アストラゼネカは、昨日厚生労働省により発表されたイレッサ(一般名:ゲフィチニブ)のより安全な使用のための新たな対策を直ちに実施していきます

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:マーティン・ライト、AZKK)は昨日開催された厚生労働省の「ゲフィチニブ安全性問題検討会」によって検討された安全対策等を直ちに実施していきます。これらの対策は、経験のある医師によるより厳密な患者の管理や患者・医師に対する更なる情報提供等により、イレッサの安全な使用を更に向上させるものと考えます。

進行肺がん治療の新薬である同剤は第II相臨床試験において既治療の進行非小細胞肺がんの日本人患者で約27%の奏効率を示しており、昨日検討された一連の対策により、経験のある医師のもと、イレッサの安全使用が更に推進されることを期待しています。

AZKKは日本人患者19,000例中報告された間質性肺炎、急性肺障害について解析し、厚生労働省に報告しました。なお、この時点での全世界での総投与患者数は約50,000人で、報告された間質性肺炎、急性肺障害の世界での発症率は1%未満です。海外の発症率よりも日本における発症率のほうが高い傾向にありますが、AZKKは日本の患者の解析から下記のように考察しました。

  • X線の画像診断等の結果、間質性肺炎、急性肺障害と断定できなかった症例、および報告後報告医師により取り下げられた症例が10-20%存在する。感染性肺炎等がその中に含まれる。
  • イレッサ投与開始から間質性肺炎、急性肺障害発現(診断)までの期間について、特定の傾向を見出すことはできなかった。また、間質性肺炎、急性肺障害の発症において、年齢、前治療の有無、喫煙歴の有無などの危険因子と考えられる患者背景において明らかな傾向は認められず、特定の危険因子も同定することはできなかった。
  • 間質性肺炎、急性肺障害発現症例における死亡率は、イレッサ投与開始から早期に発現した場合も、ある程度の投与期間を経て発現した場合も、大きな差はなかった。
  • 既報の文献を検討した結果、イレッサによる治療中の間質性肺炎、急性肺障害の発症ならびにその転帰は抗がん剤やその併用などの他の肺がん治療と比較して、差異は認められていない。
  •  報告頻度以外のすべての観点から、日本における間質性肺炎、急性肺障害症例は海外における報告例と類似している。日本における間質性肺炎、急性肺障害の報告頻度は、海外の報告頻度よりも高いが、これが実際の差異を示すものか、あるいは、注意喚起による認識の高まりなど他の要因によるものかは不明である。

AZKKは今後厚生労働省の検討会の検討結果を実施していきます。一方、すでに安全性情報部の人員を約20%増員するとともに、腫瘍領域の専任MRならびにMMA*(イレッサメディカルマーケティングアソシエイト)に対し、間質性肺炎、急性肺障害ならびにその情報収集に関して集中的な研修を実施しました。世界においても、アストラゼネカは引き続き広範な患者調査を実施します。また、アストラゼネカは間質性肺炎、急性肺障害の発症メカニズムとイレッサの使用との関連をより深く理解するために必要な試験を実施します。

上記は、イレッサの安全使用の促進を目的として当社が講じている一連の措置のうち最新のものです。過去に実施した措置は下記のとおりです。

  • 10月15日緊急安全性情報を発出し、間質性肺炎、急性肺障害ならびにイレッサ服用患者における間質性肺炎、急性肺障害のリスクについて注意を喚起しました。
  • AZKKが入手したすべての間質性肺炎、急性肺障害症例について可及的かつ速やかな厚生労働省への報告を開始しました。AZKKから厚生労働省に対する間質性肺炎、急性肺障害の報告症例数は、週単位でみると、10月の緊急安全性情報に関する記者会見後ピークに達して以降、下降傾向を示しています。
  • 副作用報告業務が薬事法の規定を遵守していることを確実なものとするため、同手順に関する内部監査を実施するとともに、大阪府の立ち入り監査にも協力しました。
  • アストラゼネカの安全性情報報告に関する方針ならびに手順に従い、厚生労働省ならびに諸外国の当局に対しすべての間質性肺炎、急性肺障害症例(日本ならびに全世界の)を報告しています。
  • 間質性肺炎、急性肺障害に関する社外の専門家委員会を発足させ、2002年12月5日に同委員会の第1回会合が開催されました。

* MMA:イレッサに関する学術知識を広範囲に有する専任担当者で全国に10名配置しています。