大規模臨床試験で冠動脈造影によりアテローム性動脈硬化の退縮効果を示した最初のスタチン -クレストール®のアテローム性動脈硬化の積極的治療を検討したASTEROID試験-

この資料は英国アストラゼネカ社が3月31日(英国時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・再編集し、報道関係の皆様のご参考に供するものです。


英国、ロンドン(2008年3月31日)-第57回米国心臓病学会(ACC)年次学術集会でアテローム性動脈硬化に対するクレストール®(ロスバスタチン)の効果を検討したASTEROID(アステロイド)試験で得られたデータをさらに定量的冠動脈造影法(QCA)で評価した新たな試験結果が発表されました。
2006年3月に発表されたASTEROID試験でクレストール®はスタチンとして世界で初めて冠動脈疾患患者の冠動脈内に形成されたアテローム性動脈硬化の退縮効果を示しました。これは血管内超音波法(IVUS)により評価したデータに基づくものでしたが、今回さらに、同試験で得られたQCAデータを解析した結果、冠動脈疾患患者を対象に24カ月間クレストール®を投与し、LDL-C値を70 mg/dL以下まで低下、HDL-C値を有意に上昇させることで、血管径の狭窄率が低下、最小血管径の改善が認められました。これにより、スタチン単剤療法としては初めて大規模臨床試験でQCAデータに基づくアテローム性動脈硬化の退縮効果が示されたことになります。

テキサス州のBaylor College of Medicine and the Methodist DeBakey Heart and Vascular Centerの循環器専門医であるChristie M. Ballantyne教授は、「QCAとIVUSという二つのイメージング法は、異なる手段で冠動脈を評価する方法で、いずれの方法でも同様の改善が示されており、クレストール®によるアテローム性動脈硬化の退縮効果が示されたと言えます」と述べています。アストラゼネカのクレストール担当のグローバル・メディカル・サイエンス・ディレクターMichael Cressmanは「これらのデータから、冠動脈疾患患者において、クレストール®40 mgによって心疾患の原因となる冠動脈アテローム性動脈硬化の退縮が達成できることが裏付けられました」と述べています。

ASTEROID(A Study To Evaluate the Effect of Rosuvastatin On Intravascular Ultrasound-Derived Coronary Atheroma Burden)試験は、冠動脈造影を受けた冠動脈疾患患者507例を対象とした、クレストール40mgの有効性を評価した試験です。ASTEROID試験ではQCA解析を副次的評価項目としました。ベースラインと2年間の試験終了時に実施した血管造影に基づき、QCAイメージング法により血管径の狭窄率(%DS)及び最小血管径(MLD)を解析しました。

ベースラインでの血管径の狭窄率が25%を超える患者292例に、2年間クレストール®40 mgを投与した結果から得られた主な知見:

  • LDL-C値は53.3%低下した。(131.5 mg/dLから平均61.1 mg/dLに低下)
  • HDL-C値は13.8%上昇した。(42.8 mg/dLから48.3 mg/dLに上昇)
  • 血管径の狭窄率は有意に低下した。(ベースラインにおける中央値35.7%から2年間の投与終了時に34.5%に低下;平均低下量1.3%、低下量中央値0.5%;p<0.001)
  • 最小血管径は有意に増加した。(ベースラインにおける中央値1.62 mmから2年目において1.67 mmに増加;平均増加量0.03 mm、増加量中央値0.02 mm;p<0.001)
  • 過半数の患者において、アテローム性動脈硬化の有意な退縮が見られた。
  • 90%以上の患者においてアテローム性動脈硬化の進展抑制又は退縮が見られた。(%DS又はMLDによる評価)
  • クレストール®40 mg の忍容性は、2年間の投与期間で良好だった。

アテローム性動脈硬化は脂質異常症に起因するもので、多くの場合無症候性で、若年成人から生涯を通じて進展を続け、心疾患を引き起こす原因となります。重要な病態でありながら、どのように発症し進展するかについてはあまり理解されていません。いくつかの冠動脈造影を用いた試験からもアテローム性動脈硬化の進展を遅らせることで、心血管イベントのリスクが低下することが示されています。

定量的冠動脈造影法(QCA)とは
冠動脈造影は造影剤を冠動脈内に選択的に注入し、X線による連続撮影によって冠動脈病変(狭窄)を描出する検査法です。定量的冠動脈造影法(QCA)とは コンピュータの自動解析プログラムを用いて、冠動脈造影における正確な最小血管径(MLD)及び各冠動脈セグメントにみられる狭窄の程度(血管の狭窄率)を評価する方法です。

GALAXYプログラム
GALAXYプログラムはスタチン研究における未解明の重要な問題に取り組むために計画された世界的な研究です。GALAXYプログラムにはこれまでに世界55カ国から64,000例を超える患者さんがエントリーしています。すでに実施されたMETEOR(メテオ)試験とASTEROID試験の結果から、クレストール®40 mgによる積極的な治療により、効果的な脂質の管理が可能で、あらゆる段階のアテローム性動脈硬化で良好な効果が得られることが実証されています。
METEOR試験とは冠動脈疾患(CHD)発症リスクが低く、B-モード超音波法により頸動脈の軽度な肥厚が認められる人を対象とした試験です。この試験においてクレストール®は、低リスク症例のアテローム性動脈硬化の進展抑制を世界で初めて示しました。

クレストール®について
クレストール®の日本における適応症は、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症です。日本での通常開始用量は2.5mg/日ですが、早期にLDL-コレステロール値を低下させる必要がある場合は5mg/日より投与可能で1日最大用量は20mgです。日本では40mgは承認用量ではありません。
クレストール®は世界90カ国以上で承認され、1200万人以上の患者に服用されています。また、臨床試験データと市販後のデータからクレストール®の安全性プロファイルは他のスタチンと同様であることが示されています。
米国では、昨年11月に高コレステロール血症の患者さんが食事療法に加えてクレストール®を服用することで、アテローム性動脈硬化の進展が抑制されるという新たな適応が承認されました。また、欧州の添付文書にもMETEOR試験のデータが盛り込まれています。

本件に関するお問い合わせ
アストラゼネカ株式会社 広報部
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塩野義製薬株式会社 広報室
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