サフネロー皮下注120mgオートインジェクター、全身性エリテマトーデス(SLE)に対して、日本で承認を取得

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井貴史、以下、アストラゼネカ)はサフネロー®皮下注120mgオートインジェクター(一般名:アニフロルマブ(遺伝子組換え)、以下「サフネロー皮下注」)が、既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス(SLE)に対し、日本で承認を取得しましたことをお知らせします。

厚生労働省による本承認は、第III相TULIP SC試験の結果に基づくものです1。この試験では、中等症から重症の成人SLE患者さんを対象に、サフネロー皮下注の有効性と安全性を検討しました。

Arthritis & Rheumatology誌に掲載された最終解析においては、主要評価項目である52週時点の包括的疾患活動性評価(BICLA)達成率はサフネロー皮下注群56.2%、プラセボ群37.1%となり、プラセボ群に対してサフネロー皮下注群は高値を示しました(群間差19.1%、95% CI:9.0–29.2)1

産業医科大学医学部 分子標的治療内科学特別講座 特別教授であり、日本リウマチ学会理事長の田中良哉先生は次のように述べています。「本試験で示されたサフネロー皮下注製剤の結果は治療を必要としているSLE患者さんにとって希望となります。近年のSLEの治療では、寛解あるいは低疾患活動性の達成を治療目標とし、そのうえでグルココルチコイドを可能な限り速やかに減量・中止することが推奨されています2。しかし、いまだ多くの患者さんはその治療目標を達成することができていません。点滴静注製剤に加え、新たに皮下注製剤という選択肢が加わることは、患者さんの生活状況に合わせた治療選択を可能にし、より良い治療目標の達成と患者さんの通院負担の軽減や治療継続につながる可能性があると期待しています」。

アストラゼネカの執行役員 研究開発本部長のヴィクラム チャンドは次のように述べています。「今回の承認により、サフネローは点滴静注に加えて皮下注という投与選択肢を提供できるようになりました。治療方法や場所に関する患者さんの選択肢を広げ、社会生活の維持や治療継続に、今以上に貢献できる可能性があると期待しています」。

ベースラインのグルココルチコイドの⽤量が10mg/日以上の患者集団において、サフネロー投与患者さんの71.4%が40週時までにグルココルチコイド7.5mg/日以下を達成し52週時まで維持されました(プラセボ群50.4%(群間差21.0%、95% CI:7.2,34.8))1。さらに探索的評価項目として、52週時にサフネロー皮下注群の29.0%でDORIS寛解を達成したことも示されました(プラセボ群14.7%(群間差14.2%、95% CI:5.6, 22.8;名目上のp値=0.0012))1

TULIP SC試験における、サフネロー皮下注の忍容性は概ね良好で、安全性プロファイルは、サフネロー点滴静注のプロファイルと一致していました1,3-5

サフネロー皮下注は、2025年12月にEUで承認6され、現在世界各国の規制当局による審査を受けています。なお、サフネロー点滴静注は、米国、EU、日本を含む世界70カ国以上で中等度から重度のSLE治療薬として承認されています。

以上

*****

対価について
アストラゼネカは、サフネローの全世界を対象とする権利を、2004年にメダレックス社との独占権および提携に関する契約を通じて獲得しました。本製品を共同販促するメダレックスのオプションは同社がブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)により買収された2009年に失効しました。本契約のもと、2025年に更新された内容によると、アストラゼネカは米国での売上げに対し、売上の10%から15%のロイヤリティをBMSに支払います。

全身性エリテマトーデス(SLE)について
SLEは、免疫系が体内の細胞・組織を攻撃してしまう慢性かつ複雑な自己免疫疾患です7。皮膚症状、炎症性関節炎、腎病変、中枢神経症状など全身に症状が及ぶため身体機能の低下や雇用の喪失、健康関連の生活の質(QOL)の著しい低下、頻回な入院、蓄積性で不可逆的な臓器障害につながる可能性があるとされています8

日本では指定難病(指定難病49)に該当し、20~40代の就労世代での発症が多く、社会生活への影響も少なくなく、定期的な通院は、時間的・身体的・経済的負担となる場合があります。

