ロスバスタチンが心血管疾患のリスク指標を改善

これはアストラゼネカ英国本社が2003年9月29日に発信したプレスリリースの翻訳です。

新しいスタチン製剤ロスバスタチンが、アトルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチンに比べ、主要なアポ蛋白および脂質比を著明に改善──大規模臨床研究 STELLARとMERCURY Iの成績を発表

【2003年9月29日 午前9時30分 日本、京都発】
第13回国際動脈硬化学会学術会議(ISA)において、アストラゼネカ社の新しいスタチン製剤であるロスバスタチンに関する2つの成績が報告されました。そのひとつは、大規模臨床試験STELLARによるもので、現在広く利用されている他のスタチン製剤をロスバスタチンと同量またはそれ以上の用量で投与した場合に比べ、ロスバスタチンがアポ蛋白および脂質比を有意に改善することを示しました。他のひとつは、大規模臨床試験MERCURY Iの結果であり、他のスタチン製剤を投与されていた患者からロスバスタチンに切り替えると、アポ蛋白および脂質比がさらに改善することが明らかになりました。

LDLコレストロール(LDL-Cまたは悪玉コレステロール)はアテローム性動脈硬化を促進する主要なリポ蛋白であり、今日、世界中の高脂血症治療ガイドラインにおいて最も重要な治療標的とされています。LDL-Cは血液の流れにのって脂質を必要な部位に輸送するリポ蛋白の一種であり、蛋白と脂質で構成されています。このリポ蛋白の蛋白成分はアポ蛋白と呼ばれます。アポ蛋白の測定は高度な技術を要し、実地診療で測定されることは少ないのですが、血中のリポ蛋白量を正確に示すことから、一般的に測定されている脂質分画(LDL-C、TCなど)よりも有用な心血管疾患のリスク指標といわれます。ヒトの血漿中には十数種類のアポ蛋白が存在しますが、たとえばアポ蛋白A-I(Apo A-I)の高値は、動脈硬化を抑制するHDLの上昇、すなわち動脈硬化症のリスク低下を示すのに対し、アポ蛋白B(Apo B)は、動脈硬化を促進するすべてのリポ蛋白の量を正確に示すため、総コレステロール(TC)値やLDL-Cより優れた心血管疾患のリスク指標となることが明らかになっています。脂質やアポ蛋白の比率は、動脈硬化を促進する脂質やアポ蛋白と、これを抑制する脂質やアポ蛋白の両方の比率を示すものであり、これにより正確な心血管疾患のリスクの判定が可能となります。

STELLARにおいて、ロスバスタチンはアトルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチンに比べ、高脂血症患者における動脈硬化惹起性のApo B、抗動脈硬化性のApo A-I、およびApo B/ApoA-I比に対し著明な改善効果を示しました。ロスバスタチン10mgを投与された患者群におけるApo B/Apo A-I比の改善度は、アトルバスタチン10mg、シンバスタチン10-40mg、プラバスタチン10-40mgを投与された群に比べ有意に高く(P<0.002)、ロスバスタチンと同等またはそれ以上の用量で他のスタチン製剤の有効性を凌駕しました。心血管疾患のリスクの判定に重要とされる他の脂質比(TC/HDL-Cおよびnon-HDL-C/HDL-C)についてもこれらと同様なデータが得られました。

ロスバスタチンの示したこの効果は、MERCURY Iの結果にも通じるものです。MERCURY Iでは他のスタチン製剤からロスバスタチンに変更した場合の脂質改善効果を検討しましたが、ロスバスタチン10mgに変更した患者群では、アトルバスタチン10mg、シンバスタチン20mg、プラバスタチン40mgの投与を続けた患者群に比べ、Apo B 、Apo B/Apo A-I比、その他の脂質比(TC/HDL-C; non-HDL-CおよびLDL-C/HDL-C)のすべてが著明に低下しました(P<0.001)。

STELLARのデータ解析を担当したエバン・スタイン博士(米国・オハイオ州Metabolic&Atherosclerosis Research Center)は次のように述べました。「最近行われたプロスペクティブな試験の結果は、アポ蛋白および脂質比により、心血管疾患のリスクより正確な予測が可能なことを示しています。したがって臨床医にとっては、種々の治療の有効性を、これらの指標にもとづいて見極めることが重要です。今回発表された研究結果は、主なアポ蛋白および脂質比に対し、ロスバスタチンがより効果的であることを示しました。とくに心血管疾患の既往のある患者や本症発症のリスクが高いと考えられる患者に対しては、強力にLDL-Cを低下させ、HDL-Cを上昇させるロスバスタチンが有用と考えられます」
また、MERCURY Iの研究グループの代表者フィリップ・バーター教授(The Heart Research Institute Sydney, Australia)は、「この2試験のデータから、ロスバスタチンがすぐれた脂質改善効果を示すことが明らかになりました。医師が本剤を用いることにより、患者の生活にのしかかる心血管疾患という重荷を軽減することができるでしょう」と述べた。

STELLARおよびMERCURY I は、アストラゼネカ社の包括的な世界的研究プロジェクトであるGALAXYプログラムの一環として行われています。

ロスバスタチンは、現在、北アメリカ、ヨーロッパ、アジアの数ヵ国において規制当局の承認を得て、発売されています。他の多くの国・地域においても、承認審査の過程にあります。

~添付資料~
アストラゼネカは医療用医薬品の研究、開発、製造、販売ならびにヘルスケアサービスの提供などのヘルスケア事業を世界的に展開している大手医薬品メーカーです。アストラゼネカは消化器、がん、循環器、神経科学、呼吸器領域の売上でリーディングポジションを確立し、178億ドルを越すヘルスケア事業の売上高を有し、世界の医薬品企業上位5位に入っています。アストラゼネカは、FTSE4Good IndexおよびDow Jones Sustainability Index(Global and European)に記載されています。

アストラゼネカは循環器領域で40年を超える経験を有し、循環器疾患のリスク、発症および影響を低減することにより生存期間の延長とクオリティ・オブ・ライフの向上を目指しています。アストラゼネカは、rosuvasutatin、ATACAND、ZESTRIL, SELOKEN ZOK/TOPROL-XLおよびPLENDILを含む既存の包括的な循環器ポートフォリオに加え、経口トロンビン阻害剤(キシメラガトラン)や2型糖尿病・インシュリン抵抗性症候群の治療薬(AZ242)などの革新的な新薬を開発中です。

日本市場においてアストラゼネカは循環器領域でインデラル、スプレンジール、ゼストリル、セロケン、テノーミンを販売しています。また、ロスバスタチンを申請中、キシメラガトランおよびAZ242を開発中です。