アストラゼネカとメディミューン2015年米国臨床腫瘍学会において肯定的ながん免疫治療併用療法データを発表

本資料はアストラゼネカ英国本社が2015年5月30日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


アストラゼネカ(本社:英国ロンドン)と同社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューン(本部:米国メリーランド州、以下、メディミューン)は、5月30日、2015年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次集会において、新規併用療法に特化したがん免疫治療ポートフォリオの有望な結果を発表しました。

全体として、抗プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)ヒトモノクローナル抗体であるMEDI4736において、複数のがん腫おける単剤療法、および他のがん免疫治療や低分子化合物治療薬との併用療法における臨床的効果および管理可能な安全性プロファイルが示唆されました。

MEDI4736とtremelimumab の併用は、PD-L1陽性およびPD-L1陰性双方の進行非小細胞肺がん(NSCLC) 患者さんにおいて臨床的効果と忍容性を示し、今後の試験に向けた用量も確認されました

進行NSCLC治療におけるMEDI4736と細胞傷害性Tリンパ球関連抗原-4(CTLA-4)モノクローナル抗体であるtremelimumabとの併用試験により、いくつかのの前治療を受けた患者さんにおける臨床的効果が示されました。また、管理可能な安全性プロファイルも示され、第III相併用療法試験に進むための推奨用量が決定されました。

MEDI4736およびtremelimumabは標的とする腫瘍の免疫回避経路が異なっており、併用する事で免疫システムを腫瘍免疫の駆動の方向に向かわせ、かつ腫瘍特異的なT細胞反応を誘導します。

進行NSCLC患者さんにおける第Ib相非盲検、用量漸増試験のデータは、PD-L1およびCTLA-4併用による阻止により、PD-L1バイオマーカー陽性および陰性患者さん双方の奏効率が向上したことを示しました。16週間以上治療を受けた63例の患者さんによって臨床的効果が、102例の患者さんによって安全性が評価されました。NSCLC患者さんの約70%を構成し、単剤療法には比較的奏効しないPD-L1陰性の患者さんにおいては、一定の臨床的効果および忍容性が顕著に示されました。PD-L1陰性の患者さんのサブセットでは、全奏効率(ORR)は27%(33例中9例)、病勢コントロール率 (DCR) は48%(33例中16例)でした。なお、DCRは完全奏効(CR)、部分奏効率(PR)、もしくは病勢安定(SD)に定義付けられます。全体として、本試験の患者さんの半数近くが部分奏効または病勢安定を達成し、ORRは27%(63例中17例)、DCRは41%(63例中26例)を示しました(Antonia et al, abstract #3014)。

ほぼすべての有害事象(AEs)は、有害事象に対する標準治療ガイドラインに基づく対策で回復する、管理可能な事象でした。すべての用量群を通じて最も頻繁に報告された薬剤関連グレード3/4の有害事象は、大腸炎、下痢、リパーゼ値上昇および肝臓機能検査値上昇でした。102例中20例の患者さんは、多剤による疾病治療歴を持ち薬剤関連有害事象が見られたため試験を中止しました。

ASCOにおいて発表された併用データは、2014年9月に欧州臨床腫瘍学会議において発表された18例の患者さんに関する初期の結果に基づき得られたものです。

メディミューンのシニアバイスプレジデント兼研究・早期開発部門オンコロジー領域責任者であるDr. Ed Bradleyは次のように述べました。「本日発表されたMEDI4736とtremelimumabの併用に関する成熟しつつあるデータは素晴らしいものです。当社は併用療法の可能性が現実になりつつあると考えています。特に、腫瘍がPD-L1陰性であるがためにより良い治療薬を必要としている多くの非小細胞肺がん患者さんにとっては、T細胞の活性を増強させ臨床的効果を改善する必要があります。私たちは本件に関する相互補完的な薬剤を併用することによる可能性を示唆するデータが出たことに勇気づけられています」。

