閉経後ホルモン感受性進行再発乳がん患者を対象としたフルベストラント 500㎎、 250㎎よりも病勢コントロールを有意に延長 ~第Ⅲ相試験CONFIRMの初期データ発表より~

この資料は、英国アストラゼネカ社が12月10日(英国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・再編集し、皆様のご参考に供するものです。
この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。

 


「フルベストラントの用量を現在承認されている250㎎から500㎎に増量すると、治療効果をさらに改善できることがCONFIRM試験結果から確認されました。当該領域におけるフルベストラント250㎎の有効性が、少なくともアロマターゼ阻害剤と同等であるとの知見は既に得られていますが、フルベストラント500㎎は、オンコロジストにとって進行再発乳がん患者の病勢進行リスクを有意に改善し、病勢コントロール期間の延長に寄与できる強力なツールとなるでしょう」

Dr Angelo Di Leo MD PhD
Head of Sandro Pitigliani Medical Oncology Unit, Hospital of Prato, Italy and
CONFIRM principal investigator


2009年12月10日、英国、マックルズフィールド:米国で開催中のサンアントニオ乳がんシンポジウムで閉経後ホルモン感受性進行再発乳がん患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験CONFIRM(COmparisoN of FASLODEX In Recurrent or Metastatic breast cancer)の結果が初めて発表され、フルベストラント500㎎は承認済のフルベストラント250㎎*よりも、忍容性を損なうことなく病勢コントロール期間を延長することを示しました1

閉経後ホルモン感受性乳がんで、ホルモン治療を受けた後に再発や転移の見られた患者を対象とした無作為二重盲検、ダブルダミー**第Ⅲ相臨床試験CONFIRMより、フルベストラント500㎎***群(n=362)は250㎎群(n=374)よりも20%病勢進行リスク(病勢進行までの期間(TTP)で評価)を統計学上、有意に改善することが確認されました(HR 0.80; 95% CI 0.68-0.94, p=0.006)。その結果、試験開始から1年後にフルベストラント500㎎群では患者の34%に進行が見られず生存しており、フルベストラント250㎎群では25%でした1。また統計的有意差は得られなかったものの、副次的評価項目である死亡リスクの低減及びクリニカルベネフィット率とその期間においても500㎎群で良好な結果が示されました。500㎎群と250㎎群における忍容性プロファイルは同等で、500㎎への増量に伴う新たな安全性上の問題は見られませんでした。また500㎎への増量と有害事象あるいは生活の質に関連する有害な影響の発生の間に相関関係は認められませんでした1

進行再発乳がんは治癒を望むことが極めて困難なことから、治療の主な目的は病勢の進行を抑制し、生活の質を維持することとなります。進行再発乳がんの治療薬としては、エストロゲン受容体に結合することでその作用を抑制するタモキシフェンが知られていますが、フルベストラントはタモキシフェンよりもエストロゲン受容体への親和性が高く、また、受容体の数を減少(ダウンレギュレーション)させることにより、より効果的にエストロゲンの作用を抑制することが確認されています2、3。また、これまでの臨床試験で、フルベストラント250mgは他のホルモン剤(アロマターゼ阻害剤)に比較して同等の効果があることが確認されています4、5。今回得られたフルベストラント500mgが250mgに比較して忍容性と生活の質を維持しつつ、効果がより長く持続したとの結果は、フルベストラントが薬剤耐性をより起こしにくい薬剤との期待がもたれます。

Dr Di Leoは「フルベストラント500㎎は、より多くの患者が内分泌療法を継続し、病勢をより長くコントロールするために問題であった薬剤耐性の解決の糸口として、重要かつ新たなツールになる可能性を秘めています。過去に実施されたNEWESTやFIRST試験****で示されたように、フルベストラントを増量することによってエストロゲン受容体のダウンレギュレーションが一層促進され、これが今回得られた有意な病勢コントロール延長に繋がったと我々は考えています。CONFIRM試験結果によって、フルベストラント500㎎は医師にとって、進行再発乳がんという非常に痛ましい疾病をよりコントロールする、あるいは再びコントロール下に治めるための新しい効果的な選択肢になると考えています」とコメントしました。

アストラゼネカは長年、乳がん治療における内分泌療法で実績を重ね、またフルベストラントにおいてもその可能性を探るために、数々の試験を行ってきました。サンアントニオ乳がんシンポジウムでは、フルベストラント250㎎とアナストロゾールとの併用をアナストロゾール単独と比較するFACT試験についても発表され、併用することによるメリットは見出せなかったとの結果が示されました6。これらのデータは、進行再発乳がんの病勢コントロールをフルベストラントを用いて延長するには、250㎎とアロマターゼ阻害剤の併用よりも、500㎎への増量が有効であることを補強するものとなりました。

