アストラゼネカの新規抗がん剤バンデタニブ  第Ⅲ相臨床試験結果が米国臨床腫瘍学会にて発表される


2009年5月30日米国(オーランド)本日、米国オーランドで開催中の米国臨床腫瘍学会において、進行非小細胞肺がん患者を対象とした、バンデタニブの第Ⅲ相臨床試験ZODIAC試験1の結果が発表されました。ZODIAC試験はバンデタニブ100mg/日とドセタキセルの併用療法をドセタキセル単剤療法と比較検討する第Ⅲ相無作為化プラセボ対照二重盲検試験で、1レジメンの抗がん剤治療歴がある進行非小細胞肺がん患者1391例が組入れられました。この試験では、バンデタニブをドセタキセルと併用することで、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の有意な延長が示されました(ハザード比[HR] 0.79, 97.58% 信頼区間[CI] 0.70-0.90; p<0.001. PFS中央値: 17.3週 vs. 14.0週)。バンデタニブは非小細胞肺がんにおけるセカンドライン治療を検討した第Ⅲ相臨床試験において、化学療法と併用することで臨床ベネフィットが得られることを証明した初の経口分子標的治療薬です。

ZODIAC試験に比べ小規模なZEAL試験2結果もASCOで発表されました。ZEAL試験はバンデタニブ100mg/日とペメトレキセドの併用療法をペメトレキセド単剤療法と比較検討する第Ⅲ相無作為化プラセボ対照二重盲試験で、1レジメンの抗がん剤治療歴がある進行非小細胞肺がん患者534例が組入れられました。ZEAL試験ではPFSの統計学的な有意差はみられず、主要評価項目は達成されなかったものの、バンデタニブとペメトレキセドの併用療法はペメトレキセド単剤療法に比べPFSを延長する傾向を示しました(ハザード比[HR] 0.86, 97.58%信頼区間[CI] 0.69-1.06; p=0.108. PFS中央値: 17.6週 vs. 11.9週)。

両試験の副次的評価項目では、バンデタニブを化学療法と併用することで、腫瘍縮小効果の指標となる奏効率を有意に改善することが示されたほか(ZODIAC試験: 17% vs. 10%, p<0.001; ZEAL試験: 19.1% vs. 7.9%, p<0.001)、肺がん関連症状の悪化を有意に遅らせることが示されました (ZODIAC試験: ハザード比 [HR] 0.78, p=0.002, FACT-LのLCSによる評価; ZEAL試験: ハザード比 [HR] 0.61, p=0.004, 肺がん症状尺度(LCSS)による評価)。 全生存期間(OS)において両試験で統計学的な有意差はありませんでしたが、良好な傾向が見られました(ZODIAC試験: ハザード比[HR] 0.91, 97.52%信頼区間[CI] 0.78-1.07: p=0.196; ZEAL試験: ハザード比[HR] 0.86, 97.54% 信頼区間[CI] 0.65-1.13; p=0.219)。

両試験における安全性プロファイルは、これまで非小細胞肺がん患者を対象に行ったバンデタニブ試験と相違のないものでした。最も多くみられた有害事象はZODIAC試験では皮疹、下痢および好中球減少、ZEAL試験では皮疹、下痢および高血圧でした。プロトコールで定義されたQTc延長の発現頻度は両試験において2.0%未満で、症状を伴わないものでした。

ZODIAC試験の治験責任医師であり、テキサス大学M.Dアンダーソンがんセンター教授のRoy Herbst氏は「肺がんの死亡者数は、乳がん、大腸がん、前立腺がんを合わせた死亡者数よりも多く、治療が非常に困難な疾患です」と述べ「ZODIAC試験では、治療選択肢が限られた患者に対して、バンデタニブを化学療法と併用することでPFSが延長したことが証明されました」と述べました。

3つ目の第Ⅲ相臨床試験であるZEST試験3もASCOで発表されました。ZEST試験はバンデタニブ300mg/日とエルロチニブ150mg/日の有効性を比較検討する第Ⅲ相無作為化二重盲試験で、治療歴のある局所進行または転移性の非小細胞肺がん患者1240例が組入れられました。PFSを統計学的に有意に延長するという主要評価項目は達成できませんでしたが、事前に計画されていた非劣性解析の結果、バンデタニブはエルロチニブに対し、PFSとOSの非劣性を証明しました (PFS: ハザード比[HR] 0.98, 95.22%信頼区間[CI] 0.87-1.10; p=0.721; OS: ハザード比[HR] 1.01, 95.08%信頼区間[CI] 0.89-1.16; p=0.830)。奏効率と症状コントロールに関しても両群で同等でした(奏効率: 12% vs. 12%; 症状: 疼痛, ハザード比[HR] 0.96, p=0.583; 呼吸困難, ハザード比[HR] 1.08, p=0.333; 咳, ハザード比[HR] 0.94, p=0.403)。

ZEST試験で最も多くみられた有害事象は、皮疹、下痢および高血圧でした。プロトコールで定義されたQTc延長の発現頻度はバンデタニブ群において5.1%でした。

アストラゼネカは進行非小細胞肺がん患者を対象にバンデタニブ100mgの化学療法との併用療法について2009年上半期に承認申請を行う予定です。なお、現時点における日本での申請時期等は未定です。

現在、バンデタニブに関して甲状腺がんを含む他のがん種を対象に単剤療法や他の抗がん剤との併用療法を評価中です。

EGFRチロシンキナーゼ阻害剤で治療後の進行非小細胞肺がんを対象としたバンデタニブ300mg単剤療法を検討する第Ⅲ相臨床試験ZEPHYR試験と、進行甲状腺髄様がんを対象にバンデタニブ300mg単剤療法を検討する第Ⅲ相臨床試験ZETA試験に関しては2009年下半期に結果が得られる予定です。

Notes to editors

アストラゼネカについて

  • アストラゼネカは、医療用医薬品の研究、開発、製造及び販売、並びにヘルスケアサービスの提供などのヘルスケア事業を世界的に展開している医薬品メーカーです。年間316億ドルのヘルスケア事業の売上高を有し、消化器、循環器、ニューロサイエンス、呼吸器、オンコロジー及び感染症製品の販売でリーディングポジションを確立しています。
  • 詳細は、弊社のウェブサイトwww.astrazeneca.co.jpをご覧ください。

Reference List

  1. Herbst, R. et al. Vandetanib plus docetaxel vs docetaxel as 2nd-line treatment for patients with advanced non-small-cell lung cancer (NSCLC): a randomized, double-blind phase III trial (ZODIAC). ABS 31495. ASCO. 2009.
  2. De Boer, R. et al. Vandetanib plus pemetrexed vs pemetrexed as 2nd-line therapy in patients with advanced non-small-cell lung cancer (NSCLC): a randomized, double-blind phase III trial (ZEAL). ABS 31867, ASCO. 2009.
  3. Natale, R. et al. Vandetanib versus erlotinib in patients with advanced non-small-cell lung cancer (NSCLC) after failure of at least 1 prior cytotoxic chemotherapy: a randomized, double-blind phase III trial (ZEST). ABS 31610. ASCO. 2009.