OLAPARIB米国FDAより承認 生殖細胞系BRCA遺伝子変異陽性進行卵巣がん治療薬として

本資料はアストラゼネカ英国本社が2014年12月19日に配信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


アストラゼネカは、Olaparib(海外での製品名:Lynparza™)(400mgを1日2回)について、3回以上の化学療法による治療歴のある病的あるいは病的であることが疑われる生殖細胞系BRCA 遺伝子変異陽性(gBRCAm)進行卵巣がんの治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)から承認を得たことを、12月19日に発表しました。Olaparibは、既存の客観的奏効率と奏効期間のデータに基づき、FDAの迅速承認プログラムのもとで審査・承認されました。本適応症の承認は、現在実施中の確認を目的とする第III相試験により臨床的ベネフィットが証明されることが前提となっています。

Olaparibは、DNA修復経路に異常をきたした腫瘍を利用し、優先的にがん細胞を死滅させるポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤です。本剤は、FDAにより同時に承認されたコンパニオン診断検査であるBRACAnalysis CDx™により検出された、生殖細胞系BRCA遺伝子変異陽性(gBRCAm)進行卵巣がんの治療薬として承認される最初のPARP阻害剤です。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデントおよびチーフメディカルオフィサーであるブリッグス・モリソンは、次のように述べました。「Olaparibは、がん生物学における知見の進展が、いかに次世代の標的治療薬の開発に活用できるかを示す優れた事例です。本剤は生殖細胞系BRCA遺伝子 変異陽性進行卵巣がん患者さんにとってニーズの高い治療選択肢のひとつです。本日の承認は、Olaparibが多くの適応症のがん患者さんの生活を改善する可能性の第一歩を印すものであると期待しています」。

アストラゼネカは2014年2月に、再発プラチナ製剤感受性高悪性度漿液性卵巣がん患者とプラセボを比較した第II相維持療法試験1のデータに基づき、Olaparibの米国での薬事申請を行いました。2014年6月25日付のFDA抗がん剤諮問委員会の勧告後、FDAによる追加データの要請に応え、アストラゼネカはOlaparibの新薬承認申請への主要な修正を2014年7月24日に提出しました。今回のFDAによる承認は、病的あるいは病的であることが疑われる生殖細胞系BRCA遺伝子変異陽性進行がん患者を対象とする単一群、オープンラベル、第II相試験2、およびプラセボ対照試験を含む他の数本のOlaparib試験からの安全性データに基づくものです。

Olaparibの有効性は、3回以上の化学療法の治療歴がある測定可能な生殖細胞系BRCA遺伝子変異陽性進行卵巣がん患者137人の分析に基づいています。試験結果は、全奏効率34%(95%信頼区間:26% ,42%)を示しました。奏効期間の中央値は7.9カ月(95%信頼区間:5.6, 9.6ヵ月)。現時点でのOlaparib単剤療法に伴う最も多くみられた有害事象は全般的に軽度から中等度であり、吐き気、嘔吐、疲労および貧血を含みます。

ハーバード大学医学部準教授およびボストン・ダナファーバーがん研究所婦人科腫瘍プログラム担当Ursula Matulonis医師は次のように述べました。「年間22,000人近くの女性が卵巣がんと診断されています。進行卵巣がん患者の長期生存率は10%から30%です。FDAによるOlaparibの承認は、現在治療の選択肢が限定されているBRCA遺伝子変異陽性の卵巣がん患者にとって、大きなマイルストーンとなります。」

OlaparibのBRCA遺伝子変異陽性進行卵巣がん治療薬としての迅速承認を正式承認として取得するためには、実施中の2本の第III相臨床試験(SOLO)のいずれかの試験データの全面的審査が必要となります。SOLO2はプラセボとの比較でOlaparibを維持療法として評価し、SOLO3はOlaparibの標準化学療法との比較で再発に関する効果を評価しています。SOLO2のデータは2015年に、SOLO3のデータは2019年に揃うと見込まれています。

FDAの承認は、12月18日に発表されたEUにおけるOlaparibの成人BRCA遺伝子変異陽性プラチナ感受性再発卵巣がんの維持療法として最初の治療薬としての承認に続くものです。

1Ledermann J et al. Olaparib maintenance therapy in patients with platinum-sensitive relapsed serous ovarian cancer: a preplanned retrospective analysis of outcomes by BRCA status in a randomised phase 2 trial. Lancet Oncology. 2014.
http://dx.doi.org/10.1016/S1470-2045(14)70228-1

2Kaufman B, Shapira-Frommer R, Schmultzler RK et al. Olaparib Monotherapy in Patients With Advanced Cancer and a Germline BRCA1/2 Mutation. Journal of Clinical Oncology 2014.
http://jco.ascopubs.org/content/early/2014/10/30/JCO.2014.56.2728

Olaparibの重要な安全性情報を含む米国のプレスリリースは
http://www.astrazeneca.com/Media/Press-releasesでご覧になれます。


卵巣がんについて
米国では、卵巣がんは女性のがんによる死亡原因では5番目に多く、これは主に、多くの場合においてすでに進行した状態で診断され、予後が非常に悪いためです。診断時、卵巣がん患者の61%に転移がみられ、5年生存率はわずか27%です。

卵巣がんに罹患した女性の最大15%はBRCA遺伝子変異陽性であり、それが相同組換え修復異常の最大の原因です。BRCA遺伝子変異陽性腫瘍細胞において、相同組換え修正遺伝子に欠陥があるので、エラーをおこしやすい経路によりDNA二重鎖切断の修復が起こり、その結果として遺伝子的不安定と細胞死が生じます。

Olaparibについて
Olaparib は、革新的なファースト・イン・クラスの経口ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤で、DNA修復経路に異常をきたしたがん細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導します。この作用機序により、OlaparibのDNA修復に異常をきたした一連の腫瘍型に作用する可能性が示されています。

Olaparibの承認と同時に、FDAは定性的検出とBRCA1遺伝子およびBRCA2遺伝子の異形分類のためのBRACAnalysis CDx™(Myriad Genetic Laboratories)を承認しました。

卵巣がんに加えて、アストラゼネカは複数の腫瘍におけるOlaparibの可能性の検討を行っており、乳がんの術後補助療法および転移性BRCA遺伝子変異陽性乳がん、BRCA遺伝子変異陽性膵がん、胃がんの2次治療の第III相試験を実施中です。

日本においては、Olaparibは第III相試験実施中です。

第III相臨床試験(SOLO)について
アストラゼネカは第III相臨床試験(SOLO)を2013年9月に開始しました。本プログラムは以下3本の試験で構成されています:

  • SOLO1: 生殖細胞系BRCA遺伝子変異陽性かつ1次治療であるプラチナ製剤ベースの化学療法後完全あるいは部分奏効を示した卵巣がん患者に対する単剤維持療法としてのOlaparibの評価を目的とする試験
  • SOLO2:  生殖細胞系BRCA遺伝子変異陽性かつ1次治療であるプラチナ製剤ベースの化学療法後完全あるいは部分奏効を示した再発卵巣がん患者に対する単剤維持療法としてのOlaparibの評価を目的とする試験
  • SOLO3: 生殖細胞系BRCA遺伝子変異陽性再発卵巣がん患者における3次治療以降の非プラチナ製剤化学療法との比較におけるOlaparibの評価を目的とする試験

詳細についてはこちらをご覧ください: www.ovariancancertrials.com

 

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。