アストラゼネカのアカラブルチニブ(Calquence®)、EUにおいて慢性リンパ性白血病の治療薬として承認取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年11月9日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アカラブルチニブは、未治療、または再発/難治性患者さんのいずれにおいても
大幅な無増悪生存期間の延長と良好な忍容性を示した

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、11月9日、欧州連合(EU)において、次世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬であるCalquence®(以下、アカラブルチニブ)が、欧米では成人白血病において最も患者数が多い慢性リンパ性白血病(CLL)の成人患者さんの治療薬として承認されたことを発表しました。

今回の欧州委員会による承認は、未治療のCLL患者さんを対象としたELEVATE-TN、再発または難治性CLL患者さんを対象としたASCENDの2つの第Ⅲ相臨床試験の良好な結果に基づいています1,2。今回の承認は、2020年7月の欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)による承認勧告に従ったものです。

第Ⅲ相ASCEND試験の治験担当医師であり、ミラノのVita-Salute San Raffaele大学およびCLLのStrategic Research ProgramディレクターであるPaolo Ghia医学博士は次のように述べています。「CLLの治療における最大の課題の1つは、長期にわたって症状をコントロールできる高い忍容性のある治療選択肢を見つけることであり、この事は合併症を有する高齢の患者さんに大きく影響を与えます。アカラブルチニブは2つの第Ⅲ相臨床試験において、現在の標準治療と比較して有意な改善を示しており、今回の承認は、欧州のCLL患者さんにとって大きな進展になると言えます」。

アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジービジネスユニット責任者Dave Fredricksonは次のように述べています。「今回の承認は、これまで化学療法を含まない治療に選択肢が限られていた欧州の患者さんにとって大きな進展であり、アストラゼネカにとっても欧州において、血液腫瘍における初の承認取得となりました。アカラブルチニブは、何千人ものCLL患者さんにとって、有効性を損なわずにQOLを改善する可能性のある、忍容性の確認された新たな治療選択肢となります」。

第Ⅲ相試験ELEVATE-TNでは、前治療歴のないCLL患者さんを対象としたアカラブルチニブとオビヌツズマブの併用療法、またはアカラブルチニブの単剤療法が、標準化学免疫療法であるchlorambucilとオビヌツズマブの併用療法との比較で、病勢進行または死亡リスクをそれぞれ90%および80%低下させました1。第Ⅲ相ASCEND試験では、アカラブルチニブを服用した再発または難治性CLL患者さんの88%が12カ月後も生存または病勢進行が認められなかったのに対し、リツキシマブとidelalisibまたはベンダムスチンの併用療法を受けた患者さんでは68%でした2。2つの試験の中間解析データはそれぞれ、The Lancet誌および Journal of Clinical Oncology誌で発表されています。

アカラブルチニブは米国でCLLおよび小リンパ球性リンパ腫の治療薬として、その他複数の国々ではCLLの治療薬として承認されています。加えて、米国をはじめとする複数の国々で、少なくとも1回の前治療歴のあるマントル細胞リンパ腫(MCL)の成人患者さんの治療薬として承認されています。アカラブルチニブは現在、欧州においてMCLの治療薬としては承認されていません。

広範な臨床開発プログラムの一環として、アカラブルチニブは、CLL、MCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性マクログロブリン血症(WM)、濾胞性リンパ腫(FL)、およびその他の血液悪性腫瘍を含むB細胞性悪性腫瘍の治療薬として、20を超える臨床試験において検証されています。

※アカラブルチニブは、本邦では未承認です。

以上

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慢性リンパ性白血病(CLL)について
CLLは成人白血病において最も患者数が多く、2016年には世界で新たに105,000例が診断されており、患者数は治療の発展に伴い増加するとみられています3,4,5,6。CLLでは、骨髄中の造血幹細胞が過剰に異常なリンパ球となり、これらの異常細胞は、感染症に対する防御力が低いことが知られています。異常細胞数が増えるに従い、健全な白血球、赤血球および血小板が減少するため、貧血、感染および出血を引き起こす可能性があります4。BTKを介するB細胞受容体の伝達シグナルは、CLLの基本的な増殖情報伝達経路の一つです。

ELEVATE-TN試験について
ELEVATE-TN(ACE-CL-007)試験は、未治療のCLL患者さんを対象に、アカラブルチニブと抗CD20モノクローナル抗体であるオビヌツズマブの併用療法またはアカラブルチニブの単剤療法を、化学療法であるchlorambucilとオビヌツズマブの併用療法と比較し、有効性と安全性を評価した無作為化多施設共同非盲検第Ⅲ相試験です。本試験では、65歳以上または18歳以上65歳未満で併存疾患指数(CIRS)が6を超える、あるいはクレアチニンクリアランスが30mL/分以上70m/分未満の患者さんを対象とし、535例を1対1対1で3群に無作為割付けしました。1群目の患者さんにはchlorambucilとオビヌツズマブの併用療法、2群目にはオビヌツズマブとアカラブルチニブ(病勢進行または許容できない毒性が発現するまで約12時間ごとに100mgを投与)の併用療法、3群目にはアカラブルチニブ単剤療法(病勢進行または許容できない毒性が現れるまで約12時間ごとに100mgを投与)を行いました1

