イレッサ(一般名:ゲフィチニブ)についての報道に関するアストラゼネカの見解

2003年 03月 12日

アストラゼネカは関連症例、通知等の趣旨を尊重、遵守してイレッサにかかわる市販後調査を誠実に実施しております。アストラゼネカは関連症例、通知等の趣旨を尊重、遵守してイレッサにかかわる市販後調査を誠実に実施しております。針に違反していたのか。4.アストラゼネカの市販直後調査は厚生労働省の指針に違反していたのか。>

 

本剤は2002年7月に日本で認可され供給が開始されました。本剤の適応は手術不能又は再発非小細胞肺癌で、ほかに治療の選択肢が少ない患者さんが対象です。
日本医科大学の工藤教授は2003年2月6日の記者会見にて「進行非小細胞肺癌患者200名にイレッサを投与した場合、50名が恩恵を受け、残念ながら1名お亡くなりになる、というのが現状です。医療現場、患者さんにとってイレッサは必要な薬です」と発言されました。
本剤投与患者に間質性肺炎、急性肺障害の発症例が多く報告されていますが、症状の管理のためにこれらの副作用の発症メカニズムをできる限り早期に解明し、イレッサのより安全な使用を目指しています。これが、アストラゼネカ株式会社が専門家会議の答申を受けて実施を計画している大規模プロスペクティブスタディの目的です。
アストラゼネカは社会的責任を全うする企業として、本剤と副作用(間質性肺炎、急性肺障害)の関連性を徹底的に追及し、本剤のより安全かつ適正な使用の確立を目指しています。


専門家会議とは

アストラゼネカは、10月15日にイレッサに関する緊急安全性情報を発出後、この副作用問題を重視し、本剤使用でのさらなる安全性の確保を目指し、当該副作用(間質性肺炎、急性肺障害)の早期発見・診断と処置の検討を主たる目的として専門家会議を組織することを計画・準備し、正式な第1回の検討会を2002年12月5日に開催しました。本専門家会議は、臨床腫瘍学専門家、呼吸器内科専門家、放射線診断専門家、病理診断専門家によって構成されており、2003年3月2日に第4回の検討会を開催し、これまでの検討の最終結果についての討議、ならびにそれを踏まえての大規模プロスペクティブスタディの立案と実施計画が検討され、アストラゼネカに対し答申されました。



プロスペクティブスタディの概要

治療抵抗性非小細胞肺癌治療において、イレッサ投与患者及びイレッサ非投与患者における、間質性肺炎、急性肺障害の発症頻度及び危険因子を検討するとともに遺伝子解析 / プロテオミクス / バイオマーカー検査で、間質性肺炎、急性肺障害の発現機序及びその特徴を調査するのが、この試験(調査)の目的です。
約5,000人の患者を対象に、全国の医療機関約100施設で、2003年4月に研究会を立ち上げ、6月から患者登録を開始する予定です。

 


最近報道された記事について

 

1.アストラゼネカは、東京女子医科大学が行った前臨床試験の発表を認めなかったのか。

実験結果がアストラゼネカにとって不利なものであるとの理由で報告に対して同意しなかったわけではありません。データは2002年7月5-6日のTokyo Lung Research Conferenceや、2002年11月の日本肺癌学会で発表されました。

東京女子医科大学での研究は、アストラゼネカが原末(ゲフィチニブ)を提供し、前臨床試験の原末提供契約のもと行われました. 契約事項には、発表案提出の2カ月前までにアストラゼネカ社に発表内容を提示し、当社がデータの科学的な評価を行うことが記載されています。この評価は、当社に有利・不利を判断するためのものではありません。
2001年10月に著者らが最初に発表案を提出された時には、当社はこれを検討することができませんでした。これは、抄録に実測値データがなかったこと、また抄録の到着が抄録提出期限の直前だったことが理由です。
また、2002年5月の2回目の発表案提出時には、当社は1カ月以内で抄録を審査しました。これにより、抄録提出期限である5月31日に間に合い、7月5-6日のTokyo Lung Research Conferenceで発表されました。 この時点(5月)では、本データを厚労省に報告しませんでした。理由は下記の通りです。

