2型糖尿病患者のグリコヘモグロビン(HbA1c)改善において、 dapagliflozinのglipizideに対する非劣性が証明される ~52週間投与のメトホルミン併用第Ⅲ相臨床試験より~

本資料は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と英国アストラゼネカ社が、9月24日(米国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に再編集したものです。内容とその解釈については原文である英文が優先します。
 


(ストックホルム、2010年9月24日)-本日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(本社:米国ニューヨーク州、CEO:ランベルト・アンドレオッティ)とアストラゼネカ社(本社:イギリス・ロンドン、CEO:デビッド・ブレナン)は、メトホルミン単剤療法では血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象としたランダム化二重盲検第Ⅲ相臨床試験の結果を発表しました。この結果、52週間投与期間にわたるdapagliflozinはグリコヘモグロビン(HbA1c)値の改善において、glipizide(スルホニル尿素薬)に対する非劣性を証明しました。また、本試験では、dapagliflozinとメトホルミンの併用療法により、主要な副次的評価項目である、体重のベースラインからの減少(glipizideとメトホルミンの併用療法では体重が増加)、1回以上の低血糖症を報告した患者数の減少などにおいても有意な改善が確認されました。投与開始18週間に、dapagliflozinとメトホルミン併用群では10 mg/日まで(1日平均用量10mg)、glipizide群では20mg/日まで(1日平均用量20mg)用量が漸増されました。本臨床試験結果は、第46回欧州糖尿病学会(EASD:European Association for the Study of Diabetes)で発表されました。

有害事象、重篤な有害事象、および試験中止は、両群で同程度でしたが、尿路感染または性器感染を示唆する兆候、症状、その他の報告は、dapagliflozin群で多く認められました。

Dapagliflozinは、ファーストインクラスになりえるナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤であり、1日1回投与の経口血糖降下薬として、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とアストラゼネカ社が共同開発を進めており、現在第Ⅲ相臨床試験を実施中です。SGLT2阻害剤は、インスリンの機序とは独立して作用し、グルコースおよび付随するカロリーの尿中への排泄を促進することによって、血糖値を低下させます。

本臨床試験の治験責任医師でドイツ・バートラウテルベルクの糖尿病センター長のミヒャエル・A・ナウク博士(MD)は、「2型糖尿病患者には、血糖値の問題に加え、複数の合併症を示す例が多くみられます。今回の第Ⅲ相臨床試験の結果から、dapagliflozinとメトホルミンの併用療法がglipizideとメトホルミンの併用療法と同程度であることが確認されたのは、喜ばしいことです」と述べています。


本臨床試験について
本第Ⅲ相臨床試験は、1日当たり1,500mg以上のメトホルミン単剤療法で十分に血糖をコントロールできない2型糖尿病患者を対象に、第52週時点におけるHbA1c値のベースラインからの変化に関して、glipizideとメトホルミン併用療法に対する、dapagliflozinとメトホルミン併用療法の非劣性を証明するために計画されました。試験のプロトコールにおいて、非劣性は、一定用量のメトホルミンにdapagliflozinまたはglipizideを追加した場合のHbA1c低下に関して、両側95%信頼区間の上限値が0.35%未満と定義されました。主な副次的評価項目は、第52週時点における体重のベースラインからの変化と低血糖を報告した患者数でした。

本臨床試験は、ベースラインでのHbA1cが6.5%を超え、10%以下の2型糖尿病患者(18歳以上)814例を対象とした52週間投与の多施設共同ランダム化並行群間実薬対照二重盲検第Ⅲ相臨床試験です。組み入れられた患者は、dapagliflozinとメトホルミン併用群(n=406、2.5mg/日から開始)またはglipizideとメトホルミン併用群(n=408、5mg/日から開始)のどちらかに均等に無作為割付されました。投与開始18週間に、必要に応じて治験薬の用量が漸増されました(dapagliflozinは10mg/日まで、glipizideは20mg/日まで)。Dapagliflozinの平均用量は10mg、glipizideの平均用量は20mgでした。

試験結果
解析の結果、第52週時点におけるHbA1cのベースラインからの調整後平均変化量に関して、dapagliflozinとメトホルミン併用群はglipizideとメトホルミン併用群と同程度の0.52%低下を達成しました。本試験結果から、既存のメトホルミン療法に追加した場合、dapagliflozinによる治療はglipizideによる治療に対し非劣性であることが明らかになりました(既存のメトホルミン療法への追加薬としてglipizideと比較したベースラインからの調整後平均変化値の差は、0.00%でした [95% CI -0.11~0.11])。

また、第52週時点でdapagliflozinとメトホルミン併用群において、glipizideとメトホルミン併用群と比べ、統計学的有意な体重減少がみられることも確認されました(3.22 kg減 対1.44 kg増、p<0.0001)。また、第52週時点でベースラインから5%以上体重が減少した患者数は、dapagliflozinとメトホルミン併用群(33.3%)がglipizideとメトホルミン併用群(2.5%)を有意に上回りました(p<0.0001)。

さらに、第52週時点で低血糖を発症した患者の割合は、dapagliflozinとメトホルミン併用群(3.5%)がglipizideとメトホルミン併用群(40.8%)を有意に下回りました(p<0.0001)。