忍容性で臨床的効果をもたらす一連の用量が決定されました。すなわち、MEDI4736 20mgを4週間毎に投与(合計12回投与) 、およびtremelimumab 1mg/kgを4週間毎に投与(合計4回投与)という用量と投与スケジュールが、NSCLCにおける今後の併用試験に選択されました。この決定は、本併用において各分子が至適に貢献することを担保するため、患者さんに対する最善のアウトカムの主要な指標(臨床的有効性、忍容性および生物学的活性)を評価した試験のデータに裏打ちされています。データにより、tremelimumabの選択された用量は十分に忍容され、検討された他の用量と同様に臨床的効果を向上させることが示されています。

メディミューンのエクゼクティブバイスプレジデントであるBahija Jallalは次のように述べました。「当社は、2015年のASCOにおいて発表されている免疫療法データに勇気づけられています。しかしこれらの結果は、サイエンスを追求し続け、様々な併用の可能性によって構成される当社の多様なポートフォリオを活用していく過程においては、その一部に過ぎません。当社は、がんの免疫回避の複数のメカニズムを標的とすることこそが、最強の併用である可能性が高いと考えています。これらのメカニズムはT細胞活性化、抗原提示・自然免疫、および腫瘍の微小環境です。アストラゼネカとメディミューンは、バイオおよび低分子のパイプラインを有し、さらに新規パイプライン同士の併用で抗腫瘍免疫に的を絞る事により、この領域をリードする唯一のポジションを確立しています」。

ASCOでは、PD-L1陰性腫瘍を有するNSCLC患者さんにおけるMEDI4736とtremelimumabとの併用の有効性と安全性を評価するとともに、PD-L1陰性腫瘍を有するNSCLC患者さんにおけるMEDI4736を標準治療との比較で検討することを目的とする進行中の第III相ARCTIC試験の試験デザインについても発表されました(Planchard et al, abstract #TPS8104)。また、頭頸部の再発扁平上皮がん患者さんにおけるMEDI4736およびtremelimumabの単剤および併用第II相試験も最近開始しました。

複数のがん腫における他免疫治療薬および低分子治療薬との併用の土台となり得るMEDI4736の可能性が強化されました

ASCOにおける他のデータは、悪性黒色腫と肺がんにおける他のがん免疫治療および低分子化合物とのMEDI4736の併用の可能性を実証しました。

  • 進行悪性黒色腫におけるMEDI4736とBRAF(dabrafenib) および/またはMEK (trametinib)1阻害剤との史上初の第I相3剤併用試験の初期の結果により、すべての用量群において臨床的効果とともに許容可能な忍容性が示さ れました。進行BRAF変異陽性悪性黒色腫患者さんにおいて、MEDI4736+dabrafenibおよびtrametinib投与患者さんの69% (26例中18例)において部分奏効が確認されました。病勢コントロール率 (完全奏効:CR, 部分奏効:PR、または病勢安定:SD) は100%で、奏効患者さんの89% (18例中16例)は、追跡期間中央値7.1カ月後も奏効が継続していました。全体として、有害事象は併用された個々の薬剤の既知の安全性プロファイルと 一致しており、免疫関連有害事象の増悪は明らかになりませんでした(Ribas et al, Abstract #3003; Oral Abstract Session: Developmental Therapeutics – Immunotherapy, 6月1日月曜日午後 2:15)。
     
  • MEDI4736と進行NSCLCにおけるアストラゼネカの上皮成長因子受容体(EGFR)変異陽性チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であるイレッサ®(一般名:ゲフィチニブ)との第I相併用試験の用量漸増データにより、本併用治療は全般的に良好に忍容され、多くの前治療を受けた患者さんにおいて早期 に治療効果が示されました(Creelan et al, abstract #3047)。
     
