アストラゼネカ、イーライリリーと固形がんにおけるがん免疫治療の併用療法臨床試験で提携

本資料はアストラゼネカ英国本社が2015年5月29日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


アストラゼネカ(本社:英国ロンドン)は、5月29日、イーライリリー・アンド・カンパニー(本社:米国インディアナ州、以下、リリー)と、アストラゼネカが開発中の抗PD-L1免疫チェックポイント阻害剤であるMEDI4736とリリーの血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)2抗血管形成がん治療薬ラムシルマブ (サイラムザ®)との併用における臨床試験において、提携契約を締結したことを発表しました。本臨床試験は両薬剤併用時の安全性および初期の有効性を評価するもので、進行固形がんを対象としています。

第I相試験は安全性及び推奨用量レジメンを確立すると同時に、さまざまな腫瘍におけるMEDI4736とラムシルマブの併用の対象が拡大する可能性を有しています。本試験は契約に基づきリリーが主導します。対象となるがん種および財務的条件を含む本提携の詳細は開示していません。

MEDI4736は、アストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンにより開発されたヒトモノクローナル抗体製剤で、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)に直接作用します。PD-L1を介するシグナル阻害により、がん細胞の免疫探知システムからの逃避機構を阻害します。ラムシルマブはVEGFR2阻害剤であり、VEGFRリガンドであるVEGF-A、VEGF-CおよびVEGF-Dの結合を阻害することで、VEGFR 2に特異的に結合し、その活性化を阻害します。前臨床データにより、VEGFR阻害剤とPD-L1を標的とする薬剤のような免疫チェックポイント阻害剤の併用は抗腫瘍作用を増強する可能性があることが示されています。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発部門がん免疫治療責任者であるRobert Iannoneは次のように述べました。「当社は、がん免疫治療における併用療法が今後のがん治療を変革していくと信じています。MEDI4736の開発は包括的なプログラムにより支援されており、複数のがん種を標的とする併用療法に焦点を当てた、当社のがん免疫治療パイプラインの要として台頭しています。リリーとの提携は当社のプログラムを補強し、がん患者さんへの重要な臨床的ベネフィットを提供するための、新たな新規併用療法探索の機会をもたらします」。

リリー・オンコロジーの製品開発・メディカルアフェアーズ担当シニアバイスプレジデントであるRichard Gaynor, M.D.は次のように述べました。「免疫チェックポイント阻害剤の開発は近年のオンコロジーの歴史上、特に期待されている研究のひとつですが、さらに興味深いのは、これら阻害剤と他の既知の個別化医療治療薬との併用の可能性を解明することです。本提携は、リリーのサイラムザ®とアストラゼネカのMEDI4736という2つの革新的医薬品を組み合わせることにより、がん免疫治療研究の次の波を象徴するものとなるでしょう。そして、新たながん治療の解決策として当社が将来提供し得る新規併用療法となるでしょう」。

ラムシルマブ (サイラムザ®)について
ラムシルマブ は、EUにおいて、化学療法実施後の成人進行胃腺がんあるいは胃食道接合部腺がん患者さんにおけるパクリタキセルとの併用療法として、、また、パクリタキセルとの併用が適切でない患者さんにおける単剤療法として販売承認を取得しています。

米国では、フッ化ピリミジン系薬剤またはプラチナ製剤を含む化学療法実施中または実施後に増悪が認められた進行もしくは転移胃がん、または 胃食道接合部腺がん患者に対する単剤療法あるいはパクリタキセルとの併用療法として承認されています。また、ドセタキセルとの併用でプラチナ製剤をベースとする化学療法実施中または実施後に増悪が認められた転移非小細胞肺がんの治療薬としても承認されています。さらに、FOLFIRI療法とともにベバシズマブ、オキサリプラチンおよびフルオロピリミジンによる治療中あるいは治療後に増悪が認められた転移大腸がんの治療薬としても承認されています。

さらに、複数のがん種における単剤あるいは他の抗がん剤との併用を検討する数本の試験が進行中あるいは計画されています。

ラムシルマブは抗血管新生薬です。VEGFR2に特異的に結合してその活性化を阻害し、VEGF受容体リガンドであるVEGF-A、VEGF-CおよびVEGF-Dの結合をブロックする、VEGFR2拮抗剤です。ラムシルマブはin vivo動物モデルで血管新生を阻害しました。

サイラムザはイーライリリー・アンド・カンパニー、同社の子会社あるいは関連会社により保有される、あるいは、使用が許諾された商標です。

MEDI4736について
MEDI4736はプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)に直接作用する開発中のヒトモノクローナル抗体製剤です。PD-L1を介するシグナルにより、腫瘍は免疫システムから探知されるのを回避します。MEDI4736はこれらのシグナルを阻害することで、がんの免疫逃避機構が働かないよう作用します。

MEDI4736は、非小細胞肺がんと頭頸部がんを対象とする第III相試験がすでに実施されています。OCEANS臨床開発プログラムは、肺がん領域全体における単剤療法およびCTLA-4 (tremelimumab)との併用療法の両方を評価します。頭頸部がんにおいては、MEDI4736は、化学療法が奏効しなかった患者さんにおける単剤療法およびtremelimumabとの併用療法の両方が、PD-L1発現状況別に検討されています。

MEDI4736に関しては、複数のがん種、病期、治療方針、がん免疫治療化合物および低分子化合物との併用を網羅する、包括的な開発プログラムが実施されています。

イーライリリー・アンド・カンパニーについて
イーライリリー社は、世界中の人々のより豊かな人生のために、革新的な製品に思いやりを込めてお届けすることを目指すグローバルなヘルスケアリーダーです。イーライリリー社は、真のニーズを満たすべく質の高い医薬品の創造に献身した1人の男性により100年以上前に創立され、現在でも当社のすべての事業においてそのミッションに忠実であり続けています。世界中で、イーライリリー社の従業員は人々の人生にインパクトを与えるような医薬品を発見し、それを必要とする人々に提供し、疾患についての理解や管理を向上させ、慈善活動やボランティア活動を通じて地域社会へ還元しています。
イーライリリー社の詳細についてはwww.lilly.com および http://newsroom.lilly.com/social-channels.をご覧ください。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。