SLE患者さんの約50%は、診断後5年内に疾患活動起因性または薬剤起因性の不可逆的な臓器障害を引き起こすと推定されています9-11。臨床ガイドラインでは、まずは低疾患活動性を達成し、さらに寛解達成を目指す治療目標設定と、グルココルチコイドの速やかな減量・中止が推奨されています12,13

第III相TULIP SC試験について
TULIP SC試験は、中等度から重症の重症度を示す自己抗体陽性のSLE患者さん(18~70歳)を対象に、標準治療(グルココルチコイド、抗マラリア薬、および/または免疫抑制剤)に上乗せしてサフネロー皮下注120mgの有効性及び安全性を検討する第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験です1,14

疾患活動性の低下は、第52週時点のBICLA(British Isles Lupus Assessment Group-2004に基づく複合評価)の達成で評価しました1,14。BICLAは、ベースラインで活動性が認められた全臓器系の改善に加え、新たな悪化(フレア)がないことが要件とされました1,14

合計367例(日本人26例)は1:1の比率で無作為に割り付けられ、サフネロー皮下注120mg投与群またはプラセボ投与群に割り当てられました。事前に規定した中間解析は、ランダム化された最初の220例が52週間の二重盲検(DB)投与期間を完了又は試験を早期に中止した時点で実施しました。52週間のDB投与期間を完了した患者を対象に、さらに52週間の非盲検継続投与期間を設けました1,14

中間解析において、52週時点のBICLA達成率は週1回のサフネロー皮下注120mg投与群59.4%、プラセボ群43.9%となり、SLE疾患活動を有意に軽減しました。(群間差15.5%、96.46% CI:1.4–29.6%;p=0.0211)1

サフネローについて
サフネローは、I型インターフェロン(IFN)受容体のサブユニット1に結合しI型IFNの活動を阻害する完全ヒト型モノクローナル抗体です5,15。IFN-alpha、IFN-beta、IFN-kappaなどのI型IFNは、SLEの疾患活動性に関与するサイトカインです16-21

サフネローは、I型IFNが重要な役割を果たす疾患を対象に、皮膚エリテマトーデス、筋炎、全身性強皮症、ループス腎炎を対象とした第III相試験が引き続き実施されています22-25

アストラゼネカにおける呼吸器および自己免疫疾患領域について
バイオ医薬品領域の一環である呼吸器・免疫疾患はアストラゼネカが注力する疾患領域のひとつで、当社にとって重要な今後の成長の原動力です。

50年の歴史を基盤として、また、免疫介在性疾患における医薬品ポートフォリオの拡大により、アストラゼネカは呼吸器疾患治療の確固たるリーダーの地位を築きました。アストラゼネカは、吸入薬、生物学的製剤やこれまで手の届かなかった生物学的標的を対象とした新たな治療法のパイプラインとポートフォリオにより、これらの消耗性の高い慢性疾患に存在する非常に高いアンメットニーズに応えられるよう全力で取り組んでいます。アストラゼネカは、主な死因からCOPDや喘息をなくし、免疫介在性疾患における臨床的寛解を達成することを目指し、患者さんの人生を変える医薬品をお届けすることを目標としています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。アストラゼネカのFacebookInstagramYouTubeもフォローしてご覧ください。

