長期安全性のデータから、アリミデックス™(アナストロゾール)は 早期乳がんでタモキシフェンよりも有益であることが確認

この資料は、英国アストラゼネカ社が12月16日(英国現地時間)に発表しましたプレスリリースを日本語に翻訳再編集し、皆様のご参考に供するものです。
この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。


‘アリミデックス’の優れた安全性と忍容性が新しい併用療法と乳がん予防の道を開く
 


2006年12月16日土曜日、米国テキサス州サンアントニオ:第29回サンアントニオ乳がんシンポジウム(San Antonio Breast Cancer Symposium:SABCS)で、 ‘アリミデックス’がタモキシフェンに比べ子宮内膜異常や静脈血栓症等の重大な安全性並びに忍容性イベント発現に関し良好な結果を示したことが、術後5年間治療したデータとして初めて発表されました1,2

閉経後ホルモン感受性早期乳がんに対する‘アリミデックス’の効果はタモキシフェンよりも有意に高く、また、タモキシフェンよりも再発する患者が4例に1例の割合で減少することが既に発表されています3。また最新のデータから、‘アリミデックス’では生命を脅かす副作用がタモキシフェンよりも少なく1,2、疾患の苦しみを軽くする可能性も確認されています。

子宮内膜異常の減少
ATAC(Arimidex, Tamoxifen, Alone or in Combination;‘アリミデックス’とタモキシフェンの単剤又は併用療法)試験の6年時点のサブ解析結果が今週発表され、‘アリミデックス’投与による子宮内膜異常の発症リスクをタモキシフェン投与に比べ1/3減少させることが示されました(‘アリミデックス’27%、タモキシフェン44%、p=0.17)2。このデータは、アリミデックスが子宮内膜への刺激作用は示さないことを示唆し2、タモキシフェンによる高頻度の性器出血やアリミデックスに比べて4倍高い子宮摘出を認めたATAC初期試験結果の所見を裏付けるものです3,4

静脈血栓塞栓症の減少
SABCSで初めて発表されたATAC試験の追加解析(追跡期間68カ月間)の結果によると、‘アリミデックス’で5年間治療した女性は、深部静脈血栓症や肺塞栓症などの静脈血栓塞栓症(VTE)の発症リスクがタモキシフェン治療患者より39%低くなることが示されました(p<0.0001)2
また、タモキシフェンによる静脈血栓症発症リスクは治療開始後早期より見られ、5年の治療期間中は継続して高いことがわかりました。この所見からも、術後療法をタモキシフェンの替わりに‘アリミデックス’で開始し継続投与することの妥当性が明らかになりました。

安全性プロファイル-長期的影響
ATAC試験の長期追跡データは、早期乳がんに対する‘アリミデックス’のリスク・ベネフィット比がタモキシフェンよりも優れていることを示しています。オンコロジー(腫瘍学)の分野で‘アリミデックス’の有効性と安全性プロファイルへの確信が高まるにつれ、他の治療法との併用あるいは予防としての‘アリミデックス’の可能性が探究されています。

TAnDEM(TrAstuzumab in Dual HER2 ER-positive Metastatic breast cancer)試験が本日、米国で初めて発表され、‘アリミデックス’とハーセプチン(トラスツズマブ)の併用療法は内分泌療法単独使用に比べて、ホルモン感受性HER-2陽性腫瘍を制御する期間が有意に長くなることが示されました(無増悪生存期間:併用療法4.8カ月、内分泌療法単独2.4カ月)5。HER-2陽性で、かつホルモン感受性の腫瘍は乳がん全体の25%にすぎませんが、この種の癌は特に悪性度が高く、一般に内分泌単独療法での奏効率は芳しくありません。進行乳がん治療の過去の傾向から、‘アリミデックス’とハーセプチンの併用療法がホルモン感受性・HER-2受容体双方が陽性である場合の早期治療方法に影響を与えると予想されます。

全体的な治療法の変遷に伴い、‘アリミデックス’の安全性プロファイルはホルモン感受性乳がんの発症リスクが高い健康な女性の予防オプションに影響を与える可能性もあります。この可能性に関して、本日、被験者群のコレステロール値、または認知機能に関して、‘アリミデックス’に特化した安全性の問題がないことを示したIBIS II(International Breast Intervention Study)試験安全性データが初めて発表されています6,7