  • ブレオマイシン肺線維症研究の報告には、イレッサのみの対象群がなく、実験系の信頼性が十分ではないと判断した。
  • 使用用量が臨床使用と比較してかなり高用量だった。(約50倍)

以上のことから、本データをヒトに直接外挿することはできないと判断しました。

 


2.アストラゼネカは副作用を虚偽報告し、「死亡の恐れ」を「生命危険なし」としたのか。また、報告期限を守らなかったのか。

記事にあるケースは、担当医師から「生命を脅かす、入院の延長を要する、医学的措置を要する事象」として報告を受けた時点から計算して4日後には厚生労働省、審査センターに対して事実を報告しており、グレードを下げた虚偽報告、あるいは報告期限を過ぎてから報告したという事実はありません。

 

記事に記載されているCTCグレードは、副作用を含む有害事象の重症度をあらわすものであり、記事にあるような重篤度の尺度ではありません。すなわち、副作用報告に用いられる重篤度とは異なる尺度です。副作用報告は重篤度に基づいて報告することになっており、重篤度は薬事法施行規則に規定されております。当社は、副作用報告「生命を脅かす事象」として報告しています。また、当該安全性報告症例票中には「グレード4」に対応する実際の処置を具体的に記載しております。

 

詳細情報の収集や報告された症例の精査は時間を要するプロセスですが、当時から一貫して最大限の努力を続けています。また、昨年10月以降、厚生労働省からの指示に基づき、社内点検を行い、情報収集、分析、報告の体制をさらに強化しました。

間質性肺炎自体の病態が複雑なため、医療機関へ提供する情報内容については、誤った情報により医療機関の先生方に混乱をまねかぬよう、注意深く検討をすすめておりました。弊社は、緊急安全性情報の発出に至るまで、社内会議を開催し、得られた症例の詳細情報収集に努め、集積情報に基づき、分析を行い、鑑別や薬剤との関連性の検討を社内及び英国本社の医学専門家と進めました。また、情報提供方法についても検討を行っておりました。

10月8日に一連の経緯を説明するために厚生労働省を訪問し、その後の協議を経て、10月15日に緊急安全性情報の発出に至りました。

医師への情報提供活動について
間質性肺炎に関する医師へのご説明は、承認後より製品情報概要等を用いて重大な副作用の一つとして行っておりました。

また発売後、本剤投与中の患者で、本剤との関連が否定できない間質性肺炎症例(死亡例を含む)が報告されました。それを受けて、9月初旬、製品説明時に再度重要な副作用として医師に注意喚起を行うべく、重要な副作用として間質性肺炎の副作用を必ず伝達するよう再度指示し、活動しました。さらにこの活動を強化するために、9月9日より全国各地で研修を実施しました。

緊急安全性情報の発出後、一両日中に各医療施設への情報提供を終了しました。

 

4.アストラゼネカの市販直後調査は厚生労働省の指針に違反していたのか。

アストラゼネカは関連症例、通知等の趣旨を尊重、遵守してイレッサにかかわる市販後調査を誠実に実施しております。

平成12年12月27日付医薬安第166号「医療用医薬品の市販直後調査等の実施方法に関するガイドラインについて」(課長通知)においては、「納入前に医薬情報担当者による説明及び協力依頼を実施できない場合は、納入前に文書で説明及び協力依頼の内容を連絡の上、納入開始後2週間以内を目安として」となっており、必ず事前に説明することを義務づけられているわけではなく、納入開始後2週間以内を「目安」として医薬情報担当者による説明及び協力依頼を実施することになっております。

 

この点、弊社における12月19日現在の集計では、本剤を納入した病院・診療所の施設総数は1,840であり、その内、納入前に説明を実施した施設数は1,539でした。また、納入後に説明を実施した施設数は299であり、そのほとんどは納入後2週間以内に説明を実施しております。ただし訪問の目安である2週間を超えてしまった施設は11施設ありましたが、それらは、医師の急病、医師のアポイントメントが頂けなかったこと、その他やむを得ない理由によるもので、その後説明を行っています。

なお、訪問や電話による説明を受付けない施設が2施設ありましたが、当該2施設については代替手段として、市販直後調査の説明及び依頼に関する文書をFaxにて送付し、継続的に同調査への協力を依頼しておりました。

また、約350名の腫瘍領域担当MRが本剤の納入を担当いたしました