アストラゼネカ、2015年米国臨床腫瘍学会にてEGFR変異陽性肺がんにおけるAZD9291ファーストライン治療の肯定的データを発表

本資料はアストラゼネカ英国本社が2015年5月31日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


進行非小細胞肺がんファーストライン治療において80%超の患者さんが9カ月時点で無増悪達成

アストラゼネカは、5月31日、上皮成長因子受容体変異陽性(EGFRm)進行非小細胞肺がん(NSCLC)のファーストライン治療におけるAZD9291の有効性および安全性に関する初期データを発表しました。データでは、AZD9291を1日1回投与中の患者さんの81%(95%信頼区間 : 68% ~89%)において無増悪生存期間9カ月を達成し、全奏効率は73%(95%CI: 60%~84%)であったことが示されました。最長奏効期間は継続的に延長されておりデータカットオフの時点で13.8カ月でした1

AURA第I相試験のファーストライン症例拡大投与群のデータが、シカゴにおける米国臨床腫瘍学会の年次集会(ASCO)において発表されました。ファーストライン投与群はAZD9291を1日1回80mgあるいは160mg投与された60例のEGFRm進行NSCLC患者さんで構成されていました。80mg投与群での追跡期間中央値は約11カ月、160mg投与群での追跡期間中央値は約8.5カ月であり、本データは最終のデータではありません。両群において最もよく見られた有害事象は発疹(グレード3:80mg群で0%、160mg群で3%)および下痢(グレード3:80mg群で0%、160mg群で7%)でした1

AURAファーストラインデータを発表し、FLAURA試験の主席治験担当医師でもある米国ジョージア州アトランタのエモリー大学医学部臨床腫瘍学の主任教授、Suresh S. Ramalingamは次のように述べました。「これら初期データにより、未治療進行EGFR変異陽性NSCLC患者さんにおけるAZD9291の可能性が示されました。AZD9291の有望な本結果は、ファーストライン治療として現在実施中の第III相FLAURA試験2 によって、更に検証されます」。

AURA試験の初期データは4月に欧州肺がん学会 議(ELCC)において発表された結果に基づいています。ELCCにおいて発表されたデータでは、患者さんの38%にしか病勢進行が認められず3、AZD9291の80mg1日1回投与を受けたT790M耐性変異陽性を有する既治療のEGFRm進行NSCLC患者さんが、無増悪生存期間中央値13.5カ月(95%CI: 8.3カ月~測定不能)を達成したことが示されました。EGFRm NSCLC患者さんは、現在入手可能なEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKIs)による治療に対し非常に高い感受性を示します。しかし、腫瘍はほとんどの場合薬剤耐性を生じ、その結果、病勢が進行します。既承認のEGFR-TKIsであるゲフィチニブあるいはエルロチニブによる治療中の患者さんの約3分の2において、二次変異であるT790Mによる耐性が生じます4

グローバル医薬品開発部門オンコロジー領域責任者のAntoine Yverは次のように述べました。「AZD9291のファーストライン治療に対するこの有望な結果は、T790M耐性変異を有し、第1世代EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による前治療後病勢が進行したEGFRm進行NSCLC患者さんにおいて既に確認された有効性に基づくものです。今後欧州で予定しているAZD9291の薬事承認申請は迅速審査を得ています。当社は、AZD9291がEGFR変異およびEGFR耐性変異の双方の標的に対し、早期かつ持続的な有効性を有していると確信しています」。

AZD9291は、新たに同定された耐性に対するAZD9291の潜在的ベネフィットを解明し、より多くの患者さんに貢献するために、単剤療法および他の低分子および免疫治療治験薬との併用療法を含む、異なる治療方針にわたり検討されています。実施中のTATTON試験は、肺がんにおけるMEDI4736(抗PD-L1免疫チェックポイント阻害剤)、selumetinib (MEK阻害剤)、またはsavolitinib(MET 阻害剤;AZD6094)の併用を検討します。ASCOで発表されたTATTON試験のデータは、AZD9291の忍容安全性プロファイルを示しており、他の分子との併用による潜在的相乗効果が期待される結果を示しました5。T790M耐性変異を有するEGFRm NSCLC患者さんのセカンドライン治療としてMEDI4736との併用におけるAZD9291を検討する第III相試験 (CAURAL)も、「併用」に焦点を当てたアストラゼネカの開発戦略の一環として、本年末までに開始される予定です。

AZD9291およびMEDI4736は治験薬であり、薬事承認された適応症、薬事当局により承認された国は未だありません。

1 Ramalingam SS et al. AZD9291, A mutant-selective EGFR inhibitor, as first-line treatment for EGFR mutation-positive advanced non-small cell lung cancer (NSCLC): Results from a phase 1 expansion cohort. J Clin Oncol 2015; 33 (suppl; abstr 8000). Data on file [Atlas ID: 787,626.011].

2 Ramalingam SS et al. A randomized, Phase III study (FLAURA) of AZD9291, a novel EGFR-TKI, versus gefitinib or erlotinib in treatment-naive patients with advanced non-small cell lung cancer and an EGFR-sensitizing mutation. J Clin Oncol 2015; 33 (suppl; abstr TPS8102).

3 Jänne PA, et al. A Phase I study of AZD9291 in patients with EGFR-TKI-resistant advanced NSCLC – updated progression-free survival and duration of response data Ann Oncol 2015; 26(Suppl 1): i60, abs LBA3.

