アストラゼネカ2型糖尿病および慢性腎臓病の試験でフランス国立保健医学研究所(INSERM)と共同研究を開始

本資料はアストラゼネカ英国本社が2015年6月17日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


アストラゼネカは6月17日、フランス国立保健医学研究所(French National Institute of Health and Medical Research: 以下、Inserm)と3年間にわたる共同研究を実施し、2型糖尿病と慢性腎臓病(以下、CKD)の新たな治療アプローチを検討することを発表しました。本共同研究では、これらの疾患の要因となる生物学的機序に関する理解を深め、その知見に基づき新規治療薬を開発することを目的としています。

本共同研究の各プロジェクトは、フランス・トゥールーズおよびパリにあるInsermの拠点、およびスウェーデン・ムンダールにあるアストラゼネカの研究拠点に所属する研究者の合同チームにより実施され、以下の3つの領域に重点的に取り組みます:

CKD治療への経路としての鉱質コルチコイド受容体 (MR) 活性の理解
過剰なMR活性はCKD発症の重要なメカニズムですが、本受容体はまた、体内の電解質バランスを維持するうえで必要不可欠な働きをします。当社は、パリにあるCordeliers 研究所 (Inserm unit 1138)のFrederic Jaissser教授率いるチームと共に、CKDの治療薬となりうるMR活性の複雑性を解明することを目指します。

インスリンに対する組織感受性の向上
健康な人の脂肪細胞では、食事摂取時(エネルギー過剰状態)に脂肪を蓄積し、空腹時に放出しますが、肥満かつインスリン抵抗性患者さんにおいては、過剰脂肪組織が脂肪を際限なく血中に放出します。その結果、肝臓や筋肉などにおける組織に脂肪が蓄積し、組織上でインスリン作用への抵抗を引き起こし、2型糖尿病を発症しやすくなります。アストラゼネカは、トゥールーズにあるInserm/Paul Sabatier大学代謝・循環器疾患研究所(I2MC、Inserm unit 1048)の Dominique Langin教授率いるチームと共に、血中への脂肪の放出を抑制し、脂肪の沈着を正常化し、末梢組織のインスリン感受性を高める薬理学的方法を模索します。

インスリン産生能力喪失を探求
膵臓に存在するβ細胞はインスリンを産生し放出します。2型糖尿病においてはβ細胞の数とインスリンを産生し分泌する能力の両方が低下します。アストラゼネカは、パリにあるthe Inserm/パリ大学-Descartes unit 1016 “Cochin Institute”の Raphaël Scharfmann教授率いるチームと共に、インスリンを産生・放出する能力を喪失したヒトβ細胞のモデルを開発し、この生物学的な影響や治療によってこうした異常がどのように補正されるのかを解明します。

アストラゼネカの研究・早期開発部門循環器・代謝疾患領域統括責任者のMarcus Schindlerは次のように述べました。「過去数年間、当社は循環器・代謝疾患の先駆的な研究に注力してきました。InsermのLangin教授、Jaisser教授、Scharfmann教授ならびに彼らの優秀な研究グループの皆さんの重点分野と、当社の研究戦略が理想的に合致することから、Insermと協力し、この野心的な研究を更に強化していきます」。

Inserm生理病理学・代謝・栄養学研究所のChristian Boitard教授は次のように述べました。「本共同研究において、我々はβ細胞、鉱質コルチコイド受容体および組織による脂肪処理に集中的に取り組みます。Insermの民間補助機関であるInserm Transfert チームの運営サポートを受けながら、アストラゼネカとInsermの科学者が協力し合い、お互いの専門性および基盤を活用することで、このような重要分野の研究を発展させることができる素晴らしい機会となるでしょう」。
 

フランス国立保健医学研究所(Inserm)について
1964年に創立されたInsermは、公的な科学技術研究機関で、フランス政府の国民教育・高等教育・研究省および厚生・女性権利省が合同監督しています。Insermは約15,000人の研究者、エンジニア、技術者、博士課程修了の学生と300超の研究所を擁する、ヒトの健康に全面的に特化するフランス唯一の公的研究機関です。所属科学者は最も一般的なものから最も希少なものまですべての疾病を研究することを使命としています。Insermは2009年に創設されたAviesan*(the French National Alliance for Life Sciences and Health、生命・医療科学全国研究機関連盟)のメンバーです。
* Aviesanの創立メンバー : CEA(フランス原子力・代替エネルギー庁)、 CNRS(国立科学研究センター)、CHRU(大学・地方病院), CPU(大学長会議), INRA(国立農学研究所), INRIA(国立情報学自動制御研究所)、 Inserm(国立保健医学研究所)、Institut Pasteur(パスツール研究所)。Insermの民間の補助機関であるIRD Inserm TransfertがInsermのすべての技術移転活動に全面的に責任を持つ。www.inserm.fr

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。