初期の動脈硬化に対して効果を認めた最初の試験

この資料は、英国アストラゼネカ社が3月25日(米国中部標準時間)に発表しましたプレスリリースを日本語に翻訳再編集し、3月27日、皆様のご参考に供するものです。
この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。


注)クレストールの日本における適応症は、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症です。また、日本での通常開始用量は2.5mg/日ですが、早期にLDL-コレステロール値を低下させる必要がある場合は5mg/日より投与可能です。日本における1日最大用量は20mgであり、40mgは承認用量ではありません。

METEOR試験により、冠動脈疾患発症リスクが低い人(フラミンガムの10年リスクが10%未満)において、クレストール®(CRESTOR)のアテローム性動脈硬化進展抑制効果が示されました。
 


英国・ロンドン(2007年3月25日):METEORは、頸動脈疾患の早期徴候である頸動脈肥厚があり、冠動脈疾患(CHD)発症リスクが低い人においてアテローム性動脈硬化に対する効果を示した最初の試験です。METEOR試験では、クレストール®(一般名:ロスバスタチン)40 mgが2年間投与された群は、プラセボ投与群と比較してアテローム性動脈硬化の進展が有意に抑制されました。また、投与前値との比較では、プラセボ投与群ではアテローム性動脈硬化の有意な進展が認められましたが、クレストール®投与群では有意な進展は認められませんでした。

第56回米国心臓病学会(ACC)年次学術集会で発表されたデータによると、LDLコレステロール(LDL-C)という悪玉コレステロールの値が中等度に高く(平均154 mg/dL)、アテローム性動脈硬化性疾患の発症は確認されていない患者にクレストール®40 mgを投与したところ、アテローム性動脈硬化のマーカー1である頸動脈内膜中膜肥厚の最大値平均が0.0014mm/年減少し、それに対してプラセボ投与群では0.0131mm/年の進展が認められました(p<0.0001)。クレストール®40mgの忍容性は良好でした。

今回、動脈硬化の初期で、CHD発症リスクが低い患者を対象としたMETEOR試験が終了したことにより、冠動脈疾患を有しCHD発症リスクが高い患者を対象としたASTEROID試験と合わせて、アテローム性動脈硬化の初期病変から高度病変までクレストール®の効果が認められたことになります。

主任試験責任医師であり、Medicine and Public Health Sciences(医学及び公衆保健科学)教授ならびにWake Forest University School of Medicine General Clinical Research Centre(ウェイク・フォレスト大学医学部一般臨床研究センター)副所長であるJohn R. Crouse, III(ジョン R. クロース3世)医学博士は次のように述べています。「アテローム性動脈硬化が比較的軽度な患者において、ロスバスタチンを投与することによって疾患の進展を遅延させるあるいは抑制する可能性が示されました。METEOR試験により、脂質異常症に対するロスバスタチンの効果がアテローム性動脈硬化に対して有益な効果をもたらすことが確認されました。」

アテローム性動脈硬化は、動脈壁に脂肪または線維性の沈着物が蓄積してプラークと呼ばれる領域を形成して生じます。プラークの蓄積は動脈を狭窄させ、これにより心臓や脳などの生命維持に不可欠な器官への血液の供給が減少し、その結果、狭心症や一過性脳虚血性発作が生じます。また、プラークが破綻して血栓が形成され、血流が突然、完全に遮断されることがあります。これにより心臓では心筋梗塞が起こり、脳では脳卒中が起こります。アテローム性動脈硬化は、世界の死因の第1位である心血管疾患の主因となる進展性疾患です2

最近発表されたASTEROID試験を含む4つの前向き臨床試験の蓄積データの解析結果では、大幅なLDL-Cの低下とHDLコレステロール(HDL-C、善玉コレステロール)の7.5%以上の上昇によりアテローム性動脈硬化に対する好ましい効果が得られました3 。METEOR試験では、クレストール®によりLDL-Cの48.8%低下とHDL-Cの8.0%上昇が認められました(いずれもプラセボと比較してp<0.0001)。これらの結果は上記の知見と一致しており、クレストール®によるLDL-Cの低下とHDL-Cの上昇がアテローム性動脈硬化に対する有益な効果につながることをさらに確認するものです。

METEOR(Measuring Effects on intima media Thickness: an Evaluation Of Rosuvastatin)試験は、冠動脈疾患発症リスクが低く(フラミンガムの10年リスクが10%未満)、頸動脈壁肥厚で判定した無症状のアテローム性動脈硬化(頸動脈内膜中膜肥厚(IMT)最大値平均が1.2 mm以上3.5 mm未満)を伴う高コレステロール血症患者984名を対象として、クレストール®40 mgの効果を検討した24ヵ月間の無作為二重盲検プラセボ対照試験でした。本試験では、頸動脈エコーを用いて、12ヵ所の最大IMT値平均の変化を評価、測定しました。また、本試験ではプラセボ投与群を設けるためにスタチン療法の適応とならない低リスク患者を評価の対象としました。