「閉経後乳がんに対する補助ホルモン療法として長らくタモキシフェンの5年投与が標準療法として世界で広く実施されてきました。しかし、近年、選択的アロマターゼ阻害剤であるアナストロゾール5年とタモキシフェン5年を比較した大規模臨床試験(ATAC trial)の結果、アナストロゾールはタモキシフェンに比して再発をさらに17%減少させることが明らかになり、現在では、閉経後乳がんに対する標準的補助ホルモン療法はタモキシフェンではなくアナストロゾール5年であると考えられています」。
「アナストロゾールは効果だけではなく、副作用のプロファイルもタモキシフェンより優れています。アナストロゾール5年投与はタモキシフェン5年投与に比して、重篤な副作用である子宮内膜がんや静脈血栓塞栓症の発生頻度が明らかに低いという利点を有していますし、虚血性心疾患に関してもその有意な増加は認められませんでした。また、アナストロゾールの副作用として見られる骨折リスクはタモキシフェン5年投与に比してアナストロゾール5年投与で有意に増加するものの、タモキシフェンによる骨折予防効果を考慮するとアナストロゾールによる骨折頻度の増加は過大評価されている面もあります。実際、アナストロゾール投与前に骨塩量(BMD)を測定して正常であった患者はアナストロゾールの5年投与後も誰一人骨粗しょう症を発症しなかったと報告されています8。さらに、骨吸収を抑制するビスフォスフォネートを予防的に投与すると骨塩量の減少を予防できるとの報告9もあり、アナストロゾールの骨に対する副作用はコントロール可能であると考えられます。また、我々の最近の研究では、日本人は白人ほどアナストロゾールによって骨塩量が減少しないという結果を得ています10。従って、アナストロゾールは日本人の骨折リスクを、白人ほどは増加させないかもしれません。いずれにしろ、閉経後女性の内分泌環境は白人と日本人でかなり異なることが知られており、今後、アナストロゾールの長期投与の副作用については日本人のデータを蓄積することが重要であると思われます」と、大阪大学大学院医学系研究化乳腺内分泌外科学の野口眞三郎教授はコメントしています。

References

  1. S Duffy et al. Anastrozole is associated with a lower risk of endometrial abnormalities than tamoxifen: first report of the ATAC trial endometrial sub-protocol at 6 years’ follow-up. Abstract 4055. San Antonia Breast Cancer Symposium 2006.
  2. J Cuzick et al. A detailed analysis of the benefits of anastrozole over tamoxifen for venous thromboembolic events (VTEs) after 5 years’ treatment. Abstract 104. San Antonia Breast Cancer Symposium 2006.
  3. ATAC Trialists’ Group. Results of the ATAC (Arimidex, Tamoxifen, Alone or in Combination) trial after completion of 5 years' adjuvant treatment for breast cancer. Lancet. 2005; 365 (9453):60-62.
  4. Duffy S on behalf of the ATAC Trialists’ Group. Gynaecological adverse events including hysterectomy occur less frequently with anastrozole than with tamoxifen: data from the ATAC (‘Arimidex’, Tamoxifen, Alone or in Combination) trial. Proc ASCO 2005.
  5. JR Mackey et al. Trastuzumab prolongs progression-free survival in hormone-dependent and HER2-positive metastatic breast cancer (MBC). Abstract 3. San Antonia Breast Cancer Symposium 2006.
  6. V Jenkins et al. Preliminary results from the IBIS II (prevention) cognitive sub-protocol. Abstract 5076. San Antonia Breast Cancer Symposium 2006.
  7. 7.S Singh et al. Effect of anastrozole on cholesterol fractions in postmenopausal women with high risk of breast cancer: Results from IBIS-II Breast Cancer Prevention Study. Abstract 1055. San Antonia Breast Cancer Symposium 2006.
  8. Coleman R. Proceedings of the American Society of Oncology (ASCO), 2006. Abs 511.
  9. Brufsky A, Harker W, Beck J, et al. Zoledronic acid (ZA) effectively inhibits cancer treatment-induced bone loss (CTIBL) in postmenopausal women (PMW) with early breast cancer (BCa) receiving adjuvant letrozole (Let): 12 mos BMD results of the Z-FAST trial. Paper presented at the 41st Annual Meeting of the American Society of Clinical Oncology; May 13-17, 2005; Orlando, Fla. Abstract 533
  10. 020-310560 Yoneda,K.:Annals of Oncology,17(7),1175-1176(2006)

Notes to Editors
IBIS II について

International Breast Cancer Intervention Study II(IBIS II:国際乳がん評価)試験は無作為化盲検プラセボ対照試験であり、乳がんリスクの高い25カ国の女性を対象にアリミデックスを評価するために計画されました。

本試験は2部から構成されます。

  • 本試験の第1部である「IBIS II予防」の評価には、乳がんの発症リスクの高い閉経後女性6,000例を募集する予定です。リスクを高めるいくつかの因子を被験者の選択基準とし、年齢群ごとにこれらの因子を設定します。現在ホルモン補充療法を受けていない40~70歳の女性がこの予防試験に参加することができます。
  • IBIS IIの第2部(DCIS)には、特にDCIS(非浸潤性乳管がん)と呼ばれる増殖も転移もない早期型の乳がんと診断され、切除術を受けた女性4,000例を募集する予定です。こうした女性は進行型の乳がんに進展するリスクが高いうえ、対側乳房の腫瘍を発症する可能性も高くなります。この第2部の目的は、アナストロゾールとタモキシフェンのいずれがDCIS乳房及び対側乳房の発癌を有効に予防するかを明らかにすることです。

アストラゼネカは、医療用医薬品の研究、開発、製造、販売、並びにヘルスケアサービスの提供などのヘルスケア事業を世界的に展開している医薬品メーカーです。年間239億5000万ドルのヘルスケア事業の売上高を有し、消化器、循環器、ニューロサイエンス、呼吸器、オンコロジー、および感染症領域の製品の売上でリーディングポジションを確立しています。アストラゼネカは、Dow Jones Sustainability Index (Global)およびFTSE4Good Indexに選定されています。

「アリミデックス®」は登録商標であり、アストラゼネカグループ各社がその所有権を有しています。