  • EGFR-TKIによる治療後に病勢が進行したEGFR変異陽性肺がん患者さんにおけるAZD9291とMEDI4736, AZD6094またはselumetinibの多群間第Ib相試験であるTATTONの初期の結果により、MEDI4736およびAZD9291は併用群 でそれぞれの第III相用量において忍容性が示されました(Oxnard et al, Poster #2509)。

MEDI4736 単剤療法:データにより複数のがん腫における持続的奏効が示されました

固形がん患者さんにおける進行中のMEDI4736の第I/II相多施設、非盲検試験ではデータが蓄積されており、さらなる持続的抗腫瘍効果および管理可能な安全性が示されました。MEDI4736による治療を受け奏効評価が可能なNSCLC患者さん200例のデータ解析および12週間以上の追跡により、ORR16% (PD-L1陽性患者さんでは27%)、およびDCR (CR, PRまたは12週間以上のSD)42%(PD-L1陽性患者さんでは48%)が示されました。ORRは非扁平上皮がん患者さん(13%)よりも扁平上皮がん患者さんにおいて高率(21%)でした。奏効は66% (32例中21例)において持続中でした。グレード3以上の薬剤関連AEsは患者さんの8%において報告されました(Rizvi et al, Poster #340)。

SCCHN(頭頸部扁平上皮がん)患者さんにおけるMEDI4736の単剤療法に関するさらなる結果も発表されました。24週間以上追跡した奏効評価可能な患者さん62例のうち、ORRは11% (PD-L1陽性患者さんでは18%)およびDCR(CR, PRまたは24週間以上のSD)は15% (PD-L1陽性患者さんでは18%)でした。奏効は奏効患者さんの71%(7例中5例) において継続しています。グレード3以上の薬剤関連AEsは患者さんの10%において報告されました(Segal et al, Poster #337)。

MEDI4736が奏効する可能性の高い患者さんを同定する助けになるコンパニオン診断薬のポジティブな進捗により、個別化医療アプローチが強化されます

Ventana Medical Systemsとメディミューンにより開発中のPD-L1コンパニオン診断薬は、MEDI4736による奏効を予測するバイオマーカーとして強固で再現可能な結果を示しました。MEDI4736の臨床試験に参加した81例のNSCLC患者さんと100例のSCCHN患者さんに関する3グループに分かれた病理学者による個別レビューにより、NSCLCおよびSCCNHの検体において、それぞれ97%および91%の全体的な精度が示されました。病理学者によるレビュー全体の結果の整合性により、選択された評価アルゴリズムが臨床現場で正確、再現可能および実用的であることが示されました。MEDI4736の単剤療法試験において、評価アルゴリズムによってPD-L1陽性と同定されたNSCLC およびSCCHN患者さんの双方が、PD-L1陰性と同定された患者さんよりも高いMEDI4736による奏効を示しました(Rebelatto et al, abstract #8033)。

1 Novartis medicines for treatment of patients with metastatic melanoma.

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
オンコロジーはアストラゼネカが歴史的に深い経験を有する治療領域です。本領域は当社の6番目の成長基盤となり、当社の将来を変革することが期待されています。当社は、がん治療のパラダイムを再定義することで患者さんを助け、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げ、2020年までに6つの新しいがん治療薬を患者さんにお届けすることを目指しています。

当社の次世代医薬品の広範なパイプラインは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの主要な基盤のもと、卵巣がん、肺がん、乳がんおよび血液がんの4つの主な疾病領域に焦点を当てた開発を進めていきます。

メディミューンについて
メディミューンはアストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門です。メディミューンは、革新的な研究を先駆的に進めており、呼吸器、炎症、自己免疫疾患、心血管および代謝性疾患、がん、ニューロサイエンスならびに感染症、ワクチン等の注力疾患領域において新規治療経路の検討に取り組んでいます。メディミューンの本社は、アストラゼネカの3つのグローバル研究開発拠点の一つとして、米国メリーランド州ゲイザースバーグにあります。詳細はhttps://www.medimmune.com/をご覧ください。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。