アストラゼネカとロシュ、AZD9291のコンパニオン診断薬開発における提携を発表

本資料はアストラゼネカ英国本社が米国時間の2014年7月28日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


アストラゼネカは、非小細胞肺がん(NSCLC) 治療薬として開発中のAZD9291による治療をサポートするために、血漿検体を用いたコンパニオン診断薬の開発においてロシュとの提携契約を締結したことを7月28日に発表しました。

同コンパニオン診断薬による検査は、NSCLC患者さんの腫瘍組織と血漿の双方で上皮成長因子受容体(EGFR)変異の有無が同定できるようにデザインされており、既存のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)に抵抗性を示した患者さんに対するAZD9291の臨床開発を最大化することを目的としています。

現在、EGFR-TKIによる治療を受けた後に病勢が進行した患者さんは、T790Mという変異の有無を判定するために、再度組織検査を受けなければなりません。しかし、腫瘍組織から血漿中に出てくる循環DNA:デオキシリボ核酸 (ctDNA: 血漿中腫瘍DNA)を検出できる本検査により、腫瘍組織を採取することなくT790M変異を検査することが可能になります。

アストラゼネカのオンコロジー領域グローバル製品戦略担当シニアバイスプレジデントであるMondher Mahjoubiは、「当社は、患者さんの予後を改善する分子標的薬の開発に注力しています。がん患者さんの診断および治療の在り方を変革するには、腫瘍の生物学的特性を解明することにより、個々の患者さんにとって最も有益な医薬品を提供することが非常に重要です。」と述べています。

「現在、進行肺がん患者さんが遺伝子検査を受けるためには、生検により腫瘍組織を採集しなければなりません」と、Roche Molecular Diagnostics(RMD)の責任者であるPaul Brownは述べています。「これまでは、遺伝子検査に必要な量の腫瘍組織が採取できないケースがありました。今回の提携により、血漿サンプルを用いた遺伝子検査が可能になり、生検に伴う様々なリスクを回避しつつ、治療の決定に必要となる情報が得られるようになります。その結果、臨床医が患者さんに提供可能な医療のレベルが向上します。」ともコメントしています。

NSCLCは肺がん全体の約80~85%を占めています。残念ながらNSCLC患者さんの約70%は、診断時にがんが進行あるいは転移しており、外科的切除を受けることが不可能です。


 

AZD9291について
AZD9291は、野生型EGFRには作用せず、EGFR活性化 変異 とEGFR-TKI抵抗性変異であるT790Mの双方を阻害する、選択性の高い不可逆的阻害剤です。EGFR変異陽性 NSCLC患者さんは、がん細胞の増殖を促進する細胞内シグナル伝達経路を阻害する既存のEGFR –TKIに非常に高い感受性を示します。しかし、がん細胞では殆どの場合において治療薬への耐性が生じ、その結果、病勢が進行します。患者さんの約半分において、T790Mとして知られる二次変異が原因でこの薬剤耐性は発生します。現時点では、この耐性変異を持った腫瘍に対して有効性を示す分子標的薬は承認されていません。現在進行中の第I相試験では、AZD9291はEGFR-TKIによる前治療後に病勢進行が認められたEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者さんおよびT790M耐性変異陽性患者さんにおいて、1日1回単剤投与により有効性が示されました。

ロシュについて
スイスのバーゼルに本社を置くロシュは医薬品事業および診断薬事業を柱とする研究開発型企業であり、ヘルスケアビジネスの中でトップクラスの企業です。ロシュは世界最大のバイオテクノロジー企業であり、オンコロジー、免疫、感染性疾患、眼科およびニューロサイエンスにおいて画期的な医薬品を有しています。また、ロシュは体外診断薬・機器事業と病理学的検査事業における世界のリーダーであるとともに、糖尿病管理における最先端企業です。ロシュの個別化医療戦略は、患者さんの健康、クオリティオブライフおよび生存期間に有意な改善をもたらす医薬品や診断薬の提供を目指しています。1896年に創業以来、ロシュは1世紀以上にわたり世界中の人々の健康に重要な貢献を果たしてきました。ロシュにより開発された24品目の医薬品が世界保健機構の必須医薬品モデル・リストに掲載されており、それらには生命を救う抗生物質、抗マラリア薬、抗がん剤が含まれています。

2013年、ロシュグループは全世界で85,000人を雇用し、研究開発に87億スイスフランを投資し、468億スイスフランの売上を達成しました。米国のジェネンテックはロシュグループの完全出資子会社です。また、ロシュは日本の中外製薬の主要株主です。詳細については、www.roche.comをご覧ください。本リリース中で使用あるいは言及されたすべての商標は法律で保護されています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に循環器、代謝、呼吸器、炎症、自己免疫、オンコロジー、感染症およびニューロサイエンスの領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。