4 Yu H, et al, Analysis of Tumor Specimens at the Time of Acquired Resistance to EGFR-TKI Therapy in 155 Patients with EGFR-Mutant Lung Cancers. Clin Cancer Res. 2013:19:2240-7.

5 Oxnard GR et al. Preliminary results of TATTON, a multi-arm phase Ib trial of AZD9291 combined with MEDI4736, AZD6094 or selumetinib in EGFR-mutant lung cancer. J Clin Oncol 2015; 33 (suppl; abstr 2509).

6 Cross DA, et al. AZD9291, an irreversible EGFR TKI, overcomes T790M-mediated resistance to EGFR inhibitors in lung cancer. Cancer Discov. 2014;4:1046-61.

7 Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR mutation testing on cytological and histological samples in non-small cell lung cancer: a Polish, single institution study and systematic review of European incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013;6:2800-12.

8 Ellison G, et al. EGFR mutation testing in lung cancer: a review of available methods and their use for analysis of tumour tissue and cytology samples. J Clin Pathol. 2013;66:79-89.

9 Sharma SV, et al. Epidermal growth factor receptor mutations in lung cancer. Nat Rev Cancer. 2007;7:169-81.

10 Mok TS, et al. Gefitinib or Carboplatin-Paclitaxel in Pulmonary Adenocarcinoma. N Engl J Med. 2009;361:947-57.

11 Rosell R, et al. Erlotinib versus standard chemotherapy as first-line treatment for European patients with advanced EGFR mutation-positive non-small-cell lung cancer (EURTAC): a multicentre, open-label, randomised phase 3 trial. Lancet Oncol. 2012;13:239–46.

AZD9291について
AZD9291は、現在開発中の選択性の高い不可逆的阻害剤で、野生型EGFRには作用せず、EGFR活性化変異 と耐性遺伝子変異であるT790Mの双方を阻害します6

NSCLC患者さんのうちEGFR変異陽性の患者さんは、ヨーロッパで10-15%7 、アジアでは30-40%に上り8、がん細胞の増殖を促進する細胞内シグナル伝達経路を阻害する既存のEGFR TKI による治療に非常に高い感受性を示します9-11。 しかし、腫瘍細胞はほとんどの場合、薬剤耐性を生じ、その結果、病勢が進行します。この薬剤耐性は、T790Mとして知られる二次変異が原因で、進行EGFR変異陽性NSCLC患者さんの過半数において発生します。現時点では、EGFR変異陽性T790M進行NSCLC患者さんに特化した治療薬は承認されていません。

AZD9291は、米国食品医薬品局 (FDA) によりBreakthrough Therapy(画期的治療薬)の指定を受けるとともに、希少疾病医薬品および優先審査のステータスも与えられました。

AURAファーストライン投与群について
60例のEGFRm進行NSCLCを有する未治療患者さんがAZD9291の1日1回80mgまたは160mgの投与群に組み入れられました1。2015年4月15日のデータカットオフの時点で、60例のうち48例が80mgおよび160mg投与群において本試験の治療を継続中でした1。最終データ取得は2015年8月と予想されています。

グレード3以上の有害事象(AEs)のうち、80mg投与群中の1例が悪心を、160mg投与群中の6例が発疹1例、下痢2例、胃炎1例、爪周囲炎2例 を報告しました1
2015年4月7日時点で、AZD9291の投与を受けた1,100例を超える全患者さんのうち、約2.6%の患者さん (31例)において間質性肺疾患 (ILD) 関連事象が報告され、グレード1が7例、グレード2が7例、グレード3以上が16例、現時点でグレード未判定が1例でした。このうち、合計3例の患者さんにおいてILD (グレード5)による死亡が報告されています5

FLAURAについて
FLAURAは第III相二重盲検無作為化試験で、AZD9291の1日用量80mgとゲフィチニブ1日250mgまたはエルロチニブ1日150mg というEGFRチロシンキナーゼ阻害剤による標準治療の未治療局所進行または転移EGFRm NSCLC患者さんにおける有効性と安全性を比較する試験です。

TATTONについて
TATTONは、EGFR TKI 治療薬による前治療後進行した進行EGFR変異陽性肺がん患者さんにおいて、AZD9291の1日用量80mgとMEDI4736(抗PD-L1ヒトモノクロナール抗体)、savolitinib(MET阻害剤;AZD6094)、またはselumetinib (MEK 1/2阻害剤;AZD6244、ARRAY-142886)との併用療法を検討する多群間第Ib相試験です5。2015年4月30日現在、17例の患者さんが併用療法に登録され、selumetinibとsavolitinibの用量がそれぞれの第II相単剤療法用量まで増量される一方、MEDI4736の用量は第III相単剤療法用量まで増量されました。AZ0201+MEDI4736併用に最もよく見られた有害事象には、下痢、嘔吐、貧血、便秘、咳および悪心が含まれ、AZ9291+selumetinibの併用では悪心と疲労が、AZ9291+sovolitinibの併用では嘔吐、悪心および発疹が見られました5

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
オンコロジーはアストラゼネカが歴史的に深い経験を有する治療領域です。本領域は当社の6番目の成長基盤となり、当社の将来を変革することが期待されています。当社のビジョンはがん治療のパラダイムを再定義することで患者さんを助け、将来的にはがんによる死亡をなくすことで、2020年までに6つの新しいがん治療薬を患者さんにお届けすることを目指しています。当社の次世代医薬品の広範なパイプラインは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの主要な基盤のもと、卵巣がん、肺がん、乳がんおよび血液がんの4つの主な疾病領域に焦点を当てた開発を進めていきます。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。