米国臨床腫瘍学会(ASCO:American Society of Clinical Oncology)において発表されたイレッサ®の新たなデータ

米国臨床腫瘍学会(ASCO:American Society of Clinical Oncology)において、海外で実施されたイレッサ®(ゲフィチニブ)の第II相臨床試験SIGN(Second Line Indication of Gefitinib in NSCLC)、及び、米国Southwest Oncology Group(SWOG)により実施されていたSWOG0023試験の結果が初めて発表されました。

SIGN試験

SIGN試験からの最終データによると、本剤250mg単剤投与は、進行非小細胞肺癌症例に対する二次療法としてドセタキセルと同等の効果、及び、ドセタキセルより良好な忍容性を示すことが示唆されました1。SIGN試験は、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤を化学療法と直接比較した初めての試験であり、本剤が進行非小細胞肺癌症例に対する二次療法として承認されている化学療法剤と同等の有効性を持つことが示唆されました。本試験の主要評価項目は症状改善率で、イレッサ投与群37%、ドセタキセル投与群26%でした。また、奏効率(ORR; 13.2% vs. 13.7%、オッズ比 0.98、95%信頼区間 0.47, 2.03)、全生存期間(中央値 7.5ヶ月 vs. 7.1ヶ月、ハザード比0.97、95%信頼区間 0.61, 1.52; p=0.88)、無増悪生存期間(中央値 3.0ヶ月 vs. 3.4ヶ月、ハザード比0.94, 95%信頼区間 0.64, 1.39; p=0.76)については、本剤とドセタキセルの間に差が無いことが示されました。本剤はドセタキセルよりも高い忍容性を示しました。ドセタキセル投与群では3件の死亡がありましたが、本剤投与群ではありませんでした。ドセタキセル群の無増悪生存期間と全生存期間は、既に公表されているドセタキセルの第III相臨床試験において報告されたデータと一貫するものです。

SIGN試験は、進行非小細胞肺癌症例に対する二次療法として、本剤単剤投与(250mg/日)とドセタキセル単剤投与(75mg/m2を1回、3週間毎1時間投与)を比較検討する第II相無作為化試験です。141例が本試験に登録され(うち本剤投与群に68例、ドセタキセル投与群に73例割り付け)、これらの症例においては一次療法としてタキサン系を除く化学療法が既に投与されていました。この二つの治療群では、ベースラインの患者背景(年齢の中央値、性別、人種、パフォーマンスステータス(PS)、非喫煙例の割合)において均等に割り付けられていました。本試験は、ラテンアメリカ、中央アメリカ、中央ヨーロッパ、中近東諸国において実施されました。

本試験で重要な点は、この対象患者において、本剤とドセタキセルが同等の有効性を示し、また、本剤投与群では治療関連の有害事象、及び、Common Toxicity Criteriaグレード3、4の有害事象が少なかったという点です。

これらの結果は、日本人症例における本剤とドセタキセルの直接比較試験の重要性を示すものです。日本においては、進行/転移性/術後再発の非小細胞肺癌症例を対象とした本剤とドセタキセルの全生存期間を主要評価項目として比較する臨床第III相試験を実施中です。

SWOG0023

米国国立癌研究所(NCI: National Cancer Institute)のスポンサーにより、Southwest Oncology Group(SWOG)により実施されていた、非小細胞肺癌症例におけるイレッサの維持療法としての有用性を検討する為の試験SWOG trial 0023について、予定されていなかった早期中間解析結果で、本剤投与群はプラセボ投与群と比較して主要評価項目である全生存期間をより改善する可能性がみられないことが示唆されたことから、本試験を中止するという結論が下されました。本試験に登録されたのは化学療法と放射線治療を完了した手術不能の局所進行非小細胞肺癌症例であり、化学療法と放射線療法の同時併用治療後に、逐次ドセタキセルを投与した後、本剤投与群とプラセボ群に割付けられました。

なお、本邦における実地医療において、SWOG0023試験のような本剤の投与は、通常行われていません。本試験の結果からみても、ステージIII期の局所進行非小細胞肺癌を対象に、放射線化学療法後に維持療法として本剤を使用することは推奨できません。今回の発表を受け、弊社は医療機関へのこの試験に関する情報提供を本日より開始しました。

弊社は、日本における手術不能または再発非小細胞肺癌の治療選択肢として本剤は重要な薬剤であると考えています。本剤をより安全かつ適正にご使用いただくために、本剤の安全性・有効性にかかわる研究を更に進め、新たな知見が得られた場合にはそれを迅速且つ的確に実地医療に反映するよう情報提供活動等を行い、患者様と医師が科学的に裏付けられた最新の情報をもとに充分にご相談の上で本剤による治療をうけるかどうかのご判断をして頂けるよう努めてまいります。

本剤に関する医療機関及び患者様から弊社への直接のお問い合わせについては、イレッサくすり相談窓口(フリーダイヤル:0120-119-703)を開設しております。

Notes to editors
ゲフィチニブは、米国、日本、カナダ、スイス、オーストラリアを含む世界36ヶ国(EU諸国は除く)において、進行非小細胞肺癌の治療薬として承認されています。

References

  1. Cufer, T. Results from a phase II, open-label, randomized study(SIGN)comparing gefitinib with docetaxel as second-line therapy in patients with advanced(stage IIIb or IV)non-small-cell lung cancer. Abs. no. 7035, ASCO 2005.