口には出さずとも「気にかけてほしい」前立腺がん患者さん

~QOL向上には患者さん、担当医、ご家族の連携が重要~
 


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アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、社長:加藤益弘)は、前立腺がん患者さんがどのように治療と向き合っているか実態調査を行いました。調査結果は、ウェブサイト『がんになっても』(http://www.az-oncology.jp/)からご覧いただけます。








調査概要


目的:             前立腺がん患者さんの治療に対する考えや要望、想いを理解する
調査時期:    2006年12月~2007年2月
調査方法:    郵送調査
調査対象:    前立腺がん患者さん
協力施設数:93施設
回収数:         558人

 


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<主な調査結果>
調査は郵送で全国の治療を受けている前立腺がん患者さんを対象に06年12月~07年1月実施(有効回答数558人)。

  • 回答者の80%は60~80歳代で定年退職されている
  • 1回あたりの診療時間は5分以内が最も多く(約40%)、次いで6~10分が約35%をしめる
  • 約70%の回答者が病気や将来について医師とより詳しく話したいと考えている
  • 約70%の回答者は自分に適する治療法や治療薬が複数ある場合、すべての選択肢について知りたいと考えている
  • 約80%の回答者はできるだけ家族に心配をかけたくないと考えているが、同じく約80%の方が自分の病状について家族にも知っていてもらいたいと考えている

上記調査結果を受けて、前立腺がんに詳しい群馬大学名誉教授の山中英壽先生は次のようにコメントしています。
「診察は5分~10分で終わっているようだが、患者さんは将来のことなどについてじっくり話をされたいようだ。我々医師もそうしたいと思ってはいるものの、限られた時間の中で多くの患者さんに対応しなければならない。医師と患者さんの双方が『お互いの時間をもらっている』と尊重し合えば有意義な診察時間を過ごすことができるのではないだろうか」
「患者さん、担当医、そしてご家族にはそれぞれ役割がある。患者さんは自分の病気について勉強し、質問したいことがあれば担当医と話す前に簡潔にまとめておく。担当医は、レストランのメニューのように治療法の全てを提示するのではなく、患者さんにとって最適な治療を患者さんが理解できるように説明する。またご家族は、前立腺がんの患者さんにとって、食事や運動など生活習慣も大切であるため、できる限り患者さんと一緒に来院して担当医の話を聞いてほしい」
「『心配はかけたくないが、自分のことを気にかけていてほしい』という男性心理を鑑みると、自分からご家族にサポートをお願いするのは難しいだろうから、ご家族から声を掛けてあげれば患者さんも『自分のことを考えてくれているのだなぁ』と感じ、安心して治療を受ける事ができるのではないか」

アストラゼネカは、がんと向き合い、不安を抱え悩む患者さんやそのご家族と医療者の方々に、がんと共に生きる時代への提案を行っていきます。また、優れた治療薬、新薬、情報の提供を通じ、がん患者さんとそのご家族の‘希望とあたりまえの生活’の実現を目指し、がん医療に貢献します。

◇前立腺がんとは
前立腺がんは、男性のみにある器官「前立腺」にできるがんです。日本では前立腺がんの死亡者数が年々増えており、1950年の死亡率と比較すると2000年には約17倍に増加しています。その背景には社会や生活環境の欧米化があり、食生活の欧米化から脂肪摂取量が増える昨今、死亡率がさらに上昇すると懸念されています。加えて、患者さんの約90%が60歳以上と高齢者に多い病気であるため、高齢社会になればなるほど患者数が増えることになります。
日本における前立腺がんの罹患率と死亡率の今後の推移を見ると、2000年に比べて2020年には発症率が3.4倍となり、男性のがんでは肺がんに次いで2番目になると予測されています。また、死亡率は2.8倍になると予測されています。

◇症状
前立腺がんは生長、増殖するまでに数十年かかるとされています。しかし、排尿障害や頻尿あるいは腰痛といった自覚症状が出るころにはほとんどの場合症状が進行しており、治療法の選択に制限が出てきます。

◇治療法
手術(前立腺全摘除術)、放射線治療、化学療法、内分泌療法と幅広い治療法があります。しかし、がんの病期がどの段階にあるかで選択できる治療法やその組み合わせが決まるため、治療法を選ぶ前に、患者さんは自身の病期を正しく把握していることが重要となります。
 


◆山中英壽(やまなか ひでとし)先生について
専門:前立腺がんの予防、診断、治療
NPO 群馬前立腺がん患者さんを支援する組織 理事長
群馬大学名誉教授
日本泌尿器科学会名誉会員
米国泌尿器科学会国際会員

1964年  群馬大学医学部卒業
1969年  群馬大学大学院医学系研究科修了。医学博士
1975年  群馬大学医学部泌尿器科講師
1982年  同助教授
1984年  同教授
2003年  群馬大学大学院医学系研究科泌尿器病態学教授兼任
2004年  群馬大学名誉教授
2005年  NPO群馬前立腺がん患者さんを支援する組織  理事長

表彰:朝日がん大賞
前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAを用いて「前立腺がん集団検診システムの開発と普及」に貢献したことによる。