アストラゼネカ PEGASUS-TIMI 54試験 サブ解析データを発表 チカグレロルによる心筋梗塞発症1年後以降の治療継続の重要性が示される

本資料はアストラゼネカ英国本社が2015年8月31日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


欧州心臓病学会2015において心血管イベントの長期再発抑制の必要性を強調

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、8月31日、P2Y12阻害剤による抗血小板治療の中止後の経過時間に基づいた、心筋梗塞の既往歴を有する患者さんにおけるアテローム血栓性イベント抑制に対するチカグレロル の効果を評価するPEGASUS-TIMI 54試験サブ解析の詳細を発表しました。現在の欧州のガイドラインでは、心筋梗塞発症後12カ月で抗血小板剤の併用治療を中止することを推奨しています。PEGASUS-TIMI 54試験は心筋梗塞の既往歴(1~3年前)を有する患者さんを対象に実施されました。

欧州心臓病学会(ESC)2015の臨床試験アップデートホットラインセッションにおいて発表されたデータによって、P2Y12 阻害剤による抗血小板治療の中止によって、心血管死、心筋梗塞あるいは脳梗塞を含む虚血性イベントのリスクが高まることが示されました。

PEGASUS-TIMI 54試験でプラセボ群に組み入れられた患者のうち、P2Y12 阻害剤による抗血小板前治療を30日以内に中止した患者さんは、30日以上前に治療を中止した患者さんと比べて、最初の心筋梗塞発症からの経過期間に関わらず、虚血性イベントを再発するリスクが上昇していました。これは治療中止による継続リスクによるものだけでなく、本解析においては調整されているもののベースラインの患者の特徴の違いによってもたらされた可能性もあります。

治療中止後30日以内に本試験のチカグレロル群に無作為に割り付けられた患者さんは、事後のイベントを再発するリスクが27%低下していました。チカグレロルによる治療のベネフィットはこうした患者群において最大の効果を示し、最後の投薬からの期間が長くなるほどリスクに対する効果が減少していました。(30日以下:ハザード比 0.73、 30 日から360 日まで: ハザード比 0.86、360 日より長期: ハザード比 1.01)

本サブ解析試験の統括治験医師を務めたブリガム・アンド・ウィメンズ病院循環器科のアソシエート医師でありTIMI試験グループの治験医師でもあるDr. Marc P. Bonaca, MD, MPHは次のように述べました。「これらの結果によって、心筋梗塞発症後2年以上経過しP2Y12阻害剤治療を1年超中止している安定した状態にある患者さんに治療を再開するよりも、P2Y12阻害剤治療を12カ月以降も中断することなく継続するほうが、ベネフィットが大きいことを示しています」。

チカグレロルのグローバル開発責任者であるMarc Ditmarschは次のように述べました.「本結果により、当社が心筋梗塞の既往歴を有する患者さんの心血管イベントの再発リスクに関してさらに理解を深められたことをうれしく思います。また、これにより、チカグレロルによる長期治療によって、どのような患者さんが最も恩恵を受けるのかといった理解も深まるでしょう」。

PEGASUS-TIMI 54試験は、試験組み入れ前1~3年の間に心筋梗塞の既往歴がある患者さんを対象に、低用量アスピリンの治療下で、チカグレロル錠60mgあるいは90mg、または、プラセボを1日2回併用投与したときの、アテローム血栓性イベントの再発抑制を長期的に調べ、チカグレロルとアスピリンの併用療法の有効性と安全性を評価したものです。PEGASUS-TIMI 54試験の全結果は2015年3月New England Journal of Medicineに掲載されました1。チカグレロルは現在EUおよび米国において、心筋梗塞の既往歴(1~3年前)を有する患者さんにおけるアテローム血栓性イベントの再発抑制を適応として承認審査中です。

1 Bonaca MP, Bhatt DL, Cohen M, et al. Long-term use of ticagrelor in patients with prior myocardial infarction. N Engl J Med. 2015;372:1791-800.
 

PEGASUS-TIMI 54試験について
PEGASUS-TIMI 54 (PrEvention with TicaGrelor of SecondAry Thrombotic Events in High-RiSk Patients with Prior AcUte Coronary Syndrome – Thrombolysis In Myocardial Infarction Study Group)は、アストラゼネカの最大級のアウトカム試験のひとつで、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカ、オーストラリア、アジア31カ国の1,100超の施設からの2万1,000例を超える患者さんを対象としています。本試験は米国マサチューセッツ州ボストンにあるブリガム・アンド・ウィメンズ病院のTIMI(Thrombolysis in Myocardial Infarction)研究グループと協働して実施されています。PEGASUS-TIMI 54試験では、試験組み入れ前の1~3年の間に心筋梗塞の既往歴がある患者さんを対象に、プラセボと低用量アスピリンの併用と比較して、チカグレロル錠60mgあるいは90mgと低用量アスピリンを1日2回併用投与したときの、アテローム血栓性イベントの長期抑制に対するチカグレロル両用量の有効性および安全性を評価しました。本試験の主要有効性評価項目は複合エンドポイントである心血管死、心筋梗塞または脳梗塞のいずれかの最初の発症までの経過期間です。

PARTHENONプログラムについて
PEGASUS-TIMI 54試験はPARTHENONライフサイクルマネジメントプログラム中の主要試験です。同プログラムは、アストラゼネカが出資し、長期に進展しつづけるグローバルリサーチイニシアチブです。アテローム血栓性疾患患者さんの管理における答えのない問題に対応するとともに、死亡を含むアテローム血栓性イベント低減に対するチカグレロルの影響を調査することを目的としています。
PARTHENONプログラムは患者さんの健康を増進するため、心血管疾患を解明し治療を進展させるアストラゼネカのコミットメントの一環です。

チカグレロル(海外での製品名:BRILINTA®)について
チカグレロルはで急性冠動脈症候群(ACS)に対する経口抗血小板治剤で、シクロペンチルトリアゾロピリミジン群(cyclo-pentyl-triazolo-pyrimidines:CPTPs)に分類され、P2Y12受容体に直接作用します。チカグレロルは血小板活性を阻害することで効果を発揮し、ACS患者において心筋梗塞あるいは心血管死を含む血栓性心血管イベントの発生率を低下させることが示されています。
BRILINTA®はアストラゼネカグループの登録商標です。
*チカグレロルは日本国内では未承認

Thrombolysis in Myocardial Infarction(TIMI) 研究グループについて
TIMI研究グループは、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院とハーバードメディカルスクールの関連団体で、マサチューセッツ州ボストンを拠点としています。本グループは、循環器疾患を有する患者さん、あるいは循環器疾患リスク因子を有する患者さんにおいて、治療の変革をもたらした多くの臨床試験を実施したアカデミック研究機関(ARO)です。同グループの著名な実績として、TIMIリスクスコアと呼ばれる不安定狭心症あるいは非ST上昇型心筋梗塞を有する患者さんにおける死亡リスクおよび虚血性イベントリスクを評価するスコアの開発があります。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。