アストラゼネカ、2015年度米国癌学会年次集会において力強いオンコロジーサイエンスを紹介

本資料はアストラゼネカ英国本社が2015年4月13日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


  • アストラゼネカの充実したオンコロジーパイプラインならびに一連の低分子化合物・バイオ医薬品の可能性を示す60本以上の演題を発表予定
  • OX40、CD73、PI3K、AKT、mTOR、EGFR、SERD、PARPを含む主な分子経路・作用を標的にした治験薬に関するデータ
  • EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんにおいて新たに同定された耐性を克服しうるAZD9291とsavolitinib (AZD6094, volitinib)の併用に関した非臨床データの発表
  • エストロゲン受容体陽性乳がん治療薬として開発中の新規選択的エストロゲンダウンレギュレーター(SERD)AZD9496に関するデータ
  • 新規デュアルTORC 1/2 キナーゼ阻害剤AZD2014のER陽性乳がんにおけるフェソロデックスとの併用、および卵巣がん・肺がんにおける化学療法との併用を探索する臨床試験データ、さらに併用レジメンの非臨床研究データ
  • 患者さんにベネフィットを早期に提供するための、当社の最新の治験薬併用試験デザインの価値を示すデータ

アストラゼネカは、2015年4月18日から22日までフィラデルフィアで開催される米国癌学会(AACR)年次集会において、当社の充実した早期オンコロジーパイプラインに関する最新データを発表します。アストラゼネカおよび同社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンによる演題は62本におよび、うち15本は口頭発表が予定されています。

アストラゼネカおよびメディミューンの上級幹部も本集会で主要な役割を果たします。メディミューンの研究部門責任者であるDr. Young-Jun Liuは「免疫治療の原理:促進因子の解明」と題する教育セッションにアカデミアの専門家とともに発表者として招聘されました。また、アストラゼネカの研究・早期開発部門オンコロジー領域責任者であるDr. Susan Galbraithは、業界における科学者の役割を議論する、興味深いパネルディスカッションに参加します。

本集会では、腫瘍生物学の4大領域(①ドライバー遺伝子と獲得耐性、②DNA損傷修復、③免疫治療および④抗体薬物複合体)を横断的にカバーする、当社の次世代がん治験薬の広範なパイプラインが示されます。

がんのドライバー遺伝子と耐性
アストラゼネカは、がんのドライバー遺伝子と耐性の研究において数多くの実績があります。イレッサ®(ゲフィチニブ)は初の上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤であり、進行肺がんに対し真に初めての分子標的治療を提供しました。本集会において発表されるデータは以下を含みます:

  • 最新鋭の次世代シークエンシング(血液検体からの腫瘍DNAの迅速な全ゲノム解読)により同定されたAZD9291(アストラゼネカの進行非小細胞肺がんに対する治験薬)に対する獲得耐性の3つの分子サブタイプの詳細 [Late breaker 123] 。データは、耐性を効果的に防ぎあるいは対処するために併用療法の必要性を強調するとともに、これらの耐性メカニズムに対する治療法として、アストラゼネカが開発中の非常に強力かつ選択的c-MET阻害剤であるsavolitinib(AZD6094、volitinib)とAZD9291との併用の有望性を示すものです。
  • 新規経口選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(SERD)であるAZD9496の創薬の背景にある医薬品化学に関する発表も行います。AZD9496は現在、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳がん患者を対象として第I相開発段階にあります。また、AZD9496を経口投与した際の薬物動態データも発表され [Abs3650]、同薬の臨床試験開始の根拠となった高い抗腫瘍効果に関する前臨床データを示します。

細胞の増殖および生存を調節するPI3K/ AKT/ mTOR経路は、がんにおいて最も多く変異がみられる経路です。下記を含む、アストラゼネカのパイプラインにある本経路の主要な酵素(キナーゼ)を阻害する化合物のデータが発表されます:

