フルベストラントが進行乳がんの将来のニーズに応える可能性を示す

この資料は、英国アストラゼネカ社が3月1日(英国現地時間)に発表しましたプレスリリースを日本語に翻訳再編集し、皆様のご参考に供するものです。
この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。


本日のJournal of Clinical Oncologyに掲載されたデータから、「フルベストラント」がAI療法後の最初の進行時に有用な治療選択肢となり得ることが示唆される。



2006年3月1日水曜日、英国マックルズフィールド: Journal of Clinical Oncologyに本日掲載されたフルベストラントの第II相試験の新しいデータとして、アロマターゼ阻害剤(AI)による治療後に乳がんが進行した閉経後女性においてフルベストラントが抗腫瘍効果を示すことが報告されています1。これらの結果を裏付けるためにはより大規模な第III相試験が必要ですが、現在、この対象患者集団に対しては、有効な治療法が確立されていないため、この新しい情報は重要であるといえます。早期乳がんにおいては、AIの有効性がタモキシフェンに勝ることが徐々に知られるようになり、早期乳がんの診断を受けた女性に対する治療の展望が急速に変化しています2。これまで、進行乳がんに対する治療パラダイムは、疾患の早期にタモキシフェン療法を5年間受けていた女性において確立されてきました。しかし、早期乳がんでは従来のタモキシフェン療法に代わってAIが使用され始めているため、AIで治療後に病勢の進行した患者に対しての後治療としてのホルモン療法を検討する事が求められています。
「フルベストラント」については、2つの大規模第III相比較試験において、タモキシフェン療法後の進行乳がんの治療に対して高い有効性及び良好な忍容性を示すことが既に認められています3,4。今回の新しい第II相試験のデータからは、「フルベストラント」がAI療法後に進行をみた女性に対しても臨床的にベネフィットを提供することがわかりました。本日発表したデータによると、ホルモン療法既治療例に対して「フルベストラント」は、35.1%に有効(PR)及び不変(SD)が認められました(PR:14.3%;SD:20.8%)。一方、その内、既治療としてAIだけを受けた患者21例では「その半数以上(52.4%)に有効(PR)及び不変(SD)が認められました(PR:28.6%;SD:23.8%)。このデータは小規模な集団のデータにすぎませんが、「フルベストラント」は現在のタモキシフェン治療後で検証されている有効性に加え、AI療法治療後にも有効である可能性を示唆したものです。

本日発表したデータは、AI療法を受けていた進行乳がん患者における「フルベストラント」の抗腫瘍効果を立証する過去の試験(Perey5、Steger6及びFranco7)の結果とも一致しています。

現在、アストラゼネカは、進行乳がん患者に対する「フルベストラント」とその他のホルモン療法の最適な位置付けを確立するため、数々の臨床試験に取り組んでいます。その治験のひとつであるEFECT(Evaluation of‘Faslodex’and Exemestane Clinical Trial)試験は、非ステロイド性AI療法後の「フルベストラント」とエキセメスタンの有効性を直接比較するもので、現在進行中です。

既に確立されている有効性及び忍容性
抗エストロゲン療法による治療を過去に受けていた閉経後女性のホルモン感受性進行乳がんの治療において「フルベストラント」と「アナストロゾール(アリミデックス®)」の有効性及び忍容性を比較した2つの大規模第III相比較試験(試験20と試験21)のデータからは、以下の結果が示されています:

  • 「フルベストラント」は無増悪期間(TTP)、全奏効率(ORR)及び全生存率(OS)の点でアナストロゾールと少なくとも同等の有効性を示した3,4
  •  「フルベストラント」は長期的な反応を示した:奏効期間(DoR)の中央値は、「フルベストラント」では16.7ヵ月、アナストロゾールでは13.7ヵ月であった8
  •  「フルベストラント」は化学療法によって一般に認められる副作用を生じることなく、有効性及び良好な忍容性が示される療法であり、忍容性の点ではアナストロゾールやタモキシフェンよりも優れている9
  •  「フルベストラント」はアナストロゾールよりも関節疾患を招くことが有意に少なかった3,4

 

