性冠症候群(以下、ACS)の患者さん、また心筋梗塞の既往歴を有する患者さんにおける 心血管死、心筋梗塞 あるいは心臓発作、および脳梗塞の再発抑制の適応で承認されました。

チカグレロルは血小板活性を阻害することで効果を発揮する経口抗血小板剤で、2011年7月にPLATO試験*1のデータに基づいてFDAによる最初の承認がおりました。同剤は、ACS発症後少なくとも12カ月間、クロピドグレルと比較して心血管死の抑制において優位性を示した最初で唯一の抗血小板剤です。チカグレロルはまた、ACS治療のためステント留置が行われている患者さんにおいて、ステント血栓症の発症率を低減します。ACS管理において、ACSイベント発症後最初の1年間は、チカグレロル90mgの1日2回投与が推奨維持用量とされています。1年経過後は、心筋梗塞の既往歴を有する患者さんの60mg 1日2回投与による治療が可能になりました。

アストラゼネカのバイスプレジデント兼グローバル医薬品開発部門循環器・代謝疾患領域の統括部長であるElizabeth Björkは次のように述べています。「心筋梗塞発症後1年経過しても、患者さんはまだなおリスクにさらされています。今回の承認は、緊急を要する状況下においても、また長期的にも、チカグレロルが心血管イベント再発のリスクを低減する役割を果たすことを強調する重要なマイルストーンとなります」。

今回のチカグレロルの適応拡大は、FDAが疾患の治療、予防あるいは診断を大幅に改善する可能性があると判断した医薬品に付与されるFDA優先審査に基づいて承認されたものです。本承認は、2万1,000例超の患者さんを対象とする大規模アウトカム試験であるPEGASUS-TIMI 54試験に基づくものです。PEGASUS-TIMI 54 試験は、試験組み入れ前1~3年の間に心筋梗塞の既往歴がある患者さんを対象に、チカグレロルと低用量アスピリンとの併用を、プラセボと低用量アスピリンとの併用と比較して、アテローム血栓性イベントの長期の再発抑制効果を評価した試験です。*2

PEGASUS-TIMI 54試験の統括治験医師であり、TIMI研究グループの責任者でもある、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のMarc Sabatine, MD, MPHは次のように述べました。「PEGASUS-TIMI 54試験により、心筋梗塞の既往歴を有する患者さんの治療において、アスピリンにチカグレロルを追加投与することで、心血管死、心筋梗塞の再発、あるいは脳梗塞の発症リスクが有意に低減することが示されました。医師が患者さんに対して個別化された治療アプローチを提供することが重要とされる中で、本試験のデータは、より高い心血管イベント再発リスクに長期間おかれている患者さんに対して、既存の標準治療へのチカグレロルの追加投与がもたらし得る臨床的に重要なベネフィットを証明しています」。

チカグレロルは世界100カ国超において承認されており、12の主要なACS治療ガイドラインに採用されています。米国心臓病協会(AHA) および 米国心臓病学会(ACC)の2014年非ST上昇型急性冠症候群(NSTE-ACS)ガイドラインでは、チカグレロルはNSTE-ACSクラスIIaの患者さんの維持療法において優先的に推奨されており、また、NSTE-ACSクラスIの患者さんの管理における治療の選択肢としても推奨されています。

新規チカグレロル60mgは2015年9月末までに米国内の薬局で入手可能になるとされています。

*1PLATO試験は世界40カ国以上を対象とした試験ですが、日本は含まれていません
*2 Bonaca MP, Bhatt DL, Cohen M, et al. Long-term use of ticagrelor in patients with prior myocardial infarction. N Engl J Med. 2015;372:1791-800
 

チカグレロル(海外での製品名:BRILINTA®)について
チカグレロルは急性冠症候群(ACS)に対する経口抗血小板治剤で、シクロペンチルトリアゾロピリミジン群(cyclo-pentyl-triazolo-pyrimidines:CPTPs)に分類され、P2Y12受容体に直接作用します。チカグレロルは血小板活性を阻害することで効果を発揮し、ACS患者さんにおいて心筋梗塞あるいは心血管死などを含む血栓性心血管イベントの発症率を低下させることが示されています。
BRILINTA®はアストラゼネカグループの登録商標です。
*チカグレロルは日本国内では未承認

PEGASUS-TIMI 54試験について
PEGASUS-TIMI 54 (PrEvention with TicaGrelor of SecondAry Thrombotic Events in High-RiSk Patients with Prior AcUte Coronary Syndrome – Thrombolysis In Myocardial Infarction Study Group)は、アストラゼネカの最大級のアウトカム試験のひとつで、31カ国の1,100超の施設からの2万1,000例を超える患者さんを対象としています。本試験では、試験組み入れ前の1~3年間に心筋梗塞の既往歴がある患者さんを対象に、チカグレロル錠60mgあるいは90mgと低用量アスピリンを1日2回併用投与することで、アテローム血栓性イベントの再発抑制効果を評価したものです。本試験の主要有効性評価項目は心血管死、心筋梗塞または脳梗塞の複合エンドポイントです。 本試験は米国マサチューセッツ州ボストンにあるブリガム・アンド・ウィメンズ病院のTIMI(Thrombolysis in Myocardial Infarction)研究グループと協働して実施されました。
PEGASUS-TIMI 54試験はアストラゼネカのPARTHENONプログラムの一環として実施した試験です。さらに、PARTHENONプログラムでは現在、末梢動脈疾患、虚血性脳梗塞あるいは一過性脳虚血発作の患者さんと、糖尿病と冠動脈アテローム性硬化を有する患者さんを対象に、チカグレロルの心血管性イベント発生抑制効果を評価する複数の試験を実施しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。