  • AZ2014はm-TORC1およびm-TORC2の両方に対する新規阻害剤であり、現在固形がんを対象とした第II相開発段階にあります。卵巣がんと肺がんを含む固形がんにおけるAZD2014とパクリタキセル(化学療法)との併用を支持する前臨床データが発表されます [AbsCT138]。ER+進行転移乳がんにおけるAZD2014とアストラゼネカの進行乳がん治療薬フェソロデックス(フルベストラント)との併用に関する第I相臨床データも発表され[AbsCT233]、AZD2014の持続投与に比べ、毒性を回避し、有害事象プロファイルを改善する点で、間欠投与の有用性が示されます。
  • AZD8186は強力なPI3Kベータおよびデルタに対する経口阻害剤であり、現在固形がんを対象とした第I相開発段階にあります。トロントのPrincess Margaretがんセンター、ロンドンのRoyal Marsden病院およびボストンのDana Farberがん研究所を含む多数の提携先との協働で実施されたPTEN欠損腫瘍における用量設定および安全性試験に関する臨床データが発表されます[AbsCT329]。PTENはPI3K/ AKT/ mTOR 経路の内因性阻害物質です。PTENの欠損は多くのがんの発症に関係しており、PI3Kベータへの依存性をもたらしています。
  • AZD5363は3種類の異なるAKTに対する阻害剤であり、現在乳がんを対象とした第II相開発段階にあります。効果と耐性のサロゲートマーカーとなる血中循環腫瘍DNAの解析結果とともに、進行性あるいは転移乳がんに対するパクリタキセルとの併用におけるAZD5363に関する第I/II相試験データ[AbsCT331]が発表されます。進行BRCA変異陽性がん患者におけるLynparza(olaparib)との併用に関するAZD5363の第I相試験のデータも発表されます[AbsCT323]。本試験では、薬剤の曝露量を最適化するとともに薬物動態の変動を最小化し、試験に必要な患者数を減らすことができました。

PI3K/AKT/mTOR経路を標的とする第1世代の化合物には毒性があり、その結果、発疹、下痢および高血糖等の有害事象が生じました。本学術集会では、有害事象を制限しつつ、一連のPTENタンパク欠損腫瘍における包括的なPI3K経路抑制を達成するアプローチとして、経路全体の阻害剤の併用(AZD8186とPI3KおよびmTOR阻害剤)の可能性を示す前臨床試験のデータも発表されます [Abs4696]。

固形がんで第I相開発段階にあるPI3KアルファおよびPI3Kデルタ両方の阻害剤AZD8835に関しては、間欠投与により有害事象を回避し、耐性を克服する可能性を検討した前臨床データが発表されます。

DNA損傷修復
アストラゼネカは、最近承認されたLynparza(olaparib)を含め、広範なDNA損傷修復領域のポートフォリオを有しています。TOPARPTrial of Olaparib in Patients with Advanced Castration Resistant Prostate Cancer)第II相試験を主導したUK Institute of Cancer Researchの科学者は口頭発表において、腫瘍バイオプシーの次世代シークエンシングを通してolaparibに効果のある患者さんを識別するバイオマーカーを同定する可能性を示すデータを発表します。

アストラゼネカの研究・早期開発部門オンコロジー領域責任者であるDr. Susan Galbraithは次のように述べました。「本年当社が発表する広範囲にわたる成果は、当社の早期~中期段階にあるパイプラインの加速ならびにサイエンスに焦点を絞った取り組みを裏付けるものです。例えば、PI3キナーゼ経路はがんにおいて最も多く変異がみられる経路です。当社の戦略は、異なるPI3キナーゼアイソタイプに対する高い特異性を有した阻害剤を開発し、それらを間欠的な投与スケジュールで用いることで、変異がみられる経路の問題に対処することです。当社はPI3キナーゼ経路の各ステップに作用する化合物を有しているため、それら化合物を併用することで、単剤療法に比べ、耐性を克服し、リスク・ベネフィットプロファイルや有効性を改善し、患者さんにベネフィットをもたらすことが可能です。当社は、より有効ながん治療薬を開発する上で重要な戦略の一部となっている、ポートフォリオ全体に渡る多くの併用事例も発表します」。

