欧州委員会がticagrelorを承認

この資料は、英国アストラゼネカ社が12月6日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・再編集し、皆様のご参考に供するものです。 この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。
 


2010年12月6日、英国 ロンドン:本日、アストラゼネカは欧州委員会が成人急性冠症候群患者におけるアテローム血栓症予防を適応にticagrelorの販売承認を行ったと発表しました。これは9月23日の欧州委員会(CHMP)の承認支持を受けたことによるもので、EUに加盟している27カ国と欧州経済地域の3カ国に適応されます。

アストラゼネカCEOのデビッド・ブレナンは「欧州でticagrelorが承認されたことを嬉しく思います。急性冠症候群患者における心筋梗塞や心血管死のリスクを減少させるにあたり、既存の抗血小板剤よりも有効な治療を求めている医師にとって本剤は魅力的な治療選択肢になると信じています。Ticagrelorが承認されたいま、いち早くこの重要な薬を患者さんに届けるため、適切な医療機関や医師、その他評価機構と協力していきます」と述べました。

薬価および保険償還に関する交渉もあり、EUにおけるticagrelorの上市のほとんどは2011年下半期の予定です。

2010年8月、欧州心臓病学会および欧州心臓胸部外科学会は改訂版「Guidelines for Myocardial Revascularization(血行再建術に関するガイドライン)」においてticagrelorをクラス1Bとして推奨しています。改訂版ガイドラインでticagrelorは、急性冠症候群のうちST上昇型心筋梗塞または非ST上昇型心筋梗塞における血行再建術の際の抗血小板治療薬の選択肢にあげられています。

現在ticagrelorは世界18の地域で審査中です。

欧州では毎年約140万人が急性冠症候群を発症します1。現在、治療選択肢があるにもかかわらず、急性冠症候群患者の15%は心血管イベント発症後1年以内に死亡するというデータもあります2

Ticagrelorの販売承認は、クロピドグレルに対するticagrelorの優越性を示したPLATO試験(A Study of PLATelet Inhibition and Patient Outcomes)を含む臨床試験プログラムの評価に基づくものです。PLATO試験では、54例の患者を1年間クロピドグレルのかわりにticagrelorで治療した場合、1例のアテローム血栓性イベントを予防し、また91例の患者を治療した場合は大出血リスクを増加させることなく(ticagrelor 11.6% vs. クロピドグレル11.2%, p=0.43)、1例の心血管死を予防することが示されました。

患者全員が体験するわけではありませんが、全ての薬剤と同様にticagrelorも副作用を引き起こします。Ticagrelorで報告された一般的な副作用は出血および息切れでした。出血は抗血小板薬に共通して起こります。Ticagrelorにおいて重度の出血は少数で、あざや鼻血といった軽微な出血が認められました。ほとんどの息切れはticagrelorによる治療期間中に消失し、PLATO試験中にticagrelorによる治療を中断した例は少数でした。その他報告された副作用として、頭痛、目まい、腹痛、下痢、発疹、そう痒、胃の不快感がありました。

Reference
 

  1. “Heart Health - Heart Disease: Symptoms, Diagnosis and Treatment.”National Institutes of Health. What is Acute Coronary Syndrome (ACS)? http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/magazine/issues/winter09/articles/winter09pg25-27.html Accessed 24 November 2010.
  2. GRACE registry, as analyzed in: Fox et al. JAMA. 2007; 297 (17); 1892-1900.