日本人・アジア人に有効な抗がん剤を迅速に開発するため  静岡がんセンターとアストラゼネカが基礎研究*・臨床試験**に関わる包括契約を締結


静岡県立静岡がんセンター(静岡県駿東郡長泉町:総長 山口 建、以下静岡がんセンター)とアストラゼネカ株式会社(大阪市北区:代表取締役社長 加藤 益弘、以下アストラゼネカ社)は、8月18日付で、抗がん剤の基礎研究・臨床試験に関わる非独占的包括契約を締結しました。この契約により静岡がんセンターはアストラゼネカ社と連携してがん患者の皆様に役立つ画期的な抗がん剤の早期開発に積極的に取り組みます。また、静岡がんセンターでは、同様の仕組みによって、他の製薬企業とも積極的な連携を進め、日本人・アジア人のがん克服に貢献します。

これまでの抗がん剤開発は、欧米の製薬企業が主体となって開発されてきたために、日本人・アジア人特有のがんに対する抗がん剤の開発は遅れているのが現状です。また、最近の臨床研究によれば欧米で開発された抗がん剤による治療が日本人・アジア人にも同様の効果が得られるわけではなく、同様に副作用の出現においても“人種差”があることが明らかになってきています。静岡がんセンターは、アストラゼネカ社と多種多様な抗がん剤候補薬剤について基礎研究からの検討を進め、その中で双方が有望と考えた薬剤についていち早く臨床試験を行い、投与量など日本人・アジア人に適した抗がん剤や治療法の開発を目指します。

このような基礎研究から臨床試験まで含まれる包括契約は、我が国の治験における課題とされていた“ドラッグラグ”の解決に貢献できるのではないかと考えています。具体的な取り組みとして静岡がんセンターでは治験を管理する治験管理室の充実を図るとともに、研究所、新規薬剤開発研究部において臨床サンプルを用い新薬のバイオマーカー研究などのトランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)を積極的に進めることにしています。

今後、静岡がんセンターは研究の進展とともに、海外で同様な契約を結んでいる世界トップクラスのがん専門医療機関との国際共同試験などを通して、さらなる専門家間の人的な交流を進め、日本のみならず世界のがん患者の皆様に貢献できる抗がん剤が開発を進めていきます。

静岡がんセンター 山口建 総長のコメント

我が国の抗がん剤開発には、いわゆる“ドラッグラグ”、”人種差“などの課題が山積しており、国民が効果の高い抗がん剤の恩恵を速やかに享受できるかが問われてきました。この問題の克服のために、静岡県では、富士山麓ファルマバレープロジェクトにおいて、創薬から臨床試験までを一貫して行うプラットホームを築いて来ました。今回、静岡がんセンターとアストラゼネカとの間で、抗がん剤の基礎研究*・臨床試験**に関わる包括的な契約が締結されたことは、日本における抗がん剤の研究開発並びにファルマバレープロジェクトにとって大変有意義であると考えています。これを機に、静岡がんセンターでは、抗がん剤開発に関する基礎研究及び臨床試験の体制をさらに充実させ、がん患者の皆様が有効な薬剤を適切に利用できるよう、我が国の抗がん剤開発における様々な課題に挑戦していこうと考えています。

アストラゼネカ社 加藤益弘 社長のコメント

この度、基礎研究*、臨床試験**に関する包括契約をがん治療における最先端施設である静岡がんセンターと締結できたことを大変喜ばしく思います。この契約により、特に日本やアジアにおける特殊ながん腫を対象とした抗がん剤の臨床試験を海外とほぼ同時に開始することができます。この静岡がんセンターとのコラボレーションを通じて、革新的な医薬品を世界に遅れることなく日本の臨床現場、患者さんにお届けできる日が遠からず訪れると確信しております。

*非臨床研究委託基本契約書を指す。静岡がんセンターとAstraZeneca UK Limited間で締結。
**臨床試験基本契約書を指す。静岡がんセンターとアストラゼネカ株式会社間で締結。


プロファイル

静岡県立静岡がんセンター

2002 年 9 月に開院、現在ベッド数 557 床(全床開棟時は615床を予定)のがん高度専門医療機関。陽子線治療施設や国内最大数の緩和ケア病室をもつなど、最先端の治療から心のケアまで全人的な治療を行っています。都道府県がん診療連携拠点病院、全国がん(成人病)センター協議会加盟、治験拠点病院等。 またファルマバレープロジェクト(富士山麓先端健康産業集積プロジェクト)の中核的施設として位置づけられており、2005年より企業や大学等との共同研究を開始しています。これまで40以上の企業・大学等との共同研究を行い、病院隣接の研究所内には16の「産学官・医看工連携研究室」が設置され、現在2企業・3大学から研究員が派遣され静岡がんセンターとの共同研究が行われています

アストラゼネカ

アストラゼネカは、医療用医薬品の研究、開発、製造及び販売、並びにヘルスケアサービスの提供などのヘルスケア事業を世界的に展開している医薬品メーカーです。年間295億5,500万ドルのヘルスケア事業の売上高を有し、消化器、循環器、ニューロサイエンス、呼吸器、オンコロジー及び感染症製品の販売でリーディングポジションを確立しています。アストラゼネカは、Dow Jones Sustainability Index(Global)及びFTSE4 Good Indexに選定されています。
詳細は、弊社のウェブサイトwww.astrazeneca.co.jpをご覧ください。