血液検査による進行性非小細胞肺がんEGFR変異診断の有用性、「リアルワールド」試験解析結果により示される

本資料はアストラゼネカ英国本社が2015年4月17日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


ASSESS試験:上皮成長因子受容体(EGFR)変異において血漿中循環腫瘍DNA(ctDNA)検査が腫瘍生検の代替手段となり得る可能性を提示IGNITE試験:進行性非小細胞肺がん患者さんにおけるEGFR変異検査の価値を支持

アストラゼネカは、4月17日、臨床診療において、進行性非小細胞肺がん (NSCLC) であり、かつ上皮成長因子受容体 (EGFR) 変異陽性と診断された患者さんに対する血漿中循環腫瘍DNA (ctDNA) 検査の有効性を示す2本の主要試験の結果を発表しました1,2

ASSESS試験およびIGNITE試験のデータは、スイス・ジュネーブで開催された2015年欧州肺がん学会議(ELCC)で報告されました。

ASSESS試験によりctDNA検査結果と腫瘍生検結果の一致が示される

ASSESS試験は、進行性NSCLCにおけるEGFR変異に関するctDNA検査と腫瘍生検を比較した最初の大規模「リアルワールド」試験で、両手法によって得られた結果の一致が示されました1。1,162件の照合検体において、EGFR変異陽性の腫瘍および血漿ctDNA検査 の結果がほぼ一致しました(89%、 95%信頼区間: 87-91)。血漿ctDNA検査により、腫瘍検査でEGFR変異が確認された患者さんの約半数が同定され、腫瘍検査では見落とされた一部のEGFR変異患者さんが血漿ctDNA検査により同定されました1。腫瘍検査によってEGFR変異を同定できなかったのは、より感度の低い手法を採用したことによるものでした。

ドイツのLungen Clinic Grosshandsdorf 胸部オンコロジー科のDr. Martin Reck MD, PhDは、本試験は、腫瘍検査がEGFR変異患者さんを同定する現時点での最善の方法であることを確認し、さらに、より感度の高い検査方法を採用することの重要性を示したと説明しました。

同氏はさらに、次のように述べました。「ASSESS試験は、最適にDNAが採取され適切な感度の手法が用いられれば、腫瘍検体が入手不可能である場合においても、血漿ctDNA検査が腫瘍検査の実行可能な代替手段となることを示しました。また、すべてのEGFR変異陽性患者さんのEGFR変異が同定され適切な治療を受けられるようにするためにも、腫瘍検査自体にさらなる改善の余地がある事も示しました」。

進行性NSCLC患者さんすべてに「リアルワールド」のEGFR変異検査の価値を

2015年ELCCにおいて発表されたIGNITE試験の結果は、すべての進行性NSCLC患者さんにおける「リアルワールド」でのEGFR変異検査を支持するものです2。研究者たちは、ロシアおよび中国を含むアジア太平洋地域全体の多くの国々から組み入れられた3,300例超の患者さんに対して組織および血漿ctDNA検査を実施し、腺がん(ADC) 組織型の進行性NSCLC患者さんにおけるEGFR変異の頻度は、非ADC組織型患者さんと比較して高かったと報告しました。しかし、彼らは、非ADC組織型患者さんにおける変異のレベルは、すべての患者さんを検査する意味のあるレベルだったことを示唆しました2

ASSESS試験およびIGNITE試験のような「リアルワールド」試験が成功し価値を創出していることは、EGFR変異検出における診断薬の役割を開拓する企業としてのアストラゼネカのポジションを強調しています。

欧州では、腫瘍検体が評価不能な患者さんに対するctDNA検査によるEGFR変異状況の評価が、イレッサ®(ゲフィチニブ)の使用に対して最近承認され、イレッサ®は添付文書にctDNA検査が記載された最初のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)となりました3。2015年2月、中国の食品医薬品局(CFDA)は、イレッサ®の添付文書に腫瘍組織が入手不可能な場合の血液ベースの診断を記載する改訂を承認しました。

1 Reck M, et al. Investigating the utility of circulating-free tumour-derived DNA (ctDNA) in plasma for the detection of epidermal growth factor receptor (EGFR) mutation status in European and Japanese patients (pts) with advanced non-small-cell lung cancer (NSCLC): ASSESS study. Presented at the European Lung Cancer Conference (ELCC) Annual Meeting, Geneva; 15-18 April 2015.
2 Han B, et al. Determining the prevalence of EGFR mutations in Asian and Russian patients (pts) with advanced non-small-cell lung cancer (aNSCLC) of adenocarcinoma (ADC) and non-ADC histology: IGNITE study.
3 IRESSA EPAR Product Information.
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_Product_Information/human/001016/WC500036358 Accessed February 2015.
 

イレッサ®について
イレッサ®は、進行または転移上皮成長因子受容体(EGFR)変異陽性 非小細胞肺がん(NSCLC)の単剤の分子標的治療薬です。イレッサ®はEGFRにあるチロシンキナーゼ酵素を阻害することで腫瘍の増殖および転移に関与するシグナルの伝達を遮断します。EGFR変異は欧州のNSCLC患者さんの約10-15%に、アジアのNSCLC患者さんの30-40%に発現します。

イレッサ®は2002年に発売され、現在世界90カ国で承認されています。

米国においては、アストラゼネカはキアゲンと協働し、進行性NSCLC患者さんの治療におけるイレッサ®のコンパニオン診断薬の開発を進めています。

欧州においては、アストラゼネカとキアゲンの連携の結果、イレッサ®は、血液検体から得られた循環腫瘍DNA (ctDNA) の使用を認める、最初のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)となりました。これにより、イレッサ®は、腫瘍検査が不可能な患者さんのEGFR変異状況の評価に使用されています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。