新規抗がん剤ZD4054の第Ⅱ相臨床試験結果 European Urologyに掲載される - 骨転移を有する内分泌療法抵抗性前立腺がん患者の生存期間を改善することを示した試験結果 -

この資料は、英国アストラゼネカ社が12月3日(英国現地時間)に配信したプレスリリースを日本語に翻訳・再編集し、皆様のご参考に供するものです。
この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。


2008年12月3日-英国(マックルズフィールド) アストラゼネカが内分泌療法抵抗性前立腺がん(HRPC)治療薬として開発中の新規化合物ZD4054が、転移を有するHRPC患者の全生存期間を改善することを示した第Ⅱ相臨床試験の結果が11月29日、European Urology(オンライン)1に掲載されました。

通常、進行前立腺がん患者は内分泌療法による治療を受けます2。内分泌療法は非常に有用ではありますが、いずれ多くの患者が内分泌療法に対して抵抗性を示すようになります2。このような状態は、内分泌療法抵抗性、男性ホルモン抵抗性、去勢(内科的または外科的)抵抗性前立腺がんとして知られています。European Urologyに掲載された、無症候性または軽度症候性のHRPC患者を対象としたEPOC(Endothelin A Proof Of Concept)試験では、ZD4054 10mg1日1回投与群の死亡リスクはプラセボ投与群に比べ45%減少しました(HR 0.55; 80% CI 0.41, 0.73)1

EPOC試験では、主要評価項目である無増悪生存期間ではZD4054投与群とプラセボ投与群の間に有意差はみられませんでしたが、副次的評価項目である全生存期間の延長が示されました1

英国バーミンガム Institute for Cancer Studies の臨床腫瘍学教授で、EPOC試験の治験調整医師のNick James氏は「現在、転移を有するHRPC患者に対して使用が認められており、生存期間を改善することが示されている治療選択肢は化学療法であるドセタキセルのみです。これらZD4054のデータは、内分泌療法に反応しなくなった深刻な前立腺がん患者にとって有望なものです」と述べました。

前立腺がんは男性のがんの中で最も多く、世界中で毎年67万人以上が前立腺がんの診断を受けています。また肺がん、大腸がんに次いで3番目に死亡者数の多いがんでもあります3,4

現在、HRPC患者におけるZD4054のさらなる可能性を評価するための第Ⅲ相臨床試験プログラムENTHUSE(ENDOTHELIN A USE)が進行中です。ENTHUSEプログラムは以下の3つの試験から構成されています。

  • 転移を有するHRPC患者を対象にZD4054の有効性を検討する試験
  • 転移のないHRPC患者を対象にZD4054の有効性を検討する試験
  • 転移を有するHRPC患者を対象にZD4054とドセタキセルの併用療法を評価する試験

第Ⅱ相臨床試験 EPOC試験の結果:
2007年9月23~27日、バルセロナにて開催された第14回欧州臨床腫瘍学会で発表されたEPOC試験(患者にはZD4054またプラセボの投与に加え、緩和療法が実施された)の結果ではプラセボ投与群に比べZD4054 10mg1日1回投与群では死亡リスクが45%減少(HR 0.55; 80%CI 0.41, 0.73)することが示されました。ZD4054 15mg1日1回投与群では死亡リスクが35%減少(HR 0.65; 80%CI 0.49, 0.86)し、全生存期間中央値はプラセボ投与群の17.3ヶ月に比べ23.5ヶ月でした1

主要評価項目である無増悪生存期間においてZD4054投与群とプラセボ投与群の間に有意差はみられませんでした。この試験において無増悪生存期間は病勢進行を示す臨床上または画像上の徴候、もしくはがん性疼痛の悪化に基づいて評価されました。転移を有するHRPC患者では、複数の骨転移病巣を有する場合が多く、その後の骨転移に関する変化についての評価が困難となります。

Nick James教授は「HRPCにおいては病勢進行の定義が確立されていないため、病勢進行を正確に評価することは困難ですが、全生存期間については明確な評価が可能です」と述べました。

ZD4054は利便性がよく概して忍容性も良好で、頭痛、浮腫、鼻閉を含む副作用プロファイルは過去のZD4054試験と相違ないものでした1。ZD4054のさらなる安全性評価はENTHUSEプログラムを通して引き続き行われます。

ZD4054のENTHUSEプログラムの情報はwww.clinicaltrials.govで閲覧可能です。

作用機序―特異的ETA受容体拮抗作用
ZD4054はETA受容体を特異的に阻害することにより抗腫瘍効果を発揮します。これにより、腫瘍細胞の増殖や生存、血管新生、ならびに骨転移形成に関わる複数のプロセスを阻害すると考えられます5。一方ETB受容体を阻害しないため、異常細胞のアポトーシスを促進するという有益な作用が期待できます5

Notes to editors

EPOC試験について

  • EPOC試験は無作為化プラセボ対照二重盲検の第Ⅱ相臨床試験です。
  • 無症候性または軽度症候性の転移を有する内分泌療法抵抗性前立腺がん(HRPC)患者312例が組入れられました。
  • 試験はオーストラリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、インドネシア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、スウェーデン、スイス、英国、米国にて実施されました。
  • 全生存期間を評価項目とした副次的評価項目は達成されたものの、主要評価項目である無増悪生存期では有意差は示されませんでした。
  • 全生存期間の結果は以下の通りです(解析対象:ITT)

表

前立腺がんについて
前立腺がんは主に50歳以上の男性にみられる疾患です6。多くの西洋諸国で男性がんの中で診断率の高い疾患であり、罹患率も増加傾向にあります。世界中で毎年67万人以上が前立腺がんの診断を受けています3。前立腺がんは、肺がん、大腸がんに次いで死亡者数の多いがんです4。米国だけでもHRPCの新規患者は毎年約6万人にのぼります7

アストラゼネカについて

  • アストラゼネカは、医療用医薬品の研究、開発、製造及び販売、並びにヘルスケアサービスの提供などのヘルスケア事業を世界的に展開している医薬品メーカーです。年間295億5,500万ドルのヘルスケア事業の売上高を有し、消化器、循環器、ニューロサイエンス、呼吸器、オンコロジー及び感染症製品の販売でリーディングポジションを確立しています。アストラゼネカは、Dow Jones Sustainability Index(Global)及びFTSE4 Good Indexに選定されています。
  • 詳細は、弊社のウェブサイトwww.astrazeneca.co.jpをご覧ください。

Reference List

  1. James ND, Caty A, Borre M, et al. Safety and efficacy of the specific endothelin-A receptor antagonist ZD4054 in patients with hormone-resistant prostate cancer and bone metastases who were pain free or mildly symptomatic: a double-blind, placebo-controlled, randomized, phase II trial. Eur Urol 2008. In press. doi:10.1016/j.eururo.2008.11.002
  2. Taplin, M.E. et al. Androgen receptor: A key molecule in the progression of prostate cancer to hormone independence. Journal of Cellular Biochemistry 91(3), 483-490 (2004)
  3. Cancer Research UK, Prostate Cancer Incidence Statistics
    http://info.cancerresearchuk.org/cancerstats/types/prostate/ (last accessed 13 November 2008)
  4. MEPS Against Cancer. Cancer Facts and Figures  (last accessed 13 November 2008)
  5. Morris, C.D. et al. Specific inhibition of the endothelin A receptor with ZD4054: clinical and pre-clinical evidence. British Journal of Cancer. 2005: 92
  6. Kirby RS et al. Prostate cancer and sexual function. Prostate Cancer and Prostatic Diseases. 1998:1:179-184
  7. DaVinci Cancer!MPact 2006