イレッサの進行非小細胞肺がんにおけるISEL試験の結果について

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン)は、日本を除く世界28カ国で2003年7月から2004年8月まで、治療抵抗性の非小細胞肺がん患者さんの生存期間をプラセボ(偽薬)との比較で検討するISEL試験を実施し、その初回解析結果を12月17日に発表いたしました。この試験結果については下記に概略を示しておりますが、本国発信のプレスリリースの日本語訳を添付いたします。なお、この試験については現在詳細について解析を進めており、総合的な結果は2005年上半期に発表される予定です。

ISEL試験に参加された1692名の患者さんは、既にさまざまな治療が行われた末期の肺癌患者さんです。全ての患者さんを対象にした解析で、イレッサを服用していた患者さんにおいて、イレッサの代わりにプラセボ(偽薬)を服用していた患者さんと比較して腫瘍縮小効果では統計的に有意な改善がみられましたが、主要目的である生存期間に関しては統計的に有意な延命効果に至りませんでした(5.6カ月と5.1カ月)。 374名の東洋人の患者さん(日本の施設は含まれていない)を対象とした解析では、イレッサを服用していた東洋人の患者さんで、生存期間が改善することが示唆されました(9.5カ月と5.5カ月)。

また、イレッサの第II相臨床試験(IDEAL1)の結果は確かなものであり、この試験の日本人の患者さんでは、イレッサが約70.6%の患者さんで腫瘍縮小効果あるいは病勢安定をもたらし、1年生存率は57%というデータが得られています。

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:加藤益弘)は、日本においては、イレッサは治療抵抗性の非小細胞肺がん患者さんにとって有用な薬だと考えており、今後もイレッサの適正使用のための情報収集・提供活動を継続します。

このISEL試験の結果をふまえ、当社は以下のとおり対応します。

  • この初回解析結果ならびに海外での状況を直ちに厚生労働省に報告し、また、18日(土)より医療機関への情報提供を開始しました。
  • 現在進行中の臨床試験は全て継続します。特に、今回のISEL試験には日本の施設が含まれていないため、日本人での生存期間をみる第III相臨床試験は、非常に重要な試験であると考えています。
  • イレッサによる治療を選択するかどうか、あるいはイレッサの投与を継続すべきかどうかは、イレッサの有効性・安全性、他の治療法などを考慮し、医師と患者さんが充分相談のうえで判断していただくことが重要と考えています。
  • 医療機関ならびに患者さんへの速やかな情報提供が重要と考え、今回の試験結果に関しての医療機関および患者さんからの問い合わせにお答えするイレッサくすり相談窓口(フリーダイヤル:0120-119-703)を開設しました。

これはアストラゼネカ英国本社が2004年12月17日に発表したプレスリリースの日本語訳です。

ゲフィチニブ(イレッサ)肺がんISEL試験治療抵抗性の患者において全体生存期間延長示さず

2004年12月17日(英国):アストラゼネカ(本社:英国ロンドン)は、1692例を対象としたISELスタディ709(IRESSA Survival Evaluation in Lung cancer)の主要評価項目の初回解析を実施し、その結果、イレッサは全症例を対象とした解析(HR 0.89, p=0.11中央値5.6 vs 5.1ヶ月)、腺がん症例を対象とした解析(HR 0.83, p=0.07, 中央値 6.3 vs 5.4ヶ月)においてプラセボに比較し生存期間を有意に延長しなかったと本日発表しました。

腫瘍縮小(客観的奏効率)では統計的に有意な改善がみられましたが、統計的有意な延命効果には到りませんでした。プロスペクティブなサブグループ解析においては、東洋人および喫煙歴のない患者さんにおける延命効果が示唆されました。

「本試験は良くデザインされ、データは強固であり、これらの結果は方法論的には説明できません。ISELの全体の結果は2005年上半期に発表される予定です。」とISEL試験のプリシンパル・インベスティゲーターであるニック・サッチャー教授は述べました。

「ISELは適正に実施された大規模試験であり、ErlotinibのスタディBR21にみられたような客観的奏効率を示したが、残念ながら、全体的な延命効果には到りませんでした。」とイレッサのワールドワイド・メディカルディレクターであるDr.アラン・バージは述べました。「イレッサは明らかに臨床の現場で一定の患者には大きなベネフィットを提供しています。当社はこの結果を解明するために、EGFR発現やその他のバイオマーカーの評価を含む研究を進めていきます。」

アストラゼネカは、現在これらのデータの影響を見究めるため薬事当局と積極的に協議を行っています。当社は、現在イレッサ服用中の患者が主治医と相談のうえ治療の継続を希望される場合は、責任をもってイレッサの供給を継続します。現在イレッサを投与されている患者は同剤の服用を継続するとともに、最初の機会に、主治医と現行の治療について相談すべきであると考えます。

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Note to News Editors:

東洋人患者は、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイなど多くの国で登録された。

ISEL試験は1回以上の化学療法が奏効しなかった進行非小細胞肺がん患者においてイレッサ250mg1日1回投与(単剤投与)の延命効果を調査する目的で実施され、この対象症例における最大規模の試験である。2次療法と3次療法の症例比率は約50:50であった。約1,700人の患者が登録された。登録症例は一般的な非小細胞肺がん患者で、直近の前化学療法レジメンに対し忍容性がない、あるいは、反応しなかった患者である。

肺がんは世界中でがんの死因のトップである。WHO(世界健康機関)によると、2002年に、年間130万人が新たに肺がんと診断され、110万人が肺がんにより死亡した。イレッサは現在肺がんの最も多いタイプであり全肺がん症例の約80%を占める非小細胞肺がん(NSCLC)の治療薬として承認されている。イレッサは米国、日本、カナダ、オーストラリア、スイスを含む30カ国以上で承認されており、現在までに21万人以上の患者がイレッサの治療を受けている。

アストラゼネカは、医療用医薬品の研究、開発、製造ならびにヘルスケアサービスの提供などのヘルスケア事業を世界的に展開している医薬品メーカーです。年間188億ドルを超すヘルスケア事業の売上高を有し、消化器、オンコロジー、循環器、ニューロサイエンス、呼吸器製品の売上でリーディングポジションを確立しています。アストラゼネカは、社会的責任投資指標であるDow Jones Sustainability Index(Global)およびFTSE4Good Indexに選定されています。

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