現在、クレストール®の適応は脂質異常症の治療です。(日本での適応症は高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症です)METEOR試験の結果は、ASTEROID試験及びORION試験のデータと併せて、2007年1月に欧州連合及び米国の当局にアテローム性動脈硬化に対する適応の承認申請をした際の根拠データとなっています。これらの承認申請により、脂質低下療法が適応となる患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療に対するクレストール®の使用拡大を目指しています。

METEOR試験によるこれらの新しい成績は、これまでに得られた広範なGALAXYプログラム4のクレストール®の豊富な有効性データに加えられます。GALAXYプログラムはスタチン研究における未解明の重要な問題に取り組むために、また、心血管系リスクの低減と患者の予後改善にクレストール®が与える影響を検討するためにデザインされたものです。現在、本プログラムには世界55カ国から63,000例を超える症例が登録されています。

クレストール®は、5大陸90カ国以上で承認されており、これまでに世界で900万人以上の患者に処方されています。臨床試験5および市販後調査6,7, のデータから、クレストール®の安全性プロファイルは他の市販されているスタチンと同様であることが示されています。

40 mgがクレストール®の承認最高用量です。(日本における承認最大用量は20mgです)クレストール®は、添付文書に従って処方される薬剤であり、添付文書には、個々の患者背景に応じて推奨される開始用量および増量について記載されています。

Notes to Editors
*ASTEROID(A Study To Evaluate the Effect of Rosuvastatin On Intravascular Ultrasound-Derived Coronary Atheroma Burden)試験は、冠動脈造影を受け、冠動脈疾患(CAD)の所見がある患者507例を対象に、クレストール®40 mgの効果を検討した104週間オープンラベルのエンドポイント盲検化試験です。

ASTEROID試験の主な知見8

  • クレストール®により標的冠動脈全体でアテローム体積率が0.79%(中央値)減少した(p<0.001)-主要評価項目
  • クレストール®により標的冠動脈で最も病変が顕著な長さ10 mmセグメントのアテロームの総体積が9.1%(中央値)減少した(p<0.001)-副次的評価項目
  • クレストール®により標的冠動脈全体でのアテロームの総体積が6.8%(中央値)減少した(p<0.001)-副次的評価項目
  • 以上の変化は、LDL-C値の53%の低下(p<0.001)およびHDL-C値の15%の上昇(p<0.001)を伴った。

**ORION(Outcome of Rosuvastatin Treatment on Carotid Artery Atheroma: a Magnetic Resonance Imaging ObservatioN)試験は、クレストール®が頸動脈壁のプラーク組成の変化に及ぼす効果を最新の高分解能MRIを用いて検討した最初の試験でした。中等度の高コレステロール血症があり、頸動脈のアテローム性動脈硬化が確認された43例に、低用量(5 mg)または高用量(40/80 mg)のクレストール®を2年間投与しました。

References

  1. Bots ML. Carotid intima-media thickness as a surrogate marker for cardiovascular disease in intervention studies. Curr Med Res Opin. 2006 22:2181-90.
  2. Bonow, R, Smaha, L, Smith, S et al. The International Burden of Cardiovascular Disease: Responding to the Emerging Global Epidemic. Circulation 2002;106:1602.
  3. Nicholls SJ, Tuzcu EM, Sipahi I et al. Statins, high-density lipoprotein cholesterol, and regression of coronary atherosclerosis JAMA 2007 297:499-508.
  4. Schuster H. The GALAXY Program: an update on studies investigating efficacy and tolerability of rosuvastatin for reducing cardiovascular risk. Expert Rev Cardiovasc Ther. 2007 5:177-93.
  5. Shepherd J, Hunninghake DB, Stein EA et al. Safety of rosuvastatin. Am J Cardiol. 2004 94:882-8.
  6. McAfee AT, Ming EE, Seeger JD et al. The comparative safety of rosuvastatin: a retrospective matched cohort study in over 48,000 initiators of statin therapy. Pharmacoepidemiol Drug Saf. 2006 15:444-53.
  7. Goettsch WG, Heintjes EM, Kastelein JJ et al. Results from a rosuvastatin historical cohort study in more than 45,000 Dutch statin users, a PHARMO study. Pharmacoepidemiol Drug Saf. 2006 15:435-43.
  8. Nissen SE, Nicholls SJ, Sipahi I et al. Effect of very high-intensity statin therapy on regression of coronary atherosclerosis: the ASTEROID trial. JAMA 2006 295:1556-65.

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