主要評価項目は、chlorambucilとオビヌツズマブの併用療法と比較したアカラブルチニブとオビヌツズマブの併用療法の無増悪生存期間(PFS)で、独立判定委員会(IRC)によって評価されました。副次評価項目はchlorambucilとオビヌツズマブの併用療法と比較したアカラブルチニブ単剤療法のPFSで、IRCによって評価されました。他の副次評価項目は、客観的奏効率、次治療までの期間および全生存期間でした1

ASCEND試験について
ASCEND試験(ACE-CL-309)は、再発または難治性CLL患者さんを対象に、アカラブルチニブの有効性を検討した無作為化多施設非盲検国際共同第Ⅲ相試験です。本試験では、310例の患者さんを2群に無作為割付け(1:1)しました。1群目の患者さんには、アカラブルチニブ単剤療法(病勢進行または許容できない毒性が現れるまで100mgを1日2回投与)を行いました。2群目の患者さんには、治験担当医師の選択により、CD20モノクローナル抗体であるリツキシマブとPI3K阻害薬であるidelalisibとの併用療法、またはリツキシマブと化学療法であるベンダムスチンとの併用療法のいずれかを行いました2

主要評価項目はIRCの評価によるPFS、副次評価項目は医師の評価によるPFS、IRCおよび医師の評価による全奏効率および奏効期間、ならびに全生存期間、患者さんが報告したアウトカム、および次治療までの期間でした2

アカラブルチニブ(Calquence)について
アカラブルチニブは、次世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤です。アカラブルチニブはBTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します7,8。B細胞内においてBTKシグナルは、B細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています7

広範な臨床開発プログラムの一環として、現在、アストラゼネカとAcerta Pharmaでは、アカラブルチニブについて、20を超える臨床試験を実施しています。アカラブルチニブは、CLL、MCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、WM、濾胞性リンパ腫、およびその他の血液悪性腫瘍を含む複数のB細胞性の血液がんの治療薬として開発中です。

アストラゼネカにおける血液がん領域について
がん領域における強みを活かし、アストラゼネカは血液がんを4つの重点がん疾患領域のひとつとして確立しました。当社の血液がんフランチャイズは米国FDAにより承認された2つの治療薬と血液がん治療薬候補の広範なポートフォリオのための強固なグローバル開発プログラムを有しています。Acerta Pharmaはアストラゼネカの血液がん領域における中核的研究開発拠点としての役割を果たしています。アストラゼネカはアンメットニーズに応えるために治療薬の創薬および開発を進展させるため、志を同じくするサイエンス志向の企業と提携しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保有しています。2014年から2020年までの期間に7つの新薬発売を予定し、低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当て、成長基盤としてオンコロジー治療を進展させることに尽力しています。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子変異と耐性メカニズム、DNA損傷修復および抗体薬物複合体、エピジェネティクスおよび細胞療法の6つの科学的基盤を強化し、個別化併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・自己免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Sharman JP, et al. ELEVATE TN: Phase 3 Study of Acalabrutinib Combined with Obinutuzumab (O) or Alone Vs O Plus Chlorambucil (Clb) in Patients (Pts) with Treatment-Naive Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL). Blood. 2019; 134 (Supplement_1): 31. doi:10.1182/blood-2019-128404.
2. Ghia P, et al. ASCEND: Phase III, Randomized Trial of Acalabrutinib Versus Idelalisib Plus Rituximab or Bendamustine Plus Rituximab in Relapsed or Refractory Chronic Lymphocytic Leukemia [published online ahead of print, 2020 May 27]. J Clin Oncol. 2020; JCO1903355. doi:10.1200/JCO.19.03355.
3. American Cancer Society. What is Chronic Lymphocytic Leukemia? Available at https://www.cancer.org/cancer/chronic-lymphocytic-leukemia/about/what-is-cll.html. Accessed August 2020.
4. National Cancer Institute. Chronic Lymphocytic Leukemia Treatment (PDQ®)–Patient Version. Available at https://www.cancer.gov/types/leukemia/patient/cll-treatment-pdq. Accessed August 2020.
5. Global Burden of Disease Cancer Collaboration. Global, Regional, and National Cancer Incidence, Mortality, Years of Life Lost, Years Lived With Disability, and Disability-Adjusted Life-Years for 29 Cancer Groups, 1990 to 2016. JAMA Oncol. 2018;4(11):1553-1568.
6. Jain N, et al. Prevalence and Economic Burden of Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL) in the Era of Oral Targeted Therapies. Blood. 2015;126:871.
7. Calquence® (acalabrutinib) [prescribing information]. Wilmington, DE; AstraZeneca Pharmaceuticals LP; 2019.
8. Wu J, Zhang M & Liu D. Acalabrutinib (ACP-196): a selective second-generation BTK inhibitor. J Hematol Oncol. 2016;9(21).

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