この資料は、英国アストラゼネカ社が12月14日(米国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・再編集し、皆様のご参考に供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。
タモキシフェンを上回るアリミデックス®(アナストロゾール)のベネフィット
乳がん再発抑制効果が経時的に増加-治療終了4年後にも
「早期乳がんの治療を受けた患者にとって最も恐ろしいのは再発の知らせであり、再発は乳がんの治癒が難しいことを意味しています。新発表データは、アナストロゾールであれば治療終了後もなお、再発のない生活を送るための最善の可能性を見出せることを示しました」
英国サセックス大学Cancer Research UK Psychosocial Oncology Group主任Lesley Fallowfield教授
2007年12月14日金曜日、米国サンアントニオ:
閉経後早期乳がん患者を対象とした世界最大級の長期間追跡試験ATAC*の最新データより、アナストロゾールが再発までの期間を延長できることが確認されました。今回初めて、アナストロゾールはアロマターゼ阻害剤の中で唯一、タモキシフェンに比べて経時的に再発の抑制効果を期待できる薬剤であることが示されました1,2。再発患者の死亡率は非常に高く、乳がんの再発抑制は生命を救う鍵です。
米国で開催された第30回サンアントニオ乳がんシンポジウム(San Antonio Breast Cancer Symposium:SABCS)とLancet Oncology で本日、アナストロゾールの投与を受けたホルモン感受性早期乳がん患者では、5年間の術後療法終了より4年後であっても、再発抑制の効果が経時的に増加するとの試験結果が発表されました。具体的には、ATAC試験でアナストロゾールの投与を受けた患者では、タモキシフェン投与患者に比べ再発が24%抑制されました1,2。これは、診断時の治療選択の影響は長期的に及ぶことを示しており、より多くの患者がこの深刻な疾病を乗り越えるにはアナストロゾールで治療を開始することの重要性を確認するものです。
現在、乳がんに罹患する女性は世界で年間110万人にのぼり3、閉経後乳がんのうち約75%がホルモン感受性早期乳がんです4。
SABCSでデータを発表したオーストラリアNewcastle Mater Misericordiae HospitalのJohn Forbes教授は次のように述べています。「乳がん治療における再発抑制は最も重要なゴールです。再発を抑制することができれば、より多くの命を救えるのです。今回の興味深い長期追跡試験結果は、閉経後ホルモン感受性早期乳がん患者にとって、アナストロゾールがタモキシフェンよりも有益な治療選択肢であることを示しています。ですから、このような患者に診断後できるだけ早い段階で最も有効な治療を提供することは急務なのです」
「ATAC試験以前は、タモキシフェンがホルモン感受性乳がんの標準治療薬として、多くのエビデンスに裏付けされ重要な役割を担っていました。しかし、ATAC試験で得られた新たな100ヵ月間データにより、タモキシフェンに比べてアナストロゾールは再発リスクを有意に低下させ、また生命を脅かす副作用を最小限に抑えることが確認されました。アナストロゾールの再発抑制効果が標準治療期間である5年を超えても経時的に続くという当試験結果は、患者にとって吉報といえるでしょう。私の考えでは、もはやタモキシフェンを処方する理由はありません」とForbes教授は続けています。
最近の世界規模調査によると、医師の70%以上が患者に早期乳がんであることを告知するより、乳がんが再発したことを告げるほうが辛いと話しています6。同側乳房や対側乳房での再発または遠隔再発は、がんの治癒は難しいことを意味しており、患者は予後不良を覚悟しなければなりません。そのため患者並びに医師**は、再発抑制のために、タモキシフェンよりも効果のある治療が存在することを知っておく必要があるのです。
QOL(クオリティー・オブ・ライフ)に対する治療の影響も早期乳がんにとっては重要な関心事です。アナストロゾールのデータは患者のQOLに悪影響を及ぼすことなく臨床的なベネフィットをもたらすと示しています5。
「ATAC試験の100ヵ月間データにより、今やアナストロゾールは閉経後ホルモン感受性早期乳がんの標準治療薬であり、再発リスクのいかんを問わず、世界的に患者の予後を改善させることが確認されました」と、英国Christie HospitalのAnthony Howell教授は述べました。
Notes to Editors:
試験結果はLancet Oncology1月号、12月15日よりLancet Oncology Webサイトに掲載
*ATAC: Arimidex, Tamoxifen, Alone or in Combination
**医師:腫瘍学医、婦人科医、乳がん外科医
患者:過去5年間で閉経後早期乳がんと診断され手術を受けたことのある女性
アストラゼネカについて:
アストラゼネカは、医療用医薬品の研究、開発、製造及び販売、並びにヘルスケアサービスの提供などのヘルスケア事業を世界的に展開している医薬品メーカーです。年間264億7,500万ドルのヘルスケア事業の売上高を有し、消化器、循環器、ニューロサイエンス、呼吸器、オンコロジー及び感染症製品の販売でリーディングポジションを確立しています。アストラゼネカは、Dow Jones Sustainability Index(Global)及びFTSE4 Good Indexに選定されています。
アリミデックス®はアストラゼネカグループの登録商標です。
References:
- Forbes J, on behalf on the ATAC Trialist’s Group. ATAC: 100 month median follow-up shows continued superior efficacy and no excess fracture risk for anastrozole compared with tamoxifen after treatment completion. Abstract no 41. San Antonio Breast Cancer Symposium 2007
- Forbes J, on behalf on the ATAC Trialist’s Group. ATAC: 100 month median follow-up shows continued superior efficacy and no excess fracture risk for anastrozole compared with tamoxifen after treatment completion. Abstract no 41. San Antonio Breast Cancer Symposium 2007.
- Parkin, D.M., E. Laara, and C.S. Muir, Estimates of the worldwide frequency of sixteen major cancers in 1980. Int J Cancer, 1988. 41(2): p. 184-97.
- Breastcancer.org. What role to hormones play in breast cancer treatment. Available from http://www.breastcancer.org/treatment/hormonal/what_is_it/hormone_role.jsp. (Last accessed October 2007)
- Cella et al, Quality of life of postmenopausal women in the ATAC (‘Arimidex’, Tamoxifen, Alone or in Combination) trial after completion of 5 years’ Adjuvant Treatment for early breast cancer. Breast Cancer Research and Treatment, 2006. 100(3): p. 273-284.
- Data on file, ‘More Positive Conversations’ global survey, conducted by Harris Interactive (US) March-May 2007.