FDA、「アリミデックス」の優先承認審査をおこなう

アストラゼネカは、1月15日、FDA(Food and Drug Administration; 米国食品医薬品局)が、アロマターゼ阻害剤「アリミデックス」(アナストロゾール)の閉経後早期乳がん患者の術後補助療法の適応追加申請の優先承認審査を決定したと、発表しました。本日、その日本語訳をご参考までにお送りします。

なお、承認等の記載についてはアメリカでの承認内容であり、日本のものとは異なります。

日本では術後補助療法としての使用は承認された適応症の範囲に含まれていますが、添付文書中で術後補助療法における有効性および安全性が確立していない旨が明記されています。今後はこの"しばり"を削除する方向で厚生当局と交渉するための準備を進めています。
 

FDA、早期乳がんに対する「アリミデックス」(アナストロゾール)の適応追加申請の優先承認審査を行う

アストラゼネカは、本日、FDA(Food and Drug Administration;米国食品医薬品局)が、アロマターゼ阻害剤「アリミデックス」(アナストロゾール)の閉経後早期乳がん患者に対する術後補助療法の適応追加申請の優先承認審査を決定したと発表しました。この決定は、閉経後早期乳がん患者の術後補助療法における試験として行われたATAC試験(Arimidex, Tamoxifen Alone or in Combination)において、「アリミデックス」が現在のゴールドスタンダードであるタモキシフェンに対し、DFS(無病生存期間)を有意に延長させたという結果をうけてのものです。「アリミデックス」は、進行・再発乳がん治療薬として既に認可されています。

アストラゼネカは、「アリミデックス」の新効能追加申請を2002年2月末までに終了するため、段階的にデータとその提出予定をFDAに既に提出しました。FDAは、重篤な疾患の治療において有意な改善をもたらす可能性のある医薬品については、優先承認審査を行うことを認めています。

先月San Antonio で行われた学会で発表されたATAC試験において「アリミデックス」は、現在のゴールドスタンダードであるタモキシフェンと比較し、DFSを有意に改善するだけでなく、子宮体がんや血栓塞栓症の発現を有意に減少させるなど、忍容性においても種々の改善を示しました。

「アリミデックス」は過去最大規模で行われたATAC試験において、早期乳がん患者の術後補助療法としてゆるぎない地位を築いていたタモキシフェンに優る有効性を示した初めての薬剤であり、急増している乳がん治療における非常に重要なブレークスルーであるといえます。

「アリミデックス」の早期乳がん許可申請の優先承認審査決定を歓迎し、アストラゼネカの腫瘍領域部門のVice-President であり Medical Director であるDr. George Blacklegdeは、次のようにコメントしています。「FDAが優先承認審査を決定したことは、早期乳がん患者にとって、非常に大きな励みになるニュースである。早期乳がんに対する『アリミデックス』の高いポテンシャルを反映していると思う。早急に承認審査が行われることで、『アリミデックス』が今後、新たに早期乳がんと診断された米国の女性に、利益をもたらすことできると期待している。」

有効性データ
ATAC試験の結果によると、フォローアップの中央値33カ月および治療期間の中央値30.7カ月において、タモキシフェン群3,116例のうち379例に対し、「アリミデックス」群3,125例のうち317例が、乳がんが再発したか、あるいは死亡しました。この結果により「アリミデックス」は、タモキシフェンに比較し、乳がん再発リスクを17%減少させたことが示されました。(p=0.0129; ハザード比(HR)=0.83, ハザード比の信頼区間(CI)=0.71-0.96)。さらにホルモン感受性のある*乳がん患者においては、タモキシフェンと比較して「アリミデックス」を使った場合のリスクの減少は22%と、さらに際立っていました(p=0.0054; HR=0.78, CI 0.65-0.93)。

安全性/忍容性データ
「アリミデックス」は、忍容性においても、タモキシフェンと比較し多くの重要なアドバンテージを有することが認められました。特筆すべきことは、子宮体がんの発現頻度が有意に少ない事であり(0.5% vs <0.1%)このことは、「アリミデックス」治療群において、性器出血や膣分泌物異常が有意に少ない事からも説明できます。(8.2 % vs 4.5%)。また深部静脈塞栓症の発現率はタモキシフェン治療群が、「アリミデックス」治療群に比べ約2倍であることが報告されています。(1.7% vs 1.0%)患者さんの視点からも重要なこととして、ほてり(39.7% vs 34.3%)や体重増加(11.0% vs 9.2%)の発現率も「アリミデックス」治療群で有意に減少しました。 しかし、予測した通り、タモキシフェン治療群では、筋骨格障害(21.2% vs 27.8%)、この年齢層によく見られるタイプの骨折(3.7% vs 5.9%)が、「アリミデックス」治療群と比較して、低いことがわかりました。

 

* エストロゲン受容体および/あるいはプロゲステロン受容体要請陽性であることが確認されている。

「アリミデックス」はアストラゼネカグループの登録商標です。

Notes to editors:

  • ATAC試験は21カ国、381施設で1996年に開始され2000年に患者登録を終了した。
  • 多施設共同無作為化二重盲検試験で全世界から9,366例の閉経後早期乳がん患者が登録され〔対象は手術及びおよび化学療法(必要な場合)が行われた術後内分泌療法の対象となる患者〕それぞれ「アリミデックス」(1日1回1mg)、タモキシフェン(1日1回20mg)または両剤の併用の3群に割り付けられ、5年間もしくは再発が確認されるまで服薬し、「アリミデックス」とゴールドスタンダードであるタモキシフェンとの同等性あるいは優位性および両剤の併用による追加効果について検討した。
  • 主用評価項目として無病再発期間、安全性、副次評価項目としては遠隔転移発生までの期間、生存率期間であった。
  • 「アリミデックス」は閉経後進行・再発乳がんの一次治療薬として認可されているが現時点では術後補助療法は承認されていない。