アストラゼネカは現在、フルベストラント500㎎申請に向けて当局と協議を進めており、 日本においては、海外に遅れることなく申請手続きを進める予定です。

Notes to Editors
*フルベストラント250㎎:現在承認されているフルベストラントの用量は250㎎で、月一回の筋肉内注射による投与。
**ダブルダミー:全ての患者は毎月2回の注射投与を受けるが、その際、フルベストラント500㎎群の場合は、250㎎投与を2回、フルベストラント250㎎群の場合は250㎎投与+プラセボ投与1回となる。このように投与することで、試験の盲検性が医師・患者の双方に対して守られる。
***フルベストラント500㎎投与法: 1日目にフルベストラント500㎎(250㎎投与×2回)が筋肉内注射で投与され、14日目と28日目にも500㎎が投与される。以降は、28日ごとに500㎎投与を行う。 注意)フルベストラント500㎎を1回の注射で投与することはできない(250㎎を2回に分けて投与する)
****FIRST試験 (FASLODEX fIRst line Study comparing endocrine Treatments):閉経後ホルモン感受性局所進行あるいは転移乳がん患者におけるフルベストラント500㎎とアナストロゾールの効果を比較した無作為非盲検第Ⅱ相試験(n=205)7。フルベストラント500㎎はアナストロゾールよりもクリニカルベネフィットを享受できる可能性が30%高かった(オッズ比1.30)。
NEWEST試験(Neoadjuvant Endocrine therapy for Women with Estrogen-Sensitive Tumours):ホルモン感受性進行・再発乳がんを対象に術前療法としてフルベストラント500㎎とフルベストラント250㎎を16週投与し比較した試験。主要評価項目は、治療に対する反応を示す特異的指標である腫瘍細胞増殖マーカーのKi67レベル。フルベストラント500㎎は250㎎よりも有意にKi67レベルを低下させ、エストロゲン受容体のダウンレギュレーションを増加させた。このことからフルベストラント500㎎はより腫瘍細胞の増殖を抑えることが示された8

図

References

  1. Di Leo A, Jerusalem G, Petruzelka L et al. CONFIRM: Phase Ⅲ, randomized, parallel-group trial comparing fulvestrant 250 mg vs fulvestrant 500 mg in postmenopausal women with oestrogen receptor-positive advanced breast cancer. San Antonio Breast Cancer Symposium 2009. Oral session 2 on Thursday 10th December 2009 at 16.00 PST. Abstract 25.
  2. Gradishar W. Update on fulvestrant for hormone receptor positive advanced breast cancer. Community Oncology 2007; 4 (4): 220- 232.
  3. Nicholson RI & Johnston SR. Endocrine therapy - Current benefits and limitations. Breast Cancer Research and Treatment 2005; 93: S3-S10.
  4. Robertson JF, Osborne CK, Howell A et al. Fulvestrant versus anastrozole for the treatment of advanced breast cancer in postmenopausal women. Cancer 2003; 98 (2): 229-238.
  5. Howell A, Pippen J, Elledge RMM et al. Fulvestrant versus anastrozole for the treatment of advanced breast carcinoma. Cancer 2005; 104 (2): 236-239.
  6. Bergh J, Jo¨nsson PE, Lidbrink E et al. First results from FACT - An open-label, randomized phase Ⅲ study investigating loading dose of fulvestrant combined with anastrozole versus anastrozole at first relapse in hormone receptor positive breast cancer. San Antonio Breast Cancer Symposium 2009. San Antonio Breast Cancer Symposium 2009. Oral session 2 on Thursday 10th December 2009 at 15.30 PST. Abstract 23.
  7. Robertson JF, Llombart A, Rolski J et al. Activity of fulvestrant 500 mg versus anastrozole 1 mg as first-line treatment for advanced breast cancer: results from the FIRST study. Journal of Clinical Oncology 2009; 27: 4530-5.
  8. Kuter I et al. Fulvestrant 500 mg vs 250 mg: first results from NEWEST, a randomized, phase Ⅱ neoadjuvant trial in postmenopausal women with locally advanced, estrogen receptor-positive breast cancer. SABCS 2007, Abstract 23.
  9. Robertson JFR, Howell A, Buzdar A, et al. Static disease on anastrozole provides similar benefit as objective response in patients with advanced breast cancer. Breast Cancer Res Treat 1999; 58 (2):157-162.
  10. Howell A, Mackintosh J, Jones M et al. The definition of the 'no change' category in patients treated with endocrine therapy and chemotherapy for advanced carcinoma of the breast. Eur J Cancer & Clin Oncol 1988; 24 (10): 1567 1572.