アストラゼネカ、アジア人患者を対象としたファーストライン治療におけるイレッサ®(ゲフィチニブ)の新しい試験の開始を発表

この資料は、英国アストラゼネカ社が4月24日(英国現地時間)に発表しましたプレスリリースを日本語に翻訳再編集し、皆様のご参考に供するものです。
この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。


シンガポール - 2006年4月24日: アストラゼネカ社は、本日、進行非小細胞肺癌(NSCLC)のファーストライン治療(治療歴のない進行NSCLCの治療)におけるイレッサ単独療法の使用を評価する初めての第III相試験をアジアで実施するため、被験者の募集を開始したことを発表します。IPASS(IRESSA Pan-Asian Study)と呼ばれるこの試験は非盲検無作為化並行群間比較試験であり、アジアで臨床背景により選択された進行NSCLC患者を対象にファーストライン治療としてのイレッサの有効性、安全性及び忍容性をカルボプラチン/パクリタキセル2剤併用化学療法と比較評価することを目的としています。イレッサは治療歴のある進行NSCLCの治療薬として、すでに多くのアジア諸国で承認されていますが、このIPASSではファーストライン治療としての使用が評価される予定です。
IPASSの調整医師(co-lead investigator)を務めるChinese University of Hong Kong(香港)のTony Mok教授は次のように語っています。「進行NSCLCのファーストラインに最もよく使用される治療法の1つに、白金製剤ベースの化学療法が定着していますが、化学療法を使用した場合、予後不良であるうえ、副作用は忍容性が低く、患者の許容範囲を超えることもあり、そのために約1/3の患者が治療を断念することになります。この試験で、我々はイレッサが化学療法と同程度の有効性及びより優れた忍容性を有するかどうかを検討します。イレッサはアジア諸国の患者さんにとって重要なファーストライン治療薬になり得る可能性があると考えています。」

肺癌はきわめて深刻な疾患であり、世界中の死亡と罹患の大きな原因になっています。2002年には世界での肺癌発症例が130万例を超え、このうち120万例近くが死亡したと推定されており、この死亡例の1/3以上が東アジアに集中しています1。肺癌による死亡例数は乳癌、前立腺癌及び大腸癌を併せた例数を上回っています1

同じく調整医師である近畿大学医学部(日本、大阪)の福岡正博教授は、「治療歴のあるセカンド、サードライン治療を対象として海外で行われたISEL試験では、事前に計画されたサブグループ解析の結果、アジア人並びに喫煙歴のない患者においてイレッサがプラセボよりも延命効果が有意に高いことが示されました。さらに、アジア人患者を対象にした第II相試験からもイレッサのファーストライン治療における有効性が確認され、化学療法に匹敵する奏効率と生存データが認められています。したがって、イレッサが治療歴のない進行NSCLCのアジア人患者にどの程度の延命効果をもたらすかを評価するために、IPASSの実施は有意義であると考えます」とコメントしています。

本試験は計1,212例(各群606例)の患者の組み入れを目指し、日本、中国、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾及びタイの医療機関で実施されます。IPASSの主要エンドポイントは無増悪生存期間(PFS)であり、副次的エンドポイントは全生存期間(OS)、抗腫瘍効果(overall objective tumour response;OR)、有害事象、重篤な有害事象及びQOLです。

イレッサは上皮成長因子受容体(EGFR)を介したシグナル伝達を標的とする薬剤であり、これまで前化学療法が無効であった進行NSCLC患者において臨床的ベネフィットが確認されています2-4。イレッサの副作用特性は理解されてきており、急性肺障害、間質性肺炎等の副作用以外では、化学療法によくみられる典型的な細胞毒性作用(血液毒性など)の発生は低いと報告されています2,5。アストラゼネカ社は、イレッサ治療によるベネフィットを得ることが最も期待できる患者を特定することに注力しており、他のNSCLC治療ラインならびに頭頚部癌や乳癌などの肺癌以外の腫瘍を対象に、イレッサの使用を評価する研究プログラムを今後も継続する予定です。

アストラゼネカは、医療用医薬品の研究、開発、製造及び販売、並びにヘルスケアサービスの提供などのヘルスケア事業を世界的に展開している世界有数の製薬企業です。239億5000万ドルのヘルスケア事業の売上高を有し、消化器、循環器、ニューロサイエンス、呼吸器、オンコロジー及び感染症製品の売上でリーディングポジションを確立しています。アストラゼネカは、社会的責任投資指標であるDow Jones Sustainability Index (Global)及びFTSE4Good Indexに選定されています。

Notes to Editors
RECIST規準6
2000年に国際的に組織された委員会によって、Response Evaluation Criteria in Solid Tumours(RECIST)と呼ばれるX線、CT及びMRIによる抗腫瘍効果を判定する際の統一基準が発表されました。この方法はNCI主催の治験に使用することが推奨されていますが、強制ではなく、標的病変を測定するための公式的規範です。

RECIST規準は任意の国際標準であり、NCI標準ではありません。従来の方法(WHO、ECOG)の単純化にもとづいており、測定可能病変が最低1つは存在する測定可能疾患に適用されます。

RECIST基準を使用すれば、臨床試験での広範囲の用途に応じた画像データを単純かつ確実に抽出することができます。この基準では一次元的な測定法は二次元的方法に十分代わりうるとの考えを前提に、効果に4つのカテゴリーが設けられています。

  • CR (complete response;完全奏効)=すべての標的病変の消失
  • PR (partial response;部分奏効)=標的病変の最長径の和の30%減少
  • PD (progressive disease;進行)=標的病変の最長径の和の20%増加
  • SD (stable disease;安定)=上記の基準に該当しない小さな変化


References

  1. GLOBOCAN 2002: Cancer Incidence, Mortality and Prevalence Worldwide [database online]. Lyon, France: International Agency for Research on Cancer CancerBase No. 5. version 2.0;2004.
  2. Thatcher N, Chang A, Parikh P, et al. Gefitinib (IRESSA) plus best supportive care in pretreated patients with refractory advanced non-small-cell lung cancer: results from a randomised, placebo-controlled, multicentre study (ISEL). Lancet 2005;366:1527-37.
  3. Fukuoka M, Yano S, Giaccone G, et al. Multi-institutional randomised phase II trial of gefitinib for previously treated patients with advanced non-small-cell lung cancer. Journal of Clinical Oncology 2003;21:2237-46.
  4. Kris MG, Natale RB, Herbst RS, et al. Efficacy of gefitinib, an inhibitor of the epidermal growth factor receptor tyrosine kinase, in symptomatic patients with non-small cell lung cancer: a randomised trial. JAMA 2003;290:2149-58.
  5. Cufer T. Phase II, open-label, randomised study (SIGN) of single-agent gefitinib (IRESSA) or docetaxel as second-line therapy in patients with advanced (stage IIIb or IV) non-small cell lung cancer. Anticancer Drugs 2006;17:401-9.
  6. National Cancer Institute; http://imaging.cancer.gov/clinicaltrials/imaging/