イレッサ®(ZD1839)の新しいデータが欧州臨床腫瘍学会で発表される

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:マーティン・ライト)は、INTACT臨床試験のデータが、10月21日、フランス・ニースで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表されたことを、報告します。

INTACT1 および 2 は、"IRESSA NSCLC Trials Assessing Combination Therapy"の略称で、化学療法未治療の進行非小細胞肺がん患者を対象とした第III相無作為化比較試験です。それぞれの試験に、1,000症例以上が登録されました。本臨床試験は、十分に検討された試験計画のもと実施されたものでしたが、イレッサ®(一般名ゲフィチニブ)は、未治療の進行非小細胞肺がんにおいて、白金製剤ベースの標準化学療法単独投与との比較において、標準化学療法との併用で、延命効果を示しませんでした。

Giaccone教授(Free University Medical Center, Amsterdam, The Netherlands)は、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の予後が悪いことについて、既存の薬剤では現行の1st ライン治療レジメンの効果を上回る新たな治療レジメンの確立は望めなくなっており、進行非小細胞肺がん患者に、効果的かつ忍容性のある新しい薬剤が必要であるのは明らかになっていると言及しました。

Giaccone教授は、INTACT1の試験デザインと結果について紹介しました。この試験では合計1,093名の患者が登録され、本薬とゲムシタビン・シスプラチンとの併用において、生存期間(主要評価項目)、病勢進行までの期間(副次的評価項目)、奏効率(他の評価項目)と安全性(他の評価項目)を評価しました。本薬1日500 mg群、1日250mg群、プラセボ群の生存期間の中央値は、群間に有意差がなく、同様に、病勢進行までの期間あるいは奏効率も群間で差がないことが示されました。

Giaccone教授は、INTACT1が、統計上十分な検出力をもって、適切な試験デザインで行われた臨床試験であり、有効性の結果は確かなものであると結論しました。このゲムシタビン・シスプラチンによる化学療法に本薬を併用追加しても効果が表れなかった理由は、今のところ明らかではありません。本薬単独投与でもみられている用量依存性の下痢や発疹以外は、この併用療法の毒性プロファイルは、ゲムシタビン・シスプラチンの2剤による化学療法の毒性プロファイルと類似しています。さらに、本薬の併用による新たな毒性がみられなかったことは第II相イレッサ®単独療法試験の結果を支持するものです。

Johnson教授(Vanderbilt-Ingram Cancer Center)は、INTACT2の試験デザインと結果について紹介しました。この試験では合計1,037名の患者が登録され、本薬とパクリタキセル・カルボプラチンとの併用において、INTACT1と同じ基準で評価しました。生存期間の中央値には群間で有意差がなく、また、病勢進行までの期間(または他のエンドポイント)においても群間で差がないことが示されました。

結論として、Johnson教授は、この臨床試験からの結果は確かなものであり、本薬をパクリタキセル・カルボプラチンに併用しても、生存期間や他のエンドポイントに付加的な効果を与えないこと、本薬単剤投与でもみられている用量依存性の下痢や皮膚の毒性の他に、併用による新たな毒性はみられず、第II相単独療法試験からの結果を支持するものであることを発表しました。

イレッサ®(1日1錠1回経口投与)は初めてのEGFR-TK(上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ)阻害剤として知られる新しいタイプの抗がん剤です。第II相イレッサ®単独療法試験(IDEAL1、2)の成績により、本薬は、化学療法が奏効しなかった、進行非小細胞肺がんの多くの患者さんにとって、良好な忍容性をもつ有効な治療薬であることが確認されています。この臨床成績(IDEAL1、2)は、本薬がすでに承認されている日本、また承認審査が行われている米国を含む数カ国における承認申請の根拠となったデータです。また、当社は欧州を含むすべての主要な市場においても本薬単独投与の臨床成績による申請を行う予定です。