References

  1. Ingle J. N. et al. Fulvestrant in Women With Advanced Breast Cancer After Progression on Prior Aromatase Inhibitor Therapy: North Central Cancer Treatment Group Trial N0032. Journal of Clinical Oncology 2006; 24 (7).
  2. ATAC Trialists' Group. Results of the ATAC (Arimidex, Tamoxifen, Alone or in Combination) trial after completion of 5 years' adjuvant treatment for breast cancer. Lancet, 365 (9453): 60-62.
  3. Osborne C. K. et al. Double-Blind, Randomized Trial Comparing the Efficacy and Tolerability of Fulvestrant Versus Anastrozole in Postmenopausal Women With Advanced Breast Cancer Progressing on Prior Hormonal Therapy: Results of a North American Trial. Journal of Clinical Oncology 2002; 20(16) 3386-3395.
  4. Howell A. et al. Fulvestrant, Formerly ICI 182,780, Is as Effective as Anastrozole in Postmenopausal Women With Advanced Breast Cancer Progressing After Prior Hormonal Treatment. Journal of Clinical Oncology 2002; 20(16) 3396-3403.
  5. Perey L. R. et al. Fulvestrant as hormonal treatment in postmenopausal patients with advanced breast cancer progressing after treatment with tamoxifen and aromatase inhibitors: update of a phase II SAKK trial. SABCS 2004, poster number 6048.
  6. Steger G. et al. Fulvestrant (‘Faslodex’): Clinical experience from the compassionate use programme. Cancer Treatment Reviews 2005; 31, S10-S16.
  7. Franco et al, Response to fulvestrant in heavily pretreated postmenopausal women: A single-center experience , .Breast Cancer Research and Treatment 2004, 88: 103-108
  8. Robertson J.F.R. et al. Fulvestrant versus anastrozole for the treatment of advanced breast carcinoma in postmenopausal women; A prospective combined analysis of two multicentre trials. Cancer 2003; 98: 229-238.
  9. Howell et al, Comparison of Fulvestrant Versus Tamoxifen for the Treatment of Advanced Breast Cancer in Postmenopausal Women Previously Untreated With Endocrine Therapy: A multinational, Double-Blind, Randomized Trial. JCO 2004; 22 (9); 1605-1613.


Notes to editors

  • 「Faslodex」は登録商標であり、アストラゼネカグループがその所有権を有しています。
  • フルベストラントは、抗エストロゲン剤(anti-estrogen)による補助療法時又はその後の疾患の再発、あるいは抗エストロゲン剤(anti-estrogen)による療法時の疾患の進行に対するエストロゲン受容体陽性の局所進行又は転移乳がんの閉経後女性の治療に適応となります*。(*-この文章はEU加盟国で承認されている適応を示しています。適宜、各国の適応をご参照ください。)本剤は2002年5月に米国で発売され、現在では、ブラジル及び欧州37ヵ国以上でも販売されています。
  • 「フルベストラント」は、エストロゲン受容体の遮断も減少(ダウンレギュレーション)も行うという点で、他の抗エストロゲン剤とは異なって作用します。「フルベストラント」は、現行の抗エストロゲン療法に耐性を示して増殖したがん細胞に対して活性を示すことがわかっています。毎年、何千人もの女性が進行乳がんと診断されています-最初は乳房に限局していたがんが身体の他の部位で認められた場合、転移乳がんと診断されます。すなわち、乳がん細胞が肺、肝臓、骨などの部位にも腫瘍を形成した場合、女性には転移疾患があるとみなされます。局所進行疾患では、がんは下層にある筋肉や皮膚などの乳房の周辺組織に広がりますが、遠隔臓器には認められません。また、広範なリンパ節転移も局所進行疾患とみなされます。
  • アストラゼネカは、がん領域で卓越した研究と革新を伝統とし、アリミデックス(アナストロゾール)、「カソデックス」(ビカルタミド)、「FASLODEX」(フルベストラント)、「ノルバデックス」(タモキシフェン)、「ゾラデックス」(ゴセレリン)、「TOMUDEX」(raltitrexed)及び「イレッサ」(ゲフィチニブ)などのがん治療薬を開発しました。また、腫瘍増殖阻害剤、新生血管阻害剤、腫瘍血管標的剤及び抗浸潤剤などの一連の新しい標的製剤も開発しています。さらに、既存の細胞毒性のある抗がん剤やホルモン治療薬を更に改良した新たな化合物を開発するための合理的なドラッグデザイン技術を活用しています。現在、20を超える抗がん剤の研究開発プロジェクトを実施中です。
  • アストラゼネカは、医療用医薬品の研究、開発、製造及び販売、並びにヘルスケアサービスの提供などのヘルスケア事業を世界的に展開している医薬品メーカーです。239億5000万ドルのヘルスケア事業の売上高を有し、消化器、循環器、ニューロサイエンス、呼吸器、オンコロジー及び感染症製品の売上でリーディングポジションを確立しています。アストラゼネカは、Dow Jones Sustainability Index (Global)及びFTSE4Good Indexに選定されています。