アストラゼネカ メディミューンとMIRATI THERAPEUTICSの肺がん免疫併用療法における提携を発表

本資料はアストラゼネカ英国本社が8月5日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


アストラゼネカは、8月5日、自社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンと、ドライバー遺伝子およびエピジェネティックに特化するオンコロジー専門企業Mirati Therapeutics, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下、Mirati社)が臨床試験に関する独占的提携を締結したことを発表しました。当該第I/II相試験では、メディミューンの治験薬である抗PD-L1免疫チェックポイント阻害剤durvalumab(MEDI4736)とMirati社の治験薬であるスペクトラム選択性ヒストンデアセチラーゼ(ヒストン脱アセチル化酵素)(HDAC)阻害剤mocetinostatとの併用療法について、安全性および有効性を評価します。

本新規併用療法は最初に非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象として評価がなされますが、将来的には適応追加も検討していく可能性があります。

Durvalumabは腫瘍が免疫系から探知されることを避けようとするシグナルを遮断することで腫瘍の免疫監視機構からの回避を阻止するよう設計されています。一方、Mocetinostatはクラス1HDAC酵素を選択的に阻害することで、durvalumabのようなチェックポイント阻害剤の免疫系に対する効果を向上させる可能性を持ちます。

メディミューンのバイスプレジデント兼オンコロジー研究・早期開発部門の責任者であるDavid Bermanは次のように述べました。「Mirati社との提携は、併用に焦点を当てたがん免疫治療戦略ならびに重点疾患領域である肺がんに対する、当社の包括的かつ新たな試みの一例です。当社は、患者さんのアンメットニーズに応える新規併用治療を探求するために、durvalumabを基盤として、引き続き科学的エビデンスを追い求めます」。

Mirati社の最高経営責任者(CEO)であるCharles M. Baumは次のように述べました。「MocetinostatがPD-L1抗体などの免疫チェックポイント阻害剤の有効性を高める可能性を示すエビデンスが蓄積されつつあります。Mocetinostatは、非小細胞肺がん、および他の腫瘍型の患者さんにおけるdurvalumabの有効性を高める可能性がある特定の複数のHDACを選択的に標的とします。当社は、患者さんへの効果を将来高める可能性がある本併用療法に関し、メディミューンと協働することを楽しみにしています」。

本契約に基づき、2016年に開始予定の最初の第I/II相臨床試験をMirati社が実施およびその費用負担をする一方、メディミューンが本試験用のdurvalumabを提供します。本試験は、両社が設立した合同委員会が監督します。最初の臨床試験が肯定的な結果を示した場合、メディミューンは当該適応症における本併用療法の商業的ライセンスを交渉する独占期間を保持します。
 

Mocetinostatについて
Mocetinostatは経口スペクトラム選択的HDAC阻害剤です。現在、ヒストン・アセチルトランスフェラーゼ遺伝子であるCREBBPおよびEP300の不活性化変異を持つ患者さんの治療薬として2本の単剤療法第II相試験が実施されています。試験のひとつは膀胱がん患者さんを対象としており、もうひとつは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) 患者さんと濾胞性リンパ腫 (FL) 患者さんを対象とする医師主導試験です。米国食品医薬品局 (FDA) はmocetinostatにDLBCLの治療薬として希少疾病用医薬品指定を付与しました。さらに、クラス1スペクトラム選択的HDAC阻害剤は、これらのクラスの薬剤が併用された場合、対象患者層を増加させ、免疫チェックポイント阻害剤の免疫系に対する効果を向上させる可能性を示すエビデンスが蓄積されつつあります。この強固な科学的根拠に基づき、mocetinostatはNSCLC治療薬として、PD-L1モノクローナル抗体との併用で評価されています。本第I/II相試験は2016年に開始されると予想されます。Miratiは、本プログラムに関し大鵬薬品株式会社と提携している一定のアジア地域を除き、全世界を対象とするmocetinostatの権利を保有しています。

Durvalumabについて
Durvalumab (MEDI4736) はプログラム細胞死リガンド1 (PD-L1) を標的とするヒトモノクローナル抗体治験薬です。PD-L1からのシグナルは腫瘍が免疫システムにより探知されるのを回避します。Durvalumab はこれらのシグナルを遮断し、腫瘍の免疫監視機構からの回避を阻止します。

Durvalumabは、前倒しで非小細胞肺がんと頭頸部がんの第III相臨床開発を開始しました。OCEANS臨床開発プログラムはdurvalumabの単剤療法および細胞障害性Tリンパ球抗原4モノクローナル抗体tremelimumabとの併用を肺がんの全スペクトラムにおいて評価します。Durvalumabは頭頸部がんを対象とした3本の後期試験 (HAWK、 CONDOR、 EAGLE)を実施しており、化学療法が奏功しなかった異なるPD-L1発現状況を有する患者さんにおける単剤療法およびtremelimumabとの併用を検討しています。

Durvalumabは、肺がんおよび頭頸部がんに加えて、胃がん、膵臓・膀胱がんを含む複数の腫瘍型において、包括的な開発プログラムが実施されています。

Mirati Therapeuticsについて
Mirati Therapeutics, Inc.(以下Mirati社)は腫瘍の増殖抑制を目的とする分子標的がん治療薬を開発しています。Mirati社は、オンコロジー医薬品開発において最も重要な以下3要素の組み合わせによるアプローチを行っています。1) がんのドライバー遺伝子・エピジェネティックを標的とする医薬品候補の研究・開発、2) 腫瘍が特定のドライバーの変異に依存している患者さん別に選択する創造的かつ機動的な臨床開発戦略の設計、3) 多くの業績を達成しているオンコロジーリーダーシップチームの活用。Mirati社は、患者さんへの効果を高め得る画期的がん治療薬開発のために、開発経路を加速させ、過去の実績で有効性が証明された設計図を用います。Mirati社は複数のがんの適応で3品目の医薬品候補の臨床開発を進めています。詳細はhttp://www.mirati.comでご覧ください。

オンコロジー領域におけるアストラゼネカについて
オンコロジーはアストラゼネカが歴史的に深い経験を有する治療領域です。本領域は当社の6番目の成長基盤となり、当社の将来を変革することが期待されています。当社は、がん治療のパラダイムを再定義することで患者さんを助け、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げ、2020年までに6つの新しいがん治療薬を患者さんにお届けすることを目指しています。

当社の次世代医薬品の広範なパイプラインは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの主要な基盤のもと、卵巣がん、肺がん、乳がんおよび血液がんの4つの主な疾病領域に焦点を当てた開発を進めていきます。

メディミューンについて
メディミューンはアストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門です。メディミューンは、革新的な研究を先駆的に進めており、呼吸器、炎症、自己免疫疾患、心血管および代謝性疾患、がん、ニューロサイエンスならびに感染症、ワクチン等の注力疾患領域において新規治療経路の検討に取り組んでいます。メディミューンの本社は、アストラゼネカの3つのグローバル研究開発拠点のひとつとして、米国メリーランド州ゲイザースバーグにあります。詳細はhttps://www.medimmune.com/をご覧ください。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。