アストラゼネカの新規抗がん剤バンデタニブ(ZD6474)、 肺がん患者への有用性が示される - 3つの第Ⅲ相臨床試験結果より -

この資料は、英国アストラゼネカ社が11月19日(英国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・再編集し、皆様のご参考に供するものです。
この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。


本日、アストラゼネカは非小細胞肺がん患者を対象とした3つの第Ⅲ相臨床試験である、バンデタニブとドセタキセルの併用療法を検討したZODIAC試験、バンデタニブとペメトレキセドの併用療法を検討したZEAL試験、そしてバンデタニブ単剤療法を検討したZEST試験の結果を発表しました。

バンデタニブと化学療法を併用したZODIAC試験とZEAL試験では、化学療法の単剤療法に比べ良好な結果を示しました。バンデタニブを化学療法と併用することで、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の延長が示されました。小規模のZEAL試験では統計学的な有意差は認められなかったものの、より大規模なZODIAC試験では統計学的に有意な無増悪生存期間(PFS)の延長が認められました。

臨床上の有用性は副次的評価項目でも確認されました。両試験において、化学療法にバンデタニブを併用することで、腫瘍縮小効果の指標となる奏効率(ORR)で統計学的に有意な改善が認められました。また、統計学的な有意差はなかったものの、全生存期間(OS)においても延長傾向がみられました。

また重要な点として、化学療法にバンデタニブを併用することで化学療法の単剤療法に比べ、疾患随伴症状を良好にコントロールすることができ、良好なQOL(生活の質)を統計学的有意に、より長期間持続させることが示されました。

ZODIAC試験はバンデタニブ100mg/日とドセタキセルの併用療法をドセタキセル単剤療法と比較検討する第Ⅲ相無作為化プラセボ対照二重盲検試験です。1レジメンの抗がん剤治療歴がある進行非小細胞肺がん患者1391例が組入れられました。

ZEAL試験はバンデタニブ100mg/日とペメトレキセドの併用療法をペメトレキセド単剤療法と比較検討する第Ⅲ相無作為化プラセボ対照二重盲検試験です。1レジメンの抗がん剤治療歴がある進行非小細胞肺がん患者534例が組入れられました。

ZEST試験はバンデタニブ300mg/日とエルロチニブ150mg/日の有効性を比較検討する第Ⅲ相無作為化二重盲検試験で、無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に延長することを示すという主要評価項目は達成できませんでした。しかし、バンデタニブとエルロチニブは事前に計画されていた非劣性解析により同等の無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を示しました。試験では、治療歴のある局所進行または転移性の非小細胞肺がん患者1240例が組入れられました。

これら3つの第Ⅲ相臨床試験におけるバンデタニブの安全性プロファイルは、これまで非小細胞肺がん患者を対象に行ったバンデタニブ試験と相違のない結果でした。最も多くみられた有害事象は皮疹、下痢、高血圧でした。

アストラゼネカの開発担当エグゼクティブ・ディレクターであるJohn Pattersonは「非小細胞肺がんは真に深刻な疾患です。これらの試験から、バンデタニブが化学療法単剤よりも肺がん患者のQOLを良好に維持し、症状を管理する中で、がんがコントロールされた状態で生活できる期間を延長するといった臨床上の有用性をもたらすことが示されました」と述べました。

アストラゼネカは規制当局と協議の上、2009年上半期に承認申請を行う予定です。ZODIAC、ZEAL、ZEST試験の詳細結果は今後の国際学会にて発表される予定です。

なお現在、バンデタニブでは別の非小細胞肺がん患者に対する単剤療法での第Ⅲ相臨床試験(ZEPHYR)そして甲状腺がんを含むいくつかの別のがん種を対象とした試験が進行中です。

バンデタニブについて

バンデタニブは臨床的に証明されている以下の2つの作用により抗腫瘍効果を発揮します。

  • 「血管内皮増殖因子(VEGF)」を阻害し、腫瘍への新しい血管形成を阻害することによって、腫瘍増殖を阻止する。
  • 「上皮増殖因子受容体(EGFR)」を介して起こる腫瘍増殖を直接阻害する。

またバンデタニブは特定の甲状腺がんの成長に関わるRETチロシンキナーゼも阻害します。

バンデタニブの第Ⅲ相臨床試験について

ZODIAC試験
ZODIAC (ZACTIMA in cOmbination with Docetaxel In non-smAll cell lung Cancer)試験は、1レジメンの抗がん剤治療歴がある局所進行または転移性の非小細胞肺がん患者を対象に、バンデタニブ100mg1日1回とドセタキセルの併用療法とドセタキセル単剤療法を比較する無作為化プラセボ対照二重盲検試験です。欧州、北米、南米、アジア太平洋、日本の250施設から1391例が組入れられました。

ZEAL試験
ZEAL (ZACTIMA Efficacy with Alimta in Lung cancer)試験は、1レジメンの抗がん剤治療歴を有する局所進行または転移性の非小細胞肺がん患者を対象に、セカンドライン治療としてバンデタニブ100mgとペメトレキセドの併用療法とペメトレキセド単剤療法を比較検討する無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験です。世界23カ国、約160施設から534例が組入れられました。

ZEST試験
ZEST (ZACTIMA Efficacy Study versus Tarceva)試験は治療歴のある局所進行または転移性の非小細胞肺がん患者を対象にバンデタニブ300mgとエルロチニブ150mgの有効性を比較検討する無作為化二重盲検試験です。世界22カ国、約171施設から1240例が組入れられました。

ZEPHYR試験
ZEPHYR (ZACTIMA Efficacy trial for NSCLC Patients with HistorY of EGFR-TKI and chemo-Resistance)試験はEGFRチロシンキナーゼ阻害剤による治療後の局所進行または転移性の非小細胞肺がん患者を対象にバンデタニブ300mgに緩和療法(BSC)を加えた治療とBSCのみの治療の有効性を比較検討した無作為化並行群間二重盲検試験です。世界23カ国、約170施設で進行中です。

肺がんについて

毎年新たに肺がんと診断される患者は世界で135万人以上にのぼり、この深刻な疾患による死亡者は120万人近くに達します。これは乳がん、大腸がん、前立腺がんを合わせた死亡者数を上回っています。非小細胞肺がんは肺がんの約85%を占めます。肺がんは、他の臓器やリンパ節に転移する前の早期に発見されれば、約半数の患者は5年以上生存できます。しかし、このような早期に発見される肺がんはわずかしかなく、通常は診断された時は進行がんで、その場合の5年生存率は約15%に低下します。

アストラゼネカについて

  • アストラゼネカは、医療用医薬品の研究、開発、製造及び販売、並びにヘルスケアサービスの提供などのヘルスケア事業を世界的に展開している医薬品メーカーです。年間295億5,500万ドルのヘルスケア事業の売上高を有し、消化器、循環器、ニューロサイエンス、呼吸器、オンコロジー及び感染症製品の販売でリーディングポジションを確立しています。アストラゼネカは、Dow Jones Sustainability Index(Global)及びFTSE4 Good Indexに選定されています。
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