アストラゼネカINNATE PHARMAとがん免疫治療IPH2201のグローバル共同開発・商業化に関する提携契約を締結

本資料はアストラゼネカ英国本社が2015年4月24日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


アストラゼネカとそのグローバル医薬品研究開発部門であるメディミューンは、4月24日、Innate Pharma(本社:フランス マルセイユ、以下、 Innate社)が独占所有権を有する抗NKG2A抗体IPH2201の開発において、同社と提携契約を締結したことを発表しました。本契約は、メディミューンが開発する抗PD-L1免疫チェックポイント阻害剤 MEDI4736との併用を含む、IPH2201の開発を加速化かつ拡大化することを目的としています。IPH2201は、現在第II相開発段階にある、ファースト・イン・クラスの可能性を持つヒト化 lg G4抗体です。NKG2Aはナチュラルキラー 細胞(NK) および細胞傷害性T細胞の抗腫瘍機能を阻害するチェックポイント受容体です。

最初の開発計画には、固形がんにおけるMEDI4736との第II相併用臨床試験、Innate社が計画するIPH2201の単剤療法および一連のがんにおける既承認治療薬との併用の両方を検討する複数の第II相試験、および、関連バイオマーカーの開発が含まれます。

IPH2201とMEDI4736の併用は、アストラゼネカとメディミューンが計画・実施中のがん免疫治療における広範なプログラムに追加されます。これらの試験は複数の免疫経路を検討することを目的としており、がん治療法を変革しうる免疫治療の大きな可能性を探索するため、アストラゼネカの広範なパイプラインを活用し、パートナーと協力しながら実施します。

本契約のもと、アストラゼネカはInnate社に対し、2億5,000万ドルの契約一時金を支払います。本一時金には、IPH2201とMEDI4736併用の共同開発・商業化に関する全世界独占的権利の対価、ならびに、IPH2201の特定の治療領域における単剤療法および他の併用療法の対価が含まれます。アストラゼネカはさらに1億ドルを、第III相開発の開始前、および追加の薬事申請や売上関連マイルストーンの前に支払います。アストラゼネカは全売上を計上し、正味売上に対する2桁のロイヤリティをInnate社に支払います。また、ヨーロッパ地域におけるコ・プロモーションにおいて、Innate社は50%の利益配当を得ることになります。

アストラゼネカの最高経営責任者(CEO)であるパスカル・ソリオは次のように述べました。「Innate社との提携によって、ファースト・イン・クラスの可能性を持つ本治療薬を患者さんにお届けし、広範ながん免疫治療パイプラインをさらに強化できることを喜ばしく思います。当社は、がん免疫治療における併用療法が、がん治療の最も効果的な方法のひとつになりうると考えおり、自然免疫および獲得免疫の両方を標的とすることで、さまざまながんの患者さんに臨床的に大きなベネフィットを提供する機会を持てると確信しています」。

Innate社のCEO兼共同創立者であるHervé Braillyは次のように述べました。「本提携は、当社の革新的な開発計画を維持しつつ、抗NKG2A開発の拡大化かつ加速化を推進することを可能にします。これにより、当社を変革するための能力とリソースを得て、後期段階の開発およびコ・プロモーションの権利を含む商業化の段階に進むことができます。本取引のもと、がん免疫治療のリーダーであるアストラゼネカならびにメディミューンのパートナーとして活動することを楽しみにしています」。

本取引は、ハート・スコット・ロディノ反トラスト改正法に基づく待機期間の満了あるいは終了を含む慣例的な諸条件の対象であり、2015年第2四半期に有効となる予定です。本発表によるアストラゼネカの2015年財務ガイダンスへの影響はありません。
 

Innate社の抗NKG2Aについて
IPH2201は腫瘍浸潤細胞傷害性ナチュラルキラー細胞 (NK) およびCD8Tリンパ球の表面に発現するNKG2A受容体を標的とするファースト・イン・クラスのチェックポイント阻害剤です。NKG2A はHLA-E結合抑制性受容体です。 HLA-Eを発現させることで、がん細胞はNKG2A陽性免疫細胞による殺傷から自らを保護することができます。HLA-E は多くの固形腫瘍または血液悪性腫瘍上で高頻度に高発現しています。IPH2201は、ヒト化IgG4で、NKG2Aの HLA-E への結合を阻害し、NKおよび細胞障害性T細胞反応を再活性します。 したがって、IPH2201がNKおよびT細胞を介した広範な抗腫瘍反応を再確立する可能性があります。また、IPH2201が他の治療用抗体の細胞障害性ポテンシャルを高める可能性もあります。

MEDI4736について
MEDI4736はプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)に直接作用する開発中のヒトモノクローナル抗体製剤です。PD-L1を介するシグナルにより、腫瘍は免疫システムから探知されるのを回避します。MEDI4736はこれらのシグナルを阻害することで、がんの免疫逃避機構が働かないよう作用します。MEDI4736は、非小細胞肺がんと頭頸部がんを対象とする第III相試験がすでに実施されています。OCEANS臨床開発プログラムは、肺がん領域全体における単剤療法およびCTLA-4 (tremelimumab)との併用療法の両方を評価します。頭頸部がんにおいては、MEDI4736は、化学療法が奏効しなかった患者さんにおける単剤療法およびtremelimumabとの併用療法の両方が、PD-L1発現状況別に検討されています。

Innate Pharma S.A. について
Innate社はがんや炎症疾患の治療薬としてのファースト・イン・クラスの治療用抗体を創薬・開発するバイオ医薬品企業です。その革新的なアプローチは、ブリストル・マイヤーズスクイブおよびノボノルディスク等のバイオ医薬品業界のリーダーとの主要な提携を生み出しました。がん免疫治療は、がん細胞を認識し殺傷する自己免疫能力を高めることで、がん治療を変革していく新しい治療分野で、Innate社はこの治療領域において、2つの臨床段階にあるプログラムを有しています。また、 Innate社の技術は慢性炎症疾患においても可能性を有しています。 Innate社は、フランスのマルセイユに本社を置き、ユーロネクスト・パリに株式上場しています。2014年12月31日現在の従業員数は99名でした。Innate社の詳細はwww.innate-pharma.comでご覧下さい。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
オンコロジーはアストラゼネカが歴史的に深い経験を有する治療領域です。本領域は当社の6番目の成長基盤となり、当社の将来を変革することが期待されています。当社は、がん治療のパラダイムを再定義することで患者さんを助け、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げ、2020年までに6つの新しいがん治療薬を患者さんにお届けすることを目指しています。当社の次世代医薬品の広範なパイプラインは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの主要な基盤のもと、卵巣がん、肺がん、乳がんおよび血液がんの4つの主な疾病領域に焦点を当てた開発を進めていきます。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。