乳癌治療剤(新世代アロマターゼ阻害剤)「アリミデックス錠」の輸入承認取得

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪、社長:ブルーノ・アンジェリシ)は、乳癌治療剤(新世代アロマターゼ阻害剤)「アリミデックス錠」(一般名:アナストロゾール)につき、本日、厚生省より輸入承認を取得しました。1999年11月の輸入承認申請から約13ヵ月間という、画期的な早さでの承認取得となりました。

現在、閉経後女性の乳癌治療の標準薬としてはタモキシフェン(抗エストロゲン剤)が広く用いられています。本剤はタモキシフェンとの比較試験において、初めてタモキシフェンを上回る臨床効果が認められたホルモン剤です。 閉経後進行再発乳癌患者1,000余例を対象とした一次治療(初回治療)の大規模臨床試験(ヨーロッパ中心に実施されたIL0027試験および北米を中心としたIL0030試験)において、ホルモン感受性があると考えられる患者群で、本剤はタモキシフェンと比べ、病勢進行までの期間(Time to Progression;TTP)を有意に延長することが報告されています。また、同試験においてタモキシフェンとほぼ同等の安全性が確認されています。1)2)
新薬の開発には膨大な時間がかかることから、1日も早く優れた医薬品を必要とする患者に届けられるようにすることを究極の目的として、日・米・欧3極でInternational Conference on Harmonization(ICH:日米欧医薬品規制調和国際会議)の活動が行われています。日本におけるアリミデックス錠の開発は1993年より開始され、このICHのE5ガイドライン3)に基づいて、欧米人と日本人との間で薬剤の作用や薬物動態に差がないことを証明した上で、海外臨床試験成績を用いる「ブリッジング」の手法が取り入れられました。本剤のブリッジング試験は、薬事法改正により1997年4月から始まった医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(医薬品機構)の治験相談の結果に基づいて実施され、本剤はこの治験相談の第1号でした。

本剤は、男性ホルモン(アンドロゲン)から女性ホルモン(エストロゲン)を合成する酵素であるアロマターゼを阻害し、乳癌増殖に関与しているエストロゲンの全身および腫瘍内濃度を低下させて、腫瘍増殖を抑制します。従来のアロマターゼ阻害剤は、このアロマターゼ阻害作用が十分でなく、またアロマターゼだけを選択的に阻害しないため、アルドステロン等の他のホルモンレベル低下がみられました。本剤は強力かつ選択的にアロマターゼを阻害する新世代アロマターゼ阻害剤です。

「アリミデックス」は世界81ヵ国で発売されており(2000年12月現在)、日本では薬価基準収載後、「アリミデックス錠」の商品名で販売します。

出典
1)Nabholtz et al. Anastrozole is superior to tamoxifen as first-line therapy for advanced breast cancer in postmenopausal women - Results of a North American multicenter randomized trial. J Clin Oncol 2000:18(22): 3758-67
2)Bonneterre et al. Anastrozole versus tamoixifen as first-line therapy for advanced breast cancer in 668 postmenopausal women -Results of the TARGET(Tamoxifen or Arimidex Randomized Group Efficacy and Tolerability)Study. J Clin Oncol 2000: 18(22): 3748-57
3)「 ICHガイドライン(外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族要因について)」

表1