イレッサ訴訟:控訴の決定について


アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役会長兼社長:加藤益弘)は、イレッサに関する3月23日付東京地方裁判所の判決について慎重に検討いたしましたが、弊社はイレッサ承認時の第1版添付文書は適切であったと考えており、判決内容に承服できないことから、本日、東京高等裁判所に控訴いたしました。

東京地方裁判所の判決では以下の点が認められています。

  1. 添付文書は通達等に従い、その時点の医学的、薬学的知見に基づき作成すれば注意喚起の方法として十分である
  2. イレッサによる間質性肺炎が、従来の抗がん剤による間質性肺炎と比べて発症頻度や重篤性が高いことや、急性に発症して予後が悪いことなどは、承認当時のデータ等からでは予見することはできなかった

しかし、判決では、イレッサの第1版添付文書の「重大な副作用」欄における間質性肺炎の記載方法では注意喚起として不十分であり、「警告」欄に記載する等の対応を採るべきであったと判断されました。弊社としては、判決の認める上記の2点の認識の下、承認時までに得られていた情報に基づき、時として致死的になり得ることを意味する「重大な副作用」として間質性肺炎があることを明記しており、第1版添付文書の注意喚起は適切であったと確信しております。従って本判決に従うことはできないと考えています。

なお「重大な副作用」欄は、死亡に陥る恐れのある副作用が記載される欄であり、医療現場においても、そのように理解されております。またイレッサによる間質性肺炎については、現在でこそ、承認後の多数の研究や臨床実績等を通じて、副作用の中でも特に注意すべきものであることが知られておりますが、承認当時には、承認用量における治験で間質性肺炎の発症例は一例もありませんでした。

また、大阪地方裁判所と同様に東京地方裁判所の判決においてもイレッサの有効性および有用性は認められています。イレッサは進行非小細胞肺がんという深刻な疾患における有用な治療選択肢の一つです。弊社はイレッサ発売時および発売後を通して、医師に対しそのリスクおよび有用性について適時・適切に情報提供を行ってまいりました。

弊社は医師および進行非小細胞肺がん患者さん、とくに標準化学療法が効かなくなった患者さんに、イレッサという治療選択肢を提供してきたことに誇りを持っています。今後も弊社は適切な情報提供に努め、多くの進行非小細胞肺がん患者さんがイレッサの恩恵を受けられるよう邁進してまいります。