免疫治療
免疫治療は、患者さん自身の免疫機能を強化することによりがんとの闘いを助ける有望な治療法です。アストラゼネカの戦略は、腫瘍細胞が免疫システムから逃れるために利用している免疫回避機構を標的とする新規薬剤の併用療法を開発することです。前臨床および臨床開発段階に渡り、当社の強固ながん免疫治療パイプラインには、腫瘍に対する免疫反応を惹起するために抗原提示を増強する分子;T細胞による腫瘍破壊を促進し、免疫細胞の記憶を向上させる分子;および、腫瘍微小環境を標的とする化合物を含んでいます。

本集会においてアストラゼネカは、当社のがん免疫治療パイプラインにあるOX40受容体を刺激する分子について発表します。OX40受容体はエフェクターT細胞およびメモリーT細胞の生存とホメオスタシスにおいて重要な役割を果たしていますが、OX40受容体を刺激することによりT細胞の活性化、生存、増殖およびサイトカイン(細胞間で化学的メッセンジャーとして作用する低分子タンパク)の放出を誘発し、これらすべての作用はがん細胞の破壊に役立つ可能性があります。MEDI6383などのOX40リガンド融合タンパクにおいて、単剤あるいは併用で、強力なT細胞増殖を誘発し、制御性T細胞抑制を克服するとともに、抗腫瘍作用を促進することを示す前臨床データが発表されます[Abs4275]。

メディミューンの研究部門責任者であるDr. Young-Jun Liuは次のように述べました。「当社は包括的ながん免疫治療パイプラインを有しており、複数の免疫経路に対処することができます。これにより、患者さんにとって最も効果的な治療の選択肢を迅速に探究することができます。OX40は最もエキサイティングなT細胞共刺激受容体の一つであり、T細胞の活性化・増殖、エフェクターT細胞の機能およびT細胞の記憶維持に非常に重要です。加えて、OX40は誘導性およびナチュラル制御性T細胞両方の機能を遮断する能力を有しています。当社は、OX40作動薬と、抗原提示細胞、自然免疫細胞およびがん微小環境を標的とするチェックポイント遮断薬、その他の共刺激分子およびサイトカインとの併用が、より有効ながん免疫治療を確立する鍵になると確信しています」。

抗体薬物複合体
抗体薬物複合体(ADCs)は、抗体の特異性と「弾頭」に相当する強力ながん細胞殺傷特性を有する化合物を組み合わせた抗がん剤です。抗体が「弾頭」を選択的にがん細胞に届けることにより、正常組織への損傷を回避しつつ、がん細胞を狙い撃ちします。メディミューンの科学者が、長期的な腫瘍退縮を誘導するとともに、抗がん幹細胞作用を持つ強力な新規抗体薬物複合体の生成について発表します[Abs948]。しかし一方で、ADCsへの耐性は多くの機序により生じ、その一つが、効果を発揮する前に抗がん剤を排出するP-糖タンパク(P-gp)のような、がん細胞内にある分子“ポンプ”の過剰発現です。本集会において、P-gp耐性を有する腫瘍において、異なる弾頭(ピロロベンゾジアゼピン二量体とチューブリシン)を持つADCsがどのように作用しているかを示すデータが発表されます[Abs3601]。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
オンコロジーはアストラゼネカが歴史的に深い経験を有する治療領域です。本領域は当社の6番目の成長基盤となり、当社の将来を変革することが期待されています。当社のビジョンはがん治療のパラダイムを再定義することで患者さんを助け、将来的にはがんによる死亡をなくすことで、2020年までに6つの新しいがん治療薬を患者さんにお届けすることを目指しています。
当社の次世代医薬品の広範なパイプラインは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの主要な基盤のもと、卵巣がん、肺がん、乳がんおよび血液がんの4つの主な疾病領域に焦点を当てた開発を進めていきます。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。