ハーセプチンとアリミデックス®併用で進行HER2陽性乳がん患者で予後の改善

この資料は、英国アストラゼネカ社が10月2日(英国現地時間)に発表しましたプレスリリースを日本語に翻訳再編集し、皆様のご参考に供するものです。
この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。
 

2006年10月2日月曜日、英国マックルズフィールド:本日初めて公開された新しいデータは、一部の進行乳がん患者において、アリミデックス®(一般名:アナストロゾール)とハーセプチン(一般名:トラスツヅマブ)の併用がホルモン療法よりも効果の高い治療選択肢であると示しました1。新しいデータは、ホルモン感受性、HER2陽性*の腫瘍がある閉経後乳がん患者群では‘アリミデックス’にハーセプチンを併用すると、ホルモン療法単独よりも有意な無増悪生存期間の延長がみられました(中間無増悪生存期間:併用4.8月対ホルモン療法単独2.4月)。この新しいデータはトルコのイスタンブールで開催された第31回欧州癌治療学会議(以下ESMO:European Society for Medical Oncology Congress)で発表されたものです。

閉経後乳がん患者の約2/3はホルモン感受性があり、そのため‘アリミデックス’による治療の適応となります。しかし、これらの患者のうち約1/4はHER2陽性で、このため、再発の可能性が一層高い悪性度の高いがんを保有していることになります。したがって、双方が陽性のこれら特殊な患者にとって、効果の高い2つの抗がん剤を併用する方法は新しい治療選択肢の追加となります。

本日ESMOで発表されたデータにより、乳がん治療における‘アリミデックス’の可能性が強調されました。‘アリミデックス’はタモキシフェンに対して、効果及び忍容性に優位性を示した最初の治療薬であり、乳がんの治療選択に大きな変化をもたらしました。今回、‘アリミデックス’はハーセプチンとの併用においても進行乳癌に対する治療におけるベネフィットを初めて示しました。

早期乳がんにおけるアリミデックス
ESMOで本日初めて発表された追加データにより2,3、術後ホルモン療法を‘アリミデックス’で始めるベネフィットが確認されました。ホルモン感受性閉経後早期乳がん患者では、治療をタモキシフェンではなく‘アリミデックス’で始めた場合、がんの再発を26%抑えることが確認されました。ATAC試験**の68カ月という長期間にわたる追跡データの分析において、タモキシフェンでみられた再発のほとんどは治療開始から最初の2年に起きていることが示され、‘アリミデックス’による治療を早期から開始する重要性が明らかになりました2

ATAC試験グループを代表して本日データを発表したJoan Houghtonは「術後補助療法の第一目的は再発の予防です。一度再発するとその後の治療は非常に困難になってしますからです。」と説明しました。「ATAC試験では、最初の2年半半数以上のがん再発がみられました。早期乳がんにおけるタモキシフェン治療の意義はある特定の患者群には有効であると思われますが、今回のデータは最初から‘アリミデックス’で治療を開始することが再発予防に対する最良の防衛策であることを示しました」。

さらに、‘アリミデックス’投与でも副作用があるもののタモキシフェンよりも少なく、症状によっては、軽度ですむため、より多くの患者さんが5年間の治療を完了することができます3。タモキシフェンの問題の一つとして、まれではあるもののタモキシフェン投与が生命を脅かす副作用と関係していることはすでに知られていますが、これらのほとんどは治療開始後数年で発生しています。
 

  • ‘アリミデックス’で治療を受けた患者は、5年の治療期間を通して脳卒中・深部静脈血栓症(DVT、deep vein thrombosis)、あるいは婦人科系の副作用がタモキシフェン治療より少ない
  •  ‘アリミデックス’で治療を受けた患者は、婦人科系の副作用のために施される子宮摘出が約1/4に軽減される

タモキシフェンに比べ、‘アリミデックス’で有意に多くみられる副作用は骨折と関節痛です。タモキシフェンによる生命が脅かされる副作用と‘アリミデックス’による骨折を考慮すると、アリミデックスの副作用は予測可能かつ管理可能なものであり、術後補助療法のリスク/ベネフィットの観点‘アリミデックス’優位となります。

Dr Aman Buzar(MD Anderson Cancer Centre in Texas, ATAC trial 治験責任医師)は、「タモキシフェンで治療をはじめる事は、回避可能ながんの再発や重大な副作用といった危険に患者を対峙させることになります。タモキシフェンの改良に非常に多くの時間を費やしましたが、‘アリミデックス’の長期間フォローアップデータから、乳がん患者の再発を予防する上で一層効果的かつより忍容性の高い治療薬ができたと認識しています」と結んでいます。

 

References

  1. Kaufman, B. Trastuzumab plus anastrozole prolongs progression-free survival in postmenopausal women with HER2 positive, hormone-dependent metastatic breast cancer (MBC). Abstract no. LBA2, presented at the ESMO 2006, Istanbul, Turkey, 29th Sept - 3rd Oct 2006
  2. Houghton, J on behalf of the ATAC Trialists’ Group, Initial adjuvant therapy with anastrozole (A) reduces rates of early breast cancer recurrence and adverse events compared with tamoxifen (T). Abstract no 243, presented at the ESMO 2006, Istanbul, Turkey, 29th Sept - 3rd Oct 2006
  3. Mansel, R on behalf of the ATAC Trialists’ Group. Tolerability of anastrozole (A) compared with tamoxifen (T): mature data in the adjuvant setting Abstract no 244, presented at the ESMO 2006, Istanbul, Turkey, 29th Sept - 3rd Oct 2006


Notes to Editors:
*ホルモン感受性とHER2陽性について:

  • ホルモン感受性乳がん(もしくはホルモン受容体陽性)では、がん細胞が表面上で受容体を運び、ある一定のホルモンに反応して腫瘍の成長を刺激します。およそ60%の閉経後乳癌患者はホルモン感受性といわれています。
  • HER2陽性乳がんでは、腫瘍細胞表面上にHER2たんぱく量が増加します。この種の腫瘍は悪性度が特に高くなります。HER2陽性は20~30%の乳がん患者で見られます。

** ATAC:'Arimidex', Tamoxifen, Alone or in Combination

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