新規抗血小板剤Ticagrelor ST上昇型急性心筋梗塞患者サブグループにおいて 心血管イベント発症リスクをクロピドグレルに比べ有意に抑制

この資料は、英国アストラゼネカ社が11月15日、18日(米国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・再編集し、皆様のご参考に供するものです。 この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。
 


2009年11月15日-米国 本日、アストラゼネカはPLATO試験において、急性冠症候群の中でも重症のST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)患者を対象としたサブグループ解析結果をアメリカ心臓協会(AHA)の年次学術集会で発表しました。STEMIは冠動脈の完全閉塞により発症することから、早期の血流回復によって、心筋救済し死亡率を低減させる必要があります。そのため、緊急経皮的冠動脈形成術(PCI)が施行されます。

この解析はPLATO試験に組入れられた患者の約45%にあたる8,430人のSTEMI患者を対象に行なわれました。解析の結果、Ticagrelorはクロピドグレルに比べて大出血のリスクを増加させることなく(9.0% vs. 9.3%, p=0.63)1、投与1年後の心血管イベント発症リスク(心血管死、心筋梗塞、脳卒中)を有意に抑制しました(9.3% vs. 11.0%, P=0.02)。特に、Ticagrelorはクロピドグレルに比べ有意に心筋梗塞発症リスクを抑制しました(4.7% vs. 6.1%, P=0.01)。STEMI患者におけるTicagrelorの治療効果は試験期間全体を通じて認められ、クロピドグレルとの差は時間の経過と共に大きくなる傾向にありました1

またTicagrelorは心筋梗塞、ステント内血栓症、および心筋梗塞・脳卒中・全死亡の複合イベントを含む複数の有効性の副次的評価項目においても有効性を一貫して示しました。Ticagrelorはクロピドグレルに対し1年経過時点における全死亡の相対リスクを18%抑制しました(6.0% vs. 4.9%, P=0.04)。

PLATO試験、STEMIサブグループ解析の責任医師であるGabriel Steg氏(パリ第7大学教授)は「STEMI患者は緊急経皮的冠動脈形成術を受ける必要があります。そのような患者は特に合併症のリスクが高く、即効性のある抗血栓剤が求められます。PLATO試験では、臨床現場で遭遇する様々なタイプの急性冠症候群患者を対象にTicagrelorの有効性を検討しました。これまでに行なわれた侵襲的治療を予定された急性冠症候群患者を対象としたサブグループ解析と同様、STEMI患者を対象とした解析においても、Ticagrelorは大出血リスクを増加させることなく、心血管イベント発症の抑制を示しました」と述べました。

また、AHA開催中の18日、ONSET/OFFSET試験およびRESPOND試験の結果も発表されました。試験結果の概要は以下の通りです。

ONSET/OFFSET試験

  • Ticagrelorは初回投与から0.5、1、2、4、8および24時間時点、および6週間後においてクロピドグレルよりも強い血小板凝集抑制作用(IPA)を示しました(いずれの時点においてもp<0.0001)。
  • 初回投与から2時間後の時点においてTicagrelor投与群ではクロピドグレル投与群に比べ、より多くの患者で高いIPAが得られました。50%を超えるIPA が得られた割合(98% vs. 31%, P<0.0001)、70%を超えるIPA が得られた割合(90% vs. 16%, P<0.0001)
  • Ticagrelorはクロピドグレルに比べ、投薬中止後の速やかなIPAの低下を示しました(4~72時間の傾き(IPA(%)/時間):-1.037 vs. -0.482, p<0.0001)。薬剤最終投与24時間後の平均IPAはTicagrelor 58% vs. クロピドグレル52%で有意差はありませんでした。
  • Ticagrelor最終投与から3日後のIPAは、クロピドグレル最終投与5日後のIPAと同程度の値を示しました。

RESPOND試験

  • クロピドグレルが有効な患者群のうち、クロピドグレルからTicagrelorに薬剤変更した患者ではIPAが平均26%増加、Ticagrelorからクロピドグレルに薬剤変更した患者ではIPAが平均24%減少しました。
  • クロピドグレルが無効な患者群において、主要評価項目(Ticagrelor群とクロピドグレル群において10%を超えるIPAの増加が認められた患者の割合)に有意差は認められませんでした。
  • 探索的追加解析を行なった結果、定常状態における(薬剤投与14日時点)TicagrelorのIPAはクロピドグレルのIPAに比べ高い傾向にあり、どの用量においても有意差が認められました(p<0.05)。

Notes to Editors

PLATO試験 STEMIサブグループ解析について
PLATO試験に割り付けられたSTEMI患者はTicagrelor群4,201人、クロピドグレル群4,229人です。Ticagrelor群では初回投与量としてTicagrelor180mgを投与後、Ticagrelor90mgとアスピリンを1日2回投与、クロピドグレル群では初回投与量としてクロピドグレル300mgを投与後、クロピドグレル75mgとアスピリンが1日1回投与されました1

References

  1. 1Steg G et al, Comparison of Ticagrelor, the first reversible oral P2Y12 receptor antagonist, with clopidogrel in patients with acute coronary syndromes: results from the PLATelet inhibition and patient Outcomes (PLATO) trial. Presentation at AHA 2009. Final Program Number LBCT.01