国際的な治療ガイドラインにより早期閉経後乳がん治療薬として アリミデックス™(アナストロゾール)が推奨された

2年に一度スイスのSt. Gallenで乳がん治療について検討する国際会議「International Consensus Conference on the Primary Therapy of Early Breast Cancer(早期乳がんの一次療法に関する国際コンセンサス会議)」の新しい治療ガイドライン(通称St.Gallenのガイドライン)が、2005年9月7日、Annals of Oncologyへの掲載に先駆けて同雑誌のウェブサイトにearly releaseとして発表されました1。同会議にて乳がん治療のガイドラインを検討したパネリストは、ホルモン感受性のある閉経後早期乳がん患者一次療法として、アナストロゾールなどのアロマターゼ阻害剤を術後5年間投与することは、最良の選択肢のひとつであることを確認し、全世界に向け標準治療として推奨しました。St.Gallenのガイドラインは世界的に広く受け入れられている事から、今後、より多くの患者さんがアナストロゾールで治療されると考えられ、これまで汎用されてきたタモキシフェンに比べ再発のリスクを軽減できるというベネフィットを受ける事になります。

「タモキシフェンとの比較であるATAC 試験('Arimidex', Tamoxifen, Alone, or in Combination)の追跡期間約5年の結果から、すでに日本では、アナストロゾールが閉経後早期乳がん患者の1st Choiceとして汎用されており、このSt.Gallenのガイドラインでアナストロゾールが推奨された事は当然であると思われる。今回、日本の臨床医の多くが参考としている国際的なガイドラインで推奨された事でより積極的にアナストロゾールが使用されると思われる。」と大阪大学乳腺内分泌外科 野口眞三郎 教授は述べています。

アナストロゾールはアロマターゼ阻害剤全体の中で最も臨床研究が進んでいる薬剤の1つであり、ATAC試験の最新の結果からも、標準的な早期乳癌患者の術後補助療法の期間である5年間で、これまでの標準治療であったタモキシフェン5年投与に優る有用性が証明された唯一の薬剤です2。他のアロマターゼ阻害剤も同様の検討を行っていますが、一次治療として、その使用を裏付けるような決定的な長期有効性及び忍容性データは未だ得られていません2。

同じアロマターゼ阻害剤であっても、有害事象のプロファイルは異なる事が示唆されており、2004年末に改訂された米国臨床腫瘍学会(ASCO:American Society of Clinical Oncology)の治療ガイドラインにおいても「アロマターゼ阻害剤はどの薬剤も同じような有用性を期待できるか?」という疑問については、未だ問題点があるとしています。

したがって、科学的根拠に基づいた医療では、アナストロゾールが早期乳癌患者の一次治療としてタモキシフェンに代わるアロマターゼ阻害剤になることが示唆されています。「日本では、アナストロゾール以外にも2剤のアロマターゼ阻害剤が臨床使用可能ではあるが、たとえ作用機序が同じ薬剤であっても、有害事象のプロファイルが異なる事がある。特に乳がんの術後補助療法は長期に渡る事から有効性はもちろんの事、安全性も重要であり、標準的な治療期間である5年間の有効性と安全性が確立されているアナストロゾールが最も信頼の置ける薬剤である。」と野口教授は述べています。

乳がん手術後にアナストロゾールを一次治療として投与することにより、女性のがん再発リスクを軽減し、タモキシフェンの投与に伴う重篤な有害事象のリスクを低下させる可能性が高くなります。2005年5月に開催されたASCOの年次総会では、最も有効な治療法で開始する事の重要性が強調されています4,5,6。

しかしながら、タモキシフェン療法を既に開始している女性でも、アナストロゾールからベネフィットを受けることはまだ可能です。今回St.Gallenのガイドラインでは、治療開始から2~3年後にタモキシフェンからアナストロゾールに切り替える選択肢も支持されています。最近の試験では、アナストロゾールに切り替える場合でも、再発及び重篤な副作用のリスクを低下させる上で大きなベネフィットが得られることが確認されています7,8。

References

  1. Goldhirsch A, Glick JH, Gelber RD et al. Meeting Highlights: International Expert Consensus on the Primary Therapy of Early Breast Cancer 2005. Ann Oncol. 2005; 0: 3261
  2. ATAC Trialists Group. Results of the ATAC(Arimidex, Tamoxifen, Alone or in Combination)trial after completion of 5 years' adjuvant treatment for breast cancer. Lancet 2005; 365: 60-62
  3. Winer EP, Hudis C, Burstein HJ et al. American Society of Clinical Oncology Technology Assessment on the Use of Aromatase Inhibitors As Adjuvant Therapy for Postmenopausal Women With Hormone ReceptorミPositive Breast Cancer: Status Report 2004. J Clin Oncol 2005; 23 3: -619-629
  4. Houghton J on behalf of the ATAC Trialists' Group. Using anastrozole as initial adjuvant treatment prevents early recurrences and reduces adverse events: Updated data from the ATAC(ヤArimidexユ, Tamoxifen, Alone or in Combination)trial. Proc ASCO 2005; Poster Number: A8 Abstract No: 582
  5. Duffy S on behalf of the ATAC Trialists' Group. Gynecological adverse events including hysterectomy occur less frequently with anastrozole than with tamoxifen: data from the ATAC(ヤArimidexユ, Tamoxifen, Alone or in Combination)trial. Proc ASCO 2005
  6. Cuzick JM, Howell A. Optimal timing of the use of an aromatase inhibitor in the adjuvant treatment of postmenopausal hormone receptor-positive breast cancer. Proc ASCO 2005;Poster Number: J17 Abstract No: 658
  7. Jakesz R, Jonat W, Gnant M et al. Switching of postmenopausal women with endocrine-responsive early breast cancer to anastrozole after 2 yearsユ adjuvant tamoxifen: combined results of ABCSG Trial 8 and ARNO 95 Trial. Lancet, 2005; 366: 455-62
  8. Boccardo F. Switching to anastrozole(ANA)vs continued tamoxifen(TAM)treatment of early breast cancer(EBC). Updated results of the Italian tamoxifen anastrozole(ITA)trial. Proc ASCO 2005; Poster Number: 1 Abstract No: 526

参考

アストラゼネカは、医療用医薬品の研究、開発、製造ならびにヘルスケアサービスの提供などのヘルスケア事業を世界的に展開している医薬品メーカーです。年間214億ドルを超すヘルスケア事業の売上高を有し、消化器、オンコロジー、循環器、ニューロサイエンス、呼吸器製品の売上でリーディングポジションを確立しています。アストラゼネカは、社会的責任投資指標であるDow Jones Sustainability Index(Global)及び FTSE4Good Indexに選定されています。

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