閉経後ホルモン感受性進行・再発乳がんに対し  フルベストラント500mg、ヨーロッパで承認取得

この資料は、英国アストラゼネカ社が3月18 日(英国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・再編集し、皆様のご参考に供するものです。
この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。


治療選択肢が少ない進行・再発乳がんと向き合う患者さんや医師にとって、フルベストラント500mgの承認取得は、既に承認されているフルベストラント250mgよりもQOL(生活の質)に影響を及ぼすことなく病勢コントロールを有意に改善することから、朗報と言えるでしょう。

Dr Angelo Di Leo MD PhD
Head of Sandro Pitigliani Medical Oncology Unit, Hospital of Prato, Italy and
CONFIRM principal investigator


2010年3月18日、英国、マックルズフィールド:本日アストラゼネカは、フルベストラント500mg投与が抗エストロゲン治療歴のある閉経後ホルモン感受性進行・再発乳がんを対象に、欧州委員会(EC)より承認を取得したと発表しました。今回の承認取得は、第Ⅲ相試験CONFIRM (COmparisoN of FASLODEX In Recurrent or Metastatic breast cancer)を含む包括的臨床開発プログラムの結果に対する欧州医薬品庁(EMA)欧州医薬品委員会(CHMP)の肯定的見解に基づくものです。

CONFIRM試験結果は、昨年の米国サンアントニオ乳がんシンポジウムで初めて発表されたもので、内分泌療法による治療中に再発あるいは進行した乳がん患者さんにおいて、フルベストラント500mg群(n=362)は、フルベストラント250mg群(n=374)よりも忍容性を損なうことなく20%病勢進行リスク(病勢進行までの期間(TTP *)で評価)を統計学上、有意に改善することが確認されました(HR 0.80; 95% CI 0.68-0.94, p=0.006)。その結果、試験開始から1年後の時点で、フルベストラント500mg群の34%の患者さんが進行することなく生存し、250mg群では25%でした1

進行・再発乳がんでは治癒を望むことが極めて困難なことから、治療の主な目的はQOL(生活の質)を維持しながら病勢の進行を抑制することとなります。進行・再発乳がんの治療薬としては、エストロゲン受容体に競合的に結合することでその作用を抑制するタモキシフェンが知られていますが、フルベストラントはタモキシフェンよりもエストロゲン受容体への親和性が高く、また受容体の数を減少(ダウンレギュレーション)させることにより、より効果的にエストロゲンの作用を抑制することが確認されています。忍容性を損なうことなく、病勢コントロール期間の延長を可能にするフルベストラント500mgは、薬剤耐性を起こしにくい薬剤として進行・再発乳がん患者さんに希望を与えうる薬剤です2、3

新たに承認を取得したフルベストラント500mgの投与方法は、2本のフルベストラント250mgの筋肉内注射となります。

Dr Di Leoは「フルベストラント500mgは進行・再発乳がんの治療に大きな改善をもたらす薬剤となるでしょう。昨今明らかにされたCONFIRM試験の知見によって完了した臨床開発プログラムは、フルベストラント500mgがエストロゲン受容体のダウンレギュレーションを高め、この痛ましい疾病に対する病勢コントロールを改善する有効な治療オプションになることを示しています」とコメントしました。

今回の欧州委員会からの承認取得前に、フルベストラント250mgは、抗エストロゲン治療歴のある閉経後ホルモン感受性進行・再発乳がんの治療薬として承認されていました。フルベストラント250mgはこれまでの臨床試験で他のホルモン剤(アロマターゼ阻害剤)に比較して同程度の効果があることが確認されていましたが、特異的な作用機序によって病勢コントロールを改善する薬剤との期待が持たれていました4、5。CONFIRM、FIRST、NEWESTなどによって完了した臨床開発プログラムのエビデンスから、フルベストラントの用量を250mgから500mgに増量すると、忍容性を損なうことなく病勢コントロール期間を延長できることが改めて確認されました1、6、7

アストラゼネカは30年以上にわたって、乳がん領域における内分泌療法で実績を重ね、世界中で早期乳がんと進行・再発乳がんの治療に貢献しています。

 

Notes to Editors

フルベストラント500mg投与法: 1日目にフルベストラント500mg(250mg投与×2回)が筋肉内注射で投与され、14日目と28日目にも500mgが投与される。以降は、28日ごとに500mg投与を行う。
注意)フルベストラント500mgを1回の注射で投与することはできない(250mgを2回投与する)

フルベストラント500mg臨床開発プログラム

  • FIRST試験 (FASLODEX fIRst line Study comparing endocrine Treatments):閉経後ホルモン感受性進行・再発乳がん患者におけるフルベストラント500mgとアナストロゾールの効果を比較した無作為化非盲検第Ⅱ相試験(n=205)6。フルベストラント500mgは少なくともアナストロゾールと同程度の臨床的有用性があり、統計学上、有意に病勢進行までの期間を改善した。
  • NEWEST試験(Neoadjuvant Endocrine therapy for Women with Estrogen-Sensitive Tumours): ホルモン感受性進行・再発乳がんを対象に術前療法としてフルベストラント500mgとフルベストラント250mgを16週投与し比較した無作為化第Ⅱ相試験。主要評価項目は、治療に対する反応を示す特異的指標である腫瘍細胞増殖マーカーのKi67レベル。フルベストラント500mgは250mgよりも有意にKi67レベルを低下させ、エストロゲン受容体のダウンレギュレーションを増加させた。このことからフルベストラント500mgはより腫瘍細胞の増殖を抑えることが示された7
  • CONFIRM試験(COmparisoN of FASLODEX In Recurrent or Metastatic breast cancer):閉経後ホルモン感受性乳がんで、内分泌治療中に再発や進行の見られた患者を対象に、フルベストラント500mg(n=362)とフルベストラント250mg(n=374)を比較した無作為二重盲検、ダブルダミー*第Ⅲ相臨床試験。主要評価項目は病勢進行までの期間(TTP)*。フルベストラント500mgは忍容性を損なうことなく承認済のフルベストラント250mgよりも病勢コントロール期間を有意に延長した1


図

References

  1. Di Leo A, Jerusalem G, Petruzelka L et al. CONFIRM: Phase III, randomized, parallel-group trial comparing fulvestrant 250mg vs fulvestrant 500mg in postmenopausal women with oestrogen receptor-positive advanced breast cancer. SABCS 2009, Abstract 25.
  2. Gradishar W. Update on fulvestrant for hormone receptor positive advanced breast cancer. Community Oncology 2007; 4 (4): 220- 232.
  3. Nicholson RI & Johnston SR. Endocrine therapy - Current benefits and limitations. Breast Cancer Research and Treatment 2005; 93: S3-S10.
  4. Robertson JF, Osborne CK, Howell A et al. Fulvestrant versus anastrozole for the treatment of advanced breast cancer in postmenopausal women. Cancer 2003; 98 (2): 229-238.
  5. Howell A, Pippen J,Elledge RMM et al. Fulvestrant versus anastrozole for the treatment of advanced breast carcinoma. Cancer 2005; 104 (2): 236-239.
  6. Robertson JF, Llombart A, Rolski J et al. Activity of fulvestrant 500 mg versus anastrozole 1mg as first-line treatment for advanced breast cancer: results from the FIRST study. Journal of Clinical Oncology 2009; 27: 4530-5.
  7. Kuter I et al. Fulvestrant 500 mg vs 250 mg: first results from NEWEST, a randomized, phase II neoadjuvant trial in postmenopausal women with locally advanced, estrogen receptor-positive breast cancer. SABCS 2007, Abstract 23.