転移性のホルモン感受性乳がん患者において、 フルベストラント500mgが アナストロゾールに比べ 病勢コントロールを有意に改善

この資料は、英国アストラゼネカ社が12月9日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・再編集し、皆様のご参考に供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。
 


「本日発表された非盲検第Ⅱ相臨床試験のFIRST試験は、フルベストラント500mgがアナストロゾールに比べ有意に病勢進行を遅らせることを示しました。これはホルモン感受性進行乳がん患者におけるフルベストラント500mgの有効性のさらなるエビデンスとなります」

Professor John Robertson
University of Nottingham City Hospital, UK


2010年12月9日、英国 ロンドン:米国で開催中のCTRC-AACR第33回サンアントニオ乳がんシンポジウムで発表されたデータにおいて、フルベストラント500mgはホルモン感受性乳がん患者におけるファーストライン治療において、アロマターゼ阻害剤のアナストロゾールに比べ病勢コントロールを改善することが示されました1。閉経後ホルモン感受性局所進行または転移性の乳がんを対象とした無作為化非盲検第Ⅱ相臨床試験のFIRST試験(FASLODEX fIRst line Study comparing endocrine Treatments)の追跡データにより、フルベストラント500mgはアナストロゾールに比べ病勢進行リスクを34%減少させることが示されました1

進行乳がんでは、QOL(生活の質)を維持しつつ病勢進行を防ぐことが主な治療目的となります。2008年の初回解析時点においては病勢進行が認められたのは、わずか36%の患者でしたが、今回80%の患者が試験治療を中止したデータとして、新たな解析が行われました1。解析の結果、フルベストラント500mg群ではアナストロゾール1mg群に比べ無増悪期間(TTP)を有意に改善し(HR=0.66; 95% CI 0.47, 0.92; p=0.01)、TTPの中央値を10.3カ月延長しました(23.4カ月 vs. 13.1カ月)。腫瘍への奏効については前回のデータで得られた知見(クリニカルベネフィット:フルベストラント500mg群73%、アナストロゾール1mg群67%)と一致しています(p=0.386)2。フルベストラント500mgの忍容性は良好で、何らかの新たな安全性に関する問題点は認められませんでした。また、フルベストラントもしくはアナストロゾール投与後の進行例に対して次の内分泌療法で病勢コントロールが得られる例が認められました(それぞれ41%、42%)。

フルベストラントは他の内分泌療法とは異なる作用機序を有します。フルベストラントは受容体におけるエストロゲンの活性阻害に加え、腫瘍内のエストロゲン受容体数を減少(ダウンレギュレーション)させることによってエストロゲンのシグナル伝達を遮断し、この結果、他の腫瘍増殖経路を阻害します。この特異的な作用機序は腫瘍の成長や転移を妨げるだけでなく、薬剤耐性を減らす可能性があります3、4

本試験は、フルベストラント500mg承認の裏付けともなったCONFIRM試験(COmparisoN of FASLODEX In Recurrent or Metastatic breast cancer)やNEWEST試験(Neoadjuvant Endocrine therapy for Women with Estrogen-Sensitive Tumours)といったフルベストラント500mgのエビデンスに加わることになります5,6。最近ではCONFIRM試験によりフルベストラントの用量を250mgから500mgへと増量することで、忍容性を損なうことなく有意に病勢コントロールを改善することが示されました5,6。このエビデンスによりフルベストラント500mgは、抗エストロゲン治療歴のある閉経後ホルモン感受性進行・再発乳がんを対象に2010年3月に欧州で、2010年9月に米国で承認されました。

アストラゼネカは30年以上にわたって、乳がん領域における内分泌療法で実績を重ね、世界中で早期乳がんと進行・再発乳がんの治療に貢献しています。

 


References

  1. Robertson JF, Lindemann JPO, Llombart-Cussac A et al. A comparison of fulvestrant 500mg with anastrozole as first-line treatment for advanced breast cancer: follow-up analysis from the FIRST study. SABCS 2010. General session 1 on Thursday 9th December 2010 at 09.15 PST. Abstract S1-3
  2. Robertson JF, Llombart A, Rolski J et al. Activity of fulvestrant 500 mg versus anastrozole 1mg as first-line treatment for advanced breast cancer: results from the FIRST study. Journal of Clinical Oncology 2009; 27: 4530.
  3. Gradishar W. Update on fulvestrant for hormone receptor positive advanced breast cancer. Community Oncology 2007; 4 (4): 220- 232.
  4. Nicholson RI & Johnston SR. Endocrine therapy - Current benefits and limitations. Breast Cancer Research and Treatment 2005; 93: S3-S10.
  5. Di Leo A, Jerusalem G, Petruzelka L et al. CONFIRM: Phase III, randomized, parallel-group trial comparing fulvestrant 250mg vs fulvestrant 500mg in postmenopausal women with oestrogen receptor-positive advanced breast cancer. SABCS 2009, Abstract 25.
  6. Kuter I et al. Fulvestrant 500 mg vs 250 mg: first results from NEWEST, a randomized, phase II neoadjuvant trial in postmenopausal women with locally advanced, estrogen receptor-positive breast cancer. SABCS 2007, Abstract 23.