アストラゼネカ、イレッサの適正使用に向け、急性肺障害に関連する遺伝子多型に関する共同研究を東大中村教授と実施

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、社長:マーティン・ライト)は、イレッサに関連して発症している急性肺障害のリスクとなる遺伝的要因を解明する研究の一つとして、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長の中村祐輔教授と共同研究(詳細)を実施することで基本的に合意しました。また、本研究は文部科学省のリーディングプロジェクトの一環として実施され、本研究における両者の研究費負担分は50%ずつとなる予定です。

中村教授は世界的にトップクラスの遺伝子解析施設を有する東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターの長として、国際的な協力体制のもとに実施されている国際ハプロタイプ計画における日本の中心拠点として研究をリードされています。また、ヒトゲノム全体に分布する遺伝子領域中のSNPsに関するプロジェクト(JSNP Database;http://snp.ims.u-tokyo.ac.jp/)のプロジェクトリーダーも兼任されています。

本研究で急性肺障害の遺伝的背景が解明されれば、イレッサ投与に関連する急性肺障害のリスクを低下させることが可能になると考えられ、イレッサの適正使用に貢献するものと期待されています。

~添付資料~
共同研究では、イレッサ服薬中に急性肺障害を発症した患者及び非発症例(対照例)の血液からDNAを採取し、両者のDNAの塩基配列に違いがあるのかどうかを検討する。検討にあたっては、SNPsを検出する手法を用いる。遺伝子DNAには個人間において塩基配列の違い(遺伝子多型)が認められるが、SNPs(Single Nucleotide polymorphisms;一塩基多型)とはそのうち1塩基の違いによるものを指し、遺伝子産物の質や量に直接影響を与えたり、ある疾患や薬剤による重篤な副作用に対する危険性を増やすことがあると考えられている。中村教授はSNPsのうち約20万箇所について発症例と非発症例のDNAを比較し、発症例と非発症例を分ける原因となったSNPsを突き止める予定である。

本研究は2段階で実施され、第1段階は現在までに報告されている急性肺障害の患者(約75例)及び同数の非発症例から血液を採取し、候補となるSNPsを数十箇所を目処にピックアップする。第2段階では、今後アストラゼネカ株式会社が実施するケースコントロールスタディーにおいて観察される急性肺障害患者及びその対照例の血液を用いて、第1段階でピックアップされたSNPsの妥当性を検証する。