第52週時点における有害事象発生率は、dapagliflozinとメトホルミン併用群で78.3%、glipizideとメトホルミン併用群で77.9%であり、両群で同程度でした。Dapagliflozinとメトホルミン併用群およびglipizideとメトホルミン併用群について最も一般的にみられた有害事象は、鼻咽頭炎(それぞれ10.6%、15.0%)、高血圧(7.4%、8.6%)、インフルエンザ(7.4%、7.4%)でした。有害事象による試験中止率は、dapagliflozinとメトホルミン併用群で9.1%、glipizideとメトホルミン併用群で5.9%でした。

尿路感染と性器感染を示唆する有害事象は、MedDRA PT(安全情報に用いる医学辞書におけるカテゴリー)に基づいて分析されました。尿路感染や性器感染を示唆する兆候、症状、その他の報告があった患者についは、glipizideとメトホルミン併用群よりもdapagliflozinとメトホルミン併用群で高い傾向にありました。尿路感染を示唆する兆候、症状、その他の報告は、dapagliflozinとメトホルミン併用群の10.8%、glipizideとメトホルミン併用群の6.4%でみられました。性器感染を示唆する兆候、症状、その他の報告は、dapagliflozinとメトホルミン併用群の12.3%、glipizideとメトホルミン併用群の2.7%でみられ、大部分は軽度から中等度でした。試験中止に至った尿路感染は、dapagliflozin群で1例、glipizide群で1例報告されました。Dapagliflozin群では、試験中止に至った性器感染が3例報告されました。glipizide群では、腎盂腎炎が2例報告されました。

第52週時点における重篤な有害事象を報告した患者の比率は、dapagliflozinとメトホルミン併用群で8.6%、glipizideとメトホルミン併用群で11.3%であり、両群で同程度でした。

血圧への影響は、探索的評価項目として検討されました。Dapagliflozinとメトホルミン併用群では、収縮期血圧が4.3mmHg、拡張期血圧が1.6mmHg低下しました。glipizideとメトホルミン併用群では、収縮期血圧が0.8 mmHg上昇し、拡張期血圧が0.4mmHg低下しました。起立性低血圧はみられませんでした。

2型糖尿病について
2型糖尿病は、膵臓β細胞の機能が低下し、インスリンの分泌が減少して、血糖値上昇につながる慢性の進行性疾患です。持続性の高血糖は、時間とともにインスリン抵抗性を悪化させ、β細胞の機能をさらに低下させます。

多くの2型糖尿病患者は、肥満や高血圧などの合併症を併発します。治療中の患者の半数近くが現在の血糖降下療法では十分に血糖コントロールがされておらず、複数のパラメータについてコントロールされている患者はさらに少なく、重大なアンメット・ニーズが存在しています。従来の2型糖尿病の治療では、主にインスリンに依存した機序に重点が置かれていました。インスリンとは独立して作用するアプローチは、2型糖尿病患者が血糖値をコントロールするための選択肢の一つとなる可能性があります。

SGLT2阻害剤について
腎臓におけるSGLT系は、全身の血糖バランスに関して主要な役割を担います。通常、腎臓では、1日に最大180gのグルコースが濾過され、実質的にそのすべてが再吸収されて血流に戻されます。グルコースの再吸収は、腎臓の近位尿細管でSGLT系を通じて行われます。インスリン非依存性の作用機序でSGLT2を選択的に阻害することによって、グルコースおよび付随するカロリーの尿中への排泄を促進し、血糖値を低下させます。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とアストラゼネカ社の提携について
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とアストラゼネカ社は2007年1月、2型糖尿病の特定の治験薬を研究、開発、そして販売する提携を開始しました。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とアストラゼネカ社の糖尿病に関する提携は、世界中の患者さんのケアに向けて、患者さんの治療予後を改善し、2型糖尿病の治療に対する新たなビジョンを創り出すことを目的としています。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を持つ患者さんを助けるための革新的な医薬品を発見、開発し、提供することを使命とする世界的なバイオファーマ企業です。詳細については、www.bms.comまたは、ツイッターでhttp://twitter.com/bmsnewsをご覧ください。

アストラゼネカ社について
アストラゼネカは、イノベーション指向かつバイオ医薬品も含むグローバル製薬企業であり、主に医療用医薬品の創薬、開発およびマーケティング・営業活動に従事しています。アストラゼネカは消化器・循環器・ニューロサイエンス・呼吸器・オンコロジーおよび感染症領域におけるリーディングカンパニーで、2009年の全世界の売上は328億ドル、米国での売上は148億ドルでした。詳細については、Webサイト(www.astrazeneca.com)をご覧ください。

*Dapagliflozinは、現在日本で第Ⅱ相臨床試験を実施中です。

将来予測等に関する記述
本プレスリリースは、製品の開発に関して、1995年私募証券訴訟改革法で定義されるところの将来予測に関する記述を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関する記述は保証できるものではありません。特に、dapagliflozinが規制上の承認を受ける、また承認を受けたとしても商業的に確実に成功するという保証はできません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2009年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事の結果を問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。