References

  1. Manzi S, Bruce I, Morand E, Furie R, Yoshiya Tanaka, et al. Efficacy and Safety of Subcutaneous Anifrolumab in Systemic Lupus Erythematosus: the Randomized, Phase 3, TULIP-SC Study. J Arthritis and Rheumatol 2025;
  2. 日本リウマチ学会:全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019
  3. Morand E, et al. Trial of anifrolumab in active systemic lupus erythematosus. N Engl J Med. 2020;382(3):211-221.
  4. Furie R, et al. Type I interferon inhibitor anifrolumab in active systemic lupus erythematosus (TULIP-1): a randomised, controlled, phase 3 trial. Lancet Rheumatol. 2019;1(4):e208-e219.
  5. Furie R, et al. Anifrolumab, an anti–interferon‐α receptor monoclonal antibody, in moderate‐to‐severe systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheumatol. 2017;69(2):376-386.
  6. AstraZeneca news release. Saphnelo approved in the EU for subcutaneous self-administration as a new pre-filled pen for systemic lupus erythematosus. Available at: https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2025/saphnelo-approved-in-the-eu-for-subcutaneous-self-administration-as-a-new-pre-filled-pen-for-systemic-lupus-erythematosus.html[Last accessed:February 2026].
  7. Bruce IN, et al. Factors associated with damage accrual in patients with systemic lupus erythematosus: results from the systemic lupus international collaborating Clinics (SLICC) inception cohort. Ann Rheum Dis. 2015;74:1706-1713.
  8. Urowitz MB, Gladman DD, Ibanez D, Su J, Mursleen S, Sayani A, et al. Effect of disease activity on organ damage progression in systemic lupus erythematosus: University of Toronto Lupus Clinic cohort. J Rheumatol 2021;48(1):67–73.
  9. Ji L, et al. Low-dose glucocorticoids should be withdrawn or continued in systemic lupus erythematosus? A systematic review and meta-analysis on risk of flare and damage accrual. Rheumatology. 2021;60:5517-26.
  10. Murimi-Worstell IB, et al. Association between organ damage and mortality in systemic lupus erythematosus: a systematic review and meta-analysis. BMJ Open. 2020;10:e031850.
  11. Bruce IN, et al. Is remission now an achievable goal for more patients with systemic lupus erythematosus? EMJ Rheumatol. 2024; 11[Suppl 2]: 2-8.
  12. American College of Rheumatology. 2025 American College of Rheumatology (ACR) guideline for the treatment of systemic lupus erythematosus (SLE). Available at:lupus-guideline-sle-2025.pdf. [Last accessed:February 2026].
  13. Fanouriakis A, et al. EULAR recommendations for the management of systemic lupus erythematosus: 2023 update. Ann Rheum Dis. 2024; 83:15-29.
  14. Clinicaltrials.gov Subcutaneous Anifrolumab in Adult Patients With Systemic Lupus Erythematosus (Tulip-SC). Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT04877691.  [Last accessed: February 2026].
  15. Riggs JM, et al. Characterisation of anifrolumab, a fully human anti-interferon receptor antagonist antibody for the treatment of systemic lupus erythematosus. Lupus Sci Med. 2018;5(1):e000261.
  16. Lauwerys BR, et al. Type I interferon blockade in systemic lupus erythematosus: where do we stand? Rheumatology. 2014;53(8):1369-1376.
  17. Sarkar MK, et al. Photosensitivity and type I IFN responses in cutaneous lupus are driven by epidermal-derived interferon kappa. Ann Rheum Dis. 2018;77(11):1653-1664.
  18. Jefferies CA. Regulating IRFs in IFN driven disease. Front Immunol. 2019;10:325.
  19. Mai L, et al. The baseline interferon signature predicts disease severity over the subsequent 5 years in systemic lupus erythematosus. Arthritis Res Ther. 2021;23(1):29.
  20. López de Padilla CM, et al. The type I interferons: basic concepts and clinical relevance in immune-mediated inflammatory diseases. Gene. 2016;576(101):14-21.
  21. Rönnblom L, et al. Interferon pathway in SLE: one key to unlocking the mystery of the disease. Lupus Sci Med. 2019;6(1):e000270.
  22. Clinicaltrials.gov. A 2-stage, Phase III Study to Investigate the Efficacy and Safety of Anifrolumab in Adults with Chronic and/ or Subacute Cutaneous Lupus Erythematosus (LAVENDER). Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT06015737. [Last accessed: February 2026].
  23. Clinicaltrials.gov. A Study to Investigate the Efficacy and Safety of Anifrolumab Administered as Subcutaneous Injection and Added to Standard of Care Compared with Placebo Added to Standard of Care in Adult Participants with Idiopathic Inflammatory Myopathies (Polymyositis and Dermatomyositis) (JASMINE). Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT06455449. [Last accessed: February 2026].
  24. Clinicaltrials.gov. Determine Effectiveness of Anifrolumab In SYstemic Sclerosis (DAISY). Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT05925803. [Last accessed: February 2026].
  25. ClinicalTrials.gov. Phase 3 Study of Anifrolumab in Adult Patients with Active Proliferative Lupus Nephritis (IRIS). Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05138133. [Last accessed:February 2026].

tags

  • 呼吸器・免疫