「アリミデックス」(アナストロゾール)は、 閉経後乳がんの術後補助療法においてタモキシフェンより有意に有効である

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リリース日時: 2001年12月10日、16時15分 GMT(10時15分 CST; 15時15分 欧州


「アリミデックス」(アナストロゾール)は、閉経後乳がんの術後補助療法において
タモキシフェンより有意に有効である

 

アロマターゼ阻害剤「アリミデックス」(アナストロゾール)の術後補助療法に関する試験“ATAC”(Arimidex , Tamoxifen Alone or in Combination)の結果が米国San Antonioで開かれたSan Antonio Breast Cancer Meetingで発表されました。閉経後の早期乳がん患者の術後補助療法における試験としては過去最大規模の試験であるATACでは有効性において「アリミデックス」が現在のゴールド・スタンダードであるタモキシフェンに対し、内分泌療法剤として初めて有意に優る成績を示しました。また忍容性においても多くの重要なベネフィットが認められました。

「アリミデックス」は、無病生存期間“disease-free survival”(DFS)を有意に延長させました。すなわち、タモキシフェン治療と比較して、局所再発、対側乳がん、および遠隔転移のリスクを減少させました。これは、術後補助療法でタモキシフェンが確立したベネフィットを初めて超えたことを示しています。また、この罹患が増加している疾患の管理における非常に重要なブレークスルーを表しています。欧米において「アリミデックス」は、閉経後女性の進行再発乳がん治療薬としてすでに認可されており、この新適応症についての申請は、現在、その準備が進められています。

今回、ATACの最初の解析結果を発表したPrincipal InvestigatorであるMichael Baum 教授(University College Hospital, London)は、「タモキシフェンが20年以上もゴールド・スタンダードであったことを考えると、これらは、有効性と忍容性においてタモキシフェンより優ることを示唆する大変エキサイティングなデータである。『アリミデックス』の乳がんの予防薬としてのポテンシャルについても期待している」と、今回の結果が閉経後の早期乳がん患者にとって非常に重要なものであるとの認識を示しました。

有効性のデータ
33カ月(中央値)のフォローアップおよび30.7カ月(中央値)の治療期間の結果、「アリミデックス」単独療法は、タモキシフェンに比較しdisease-free survival(DFS)を有意に延長しました。タモキシフェン群3,116例のうち379例、「アリミデックス」群3,125例のうち317例が、乳がんが再発したか、あるいは死亡しました(p=0.0129; ハザード比(HR)=0.83, ハザード比の信頼区間(CI)=0.71-0.96)。これは、タモキシフェンと比較して、「アリミデックス」が乳がんの再発リスクを17%減少させたことを示しています。さらにホルモン感受性のある*乳がん患者においては、タモキシフェンと比較して「アリミデックス」を使った場合のリスクの減少は22%と、さらに際立っていました(p=0.0054;HR= 0.78, CI 0.65-0.93)。

「アリミデックス」/タモキシフェン併用療法はタモキシフェン単独療法と比較して、さらなる有効性と忍容性を示しませんでした。併用療法に伴う安全性の問題はありませんでした。

安全性/忍容性データ
「アリミデックス」は、忍容性においても、タモキシフェンと比較して多くの重要なアドバンテージを有することが認められました。もっと際立っていることは、子宮体がんの発現頻度が有意に少なく、このことは、「アリミデックス」治療患者において、性器出血や膣分泌物の発現率が有意に少ない事からもうなずけます。タモキシフェンのリスクとしては他に血栓塞栓症がありますが、ATAC試験において、血栓塞栓症および深部静脈塞栓症の発現率は、「アリミデックス」群で有意に減少していました。また患者さんの視点から重要なこととして、ホットフラッシュ(ほてり)や体重増加の発現率も有意に減少しました。しかし、予測した通り、タモキシフェン服薬群では、筋骨格障害あるいはこの年齢層によく見られるタイプの骨折が、「アリミデックス」服薬群と比較して、低いことがわかりました。

術後補助療法は通常短くとも5年間継続されることから、長期の忍容性は重要な課題です。Prof Baum は、「これらの知見は、『アリミデックス』が、早期乳がんを有する閉経後女性の治療にとって有効で忍容性が良好な内分泌療法の選択肢であることを示している。骨密度のより長期なフォローアップおよびより多くの治療経験がリスク-ベネフィット評価を完成させるのに必要である」と、述べました。

子宮内膜、骨、QOLに対する影響を評価するためにデザインされたサブプロトコールに関する解析を含む、ATAC データのさらなる解析は今後実施されます。さらに、治験医は、早期乳がんを対象とし、タモキシフェンで行われた以前の試験で見られたように、「アリミデックス」の再発率減少が長期の生存率改善につながるかどうか確認するために本試験のデータ収集を継続しています。
*エストロゲン受容体および/あるいはプロゲステロン受容体陽性であることが確認されている。
 

「アリミデックス」はアストラゼネカグループの登録商標です。

Notes to editors

  • 平均33カ月のフォローアップの後、「アリミデックス」群3,125人中317人、タモキシフェン群3,116人中379人、併用群3,125人中383人において乳がんが再発あるいは死亡した。
  • 副作用に関しては、深部静脈塞栓症の発現率がタモキシフェン群において「アリミデックス」群の約2倍(1.7%に対し1.0%)、また、子宮体がんが約5倍(0.5%に対し0.1%)であった。性器出血はタモキシフェン群、「アリミデックス」群で、それぞれ8.1%および4.5%に認められた。ホットフラッシュ(ほてり)および体重増加についてもタモキシフェン群における発現率のほうが高かった(ホットフラッシュ39.7%に対し34.3%、体重増加11.0%に対し9.2%)。骨折(大半は手首)はタモキシフェン群で3.7%に認められたのに対し、「アリミデックス」群では5.8%に認められた。筋骨格障害はタモキシフェン群、「アリミデックス」群で、それぞれ21.2%および27.8%に認められた。
  • 全世界で9,366人の手術(および必要であれば化学療法)を終了し、内分泌療法の対象となる早期乳がん患者が参加したこの多施設共同無作為二重盲験試験は「アリミデックス」が、現在のゴールド・スタンダードであるタモキシフェンと同等あるいはより有効であるのかどうか、また忍容性に関してもベネフィットを提供できるのかという非常に重要な問題の回答を得るためにデザインされた。同様にこの試験ではこれらの治療の併用が更なる有効性をもたらすよう相互作用的に働くという仮説を検証した。試験に参加した患者は、5年間あるいはがんの再発までのどちらか早い時期まで「アリミデックス」(1日1mg)、タモキシフェン(1日20mg)あるいはこれらの併用による治療を継続した。
  • ATAC試験には21カ国の381施設が参加し、1996年に開始、患者の組み入れを2000年に終了した。
  • 試験に参加した患者は手術および必要に応じて他の標準的な治療(化学療法および/あるいは放射線療法)を受けた。治験治療は5年間、がんの再発あるいは死亡までのいずれか早い時期まで継続した。
  • 主要評価項目は無病生存期間“disease-free survival”(DFS)および安全性であった。副次評価項目は遠隔転移および生存率であった。
  •  欧米では「アリミデックス」は閉経後女性の進行・再発乳がんにおける1次および2次治療として承認されており、現時点では早期乳がんの術後補助療法としては認可されていない。
  • 「アリミデックス」の乳がん発症リスクが高い女性における乳がん予防効果に関しては来年前半に組み入れが開始されるIBIS-II試験で評価される予定である。