第58回米国心臓病学会(ACC)年次学術集会アップデート LDL-C値、高感度CRP値ともに低下すると心血管イベント発症リスクが65%減少 - クレストール®JUPITER試験 -


3月29日から31日にかけてフロリダ州オーランドで開催された第58回米国心臓病学会(ACC)年次学術集会でクレストール®(ロスバスタチン)の新たな試験結果が発表されました。下記にご紹介させていただきます。


LDL-C値、高感度CRP値ともに低下すると心血管イベント発症リスクが65%減少
-JUPITER試験サブ解析-

【3月30日】JUPITER(ジュピター)試験全患者数の87%にあたる約15,500人のLDL-Cと高感度CRPの到達値に対する心血管イベントの発症抑制効果を解析した結果(サブ解析)、LDL-Cが70mg/dL未満に低下した群はプラセボ投与群に比べて55%(p<0.0001)の心血管イベント発症リスクの減少が示されました。また、LDL-Cが70mg/dL未満で、かつ高感度CRPが2mg/L未満まで低下した群は65%(p<0.0001)と心血管イベントの発症リスクが大きく減少していることがわかりました。さらに、LDL-Cが70mg/dL未満で、高感度CRPが1mg/L未満まで低下した群は79%(p<0.0001)のリスク減少でした。今回の結果から、心血管イベント発症予防において、スタチンによる積極的LDL-C低下の重要性と高感度CRP低下の意義があらためて確認されたことになります。この結果はThe Lancetに掲載されています。


静脈血栓塞栓症リスクを43%減少
-大規模無作為化前向き試験でスタチンとして初めて-

【3月29日】JUPITER試験の新たな解析の結果、クレストール®20mg/日投与群はプラセボ投与群に比べて静脈血栓塞栓症リスクを43%(p=0.007)有意に減少させました(二次エンドポイント)。静脈血栓塞栓症は下肢や骨盤など体の深部にある静脈に血栓が形成される深部静脈血栓症と、形成された血栓が肺において塞栓を引き起こす肺血栓塞栓症があり、死に至る危険の高い疾患です。今回の解析の結果、大規模無作為化前向き試験でスタチンとしては初めて静脈血栓塞栓症リスク減少を示したことになります。この結果はThe New England Journal of Medicineに掲載されています。


血液透析を受けている末期腎不全患者におけるスタチンの有用性は示せず
-AURORA試験-

【3月30日】血液透析を受けている末期腎不全の患者さんを対象にクレストール®10mg/日投与による心血管イベント発症抑制効果をプラセボ投与群と比較検討したAURORA(オーロラ)試験の結果が発表されました。試験の結果、一次エンドポイントである心血管イベント(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中)の発症においてクレストール®10mg/日投与群とプラセボ投与群間に有意な差は認められませんでした(p=0.59)。
「末期の腎不全の患者さんは血管の石灰化が進行し、動脈が硬くなり、血管の機能が低下しています。そのため今回のAURORA試験では、他のスタチンで過去に実施された4D試験と同様に、スタチンの有用性が認められなかったと考えられます」とアストラゼネカのメディカル・サイエンス・ディレクターのマイケル・クレスマンは話しています。
安全性に関しては、2,700例以上の末期腎不全患者さんにおいて、クレストール®10mgはプラセボ投与群と同等の安全性プロファイルが認められました。
この結果はThe New England Journal of Medicineに掲載されています。


JUPITER (Justification for the Use of statins in Primary prevention: an Intervention Trial Evaluating Rosuvastatin) 試験
患者数17,802例と大規模な無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験。心血管イベントの既往がなく、LDL-Cは正常か低値であるものの、高感度CRP高値および加齢に基づく心血管疾患リスクを有する患者さんを対象に、クレストール®の1次予防効果を検討した試験です。クレストール®20mg/日投与群ではプラセボ投与群に比べて、1.9年(中央値)で、一次エンドポイントの心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、血行再建術施行、入院を要する不安定狭心症および心血管死の複合リスク)の発症が44%(p<0.00001)という大幅な減少を示しました。また、心臓発作、脳卒中、心血管死の複合リスクでは47%(p<0.00001)と約半数まで減少を示しました。また、クレストール®20mg/日投与群において、安全性においても約9,000例の患者さんで良好な忍容性を示しました。


AURORA (A study to evaluate the Use of Rosuvastatin in subjects On Regular haemodialysis: an Assessment of survival and cardiovascular events) 試験
患者数2,776例の大規模な無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験。3カ月間以上にわたり血液透析を受けている末期腎疾患患者さんを対象にクレストール®投与による心血管イベント(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中)の初発までの期間をプラセボ投与群と比較検討しました。心血管イベント発症例が620例以上になるまで継続され、フォローアップ期間は3.8年(中央値)でした。

GALAXYプログラム
JUPITER試験、AURORA試験はスタチン研究における未解明の重要な問題に取り組むために計画された世界的な研究であるアストラゼネカのGALAXYプログラムのひとつです。これまでGALAXYプログラムには世界55カ国から69,000例を超える患者さんがエントリーしています。

クレストール®について
クレストール®は世界95カ国以上で承認され、1,500万人以上の患者さんに服用されています。臨床試験及び、市販後のデータからクレストール®の安全性プロファイルは他のスタチンと同様であることが示されています。クレストール®の日本における適応症は、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症です。日本での通常開始用量は2.5mg/日ですが、早期にLDL-コレステロール値を低下させる必要がある場合は5mg/日より投与可能で1日最大用量は20mgです。
これまでの臨床試験でクレストール®はLDL-C低下効果、HDL-C上昇効果に優れ、心血管疾患の根源にある動脈硬化の退縮を実現することができるスタチンであることが示されています。