アストラゼネカのAnifrolumab、全身性エリテマトーデスの患者さんを対象とした第Ⅲ相TULIP 2試験で複数の有効性評価項目において優越性を示す

本資料はアストラゼネカ英国本社が2019年11月11日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

Anifrolumabは、統計学的に有意な疾患活動性の低下、
経口コルチコステロイド使用量の減少、皮膚症状の改善を達成

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、今年の米国リウマチ学会(ACR)において、第Ⅲ相TULIP 2試験の良好な結果を発表しました。標準治療を受けている中等度から重度の全身性エリテマトーデス(SLE)の患者さんを対象とした本試験において、新薬候補であるanifrolumabは、プラセボと比較して複数の有効性評価項目において優越性を示しました。

本試験では、疾患活動性の低下をBritish Isles Lupus Assessment Group based Composite Lupus Assessment(BICLA)指標1に基づいて52週間測定しました。その結果、anifrolumab投与群の患者さんでは47.8%に奏効が認められ、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある疾患活動性の低下を示し、主要評価項目を達成しました。一方、プラセボ投与群で奏効が認められた患者さんは31.5%でした。今回のTULIP 2試験における良好なBICLA評価は、 TULIP 2解析前に実施した第Ⅲ相TULIP 1試験2,3、および第Ⅱ相MUSE試験4のBICLA評価結果と一致していました。

また、TULIP 2試験では、複数の副次評価項目1においても統計学的に有意な差異が認められました。経口コルチコステロイド(OCS)10mg以上を投与されたanifrolumab投与群の患者さんの51.5%が持続的にOCS 投与量を減らすことができたのに対し、プラセボ投与群では30.2%にとどまりました。さらに、中等度から重度の皮膚疾患を伴う患者さんにおける症状の改善に関しては、測定基準とされた12週目で 皮膚症状の改善が認められたのはanifrolumab投与群では49%だったのに対して、プラセボ投与群では25%でした。なお、皮膚症状評価はCutaneous Lupus Erythematosus Disease Area and Severity Index(CLASI)を用いて評価しました。

バイオ医薬品研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「全身性エリテマトーデスの治療薬として承認されている薬剤はこの60年でわずか1つだけであるという状況を鑑みると、TULIP 2試験の結果には非常に満足しています。今回の結果によってanifrolumabのベネフィットを明確に示すことができましたので、1日も早くこの新たな治療選択肢を患者さんにお届けしたいと考えております」。

また、TULIP 2試験の治験責任医師であるオーストリア・モナシュ大学教授のEric F. Morand氏は次のように述べています。「全身性エリテマトーデスは治療が困難であり、革新的な治療法が早急に必要とされています。TULIP 2試験の結果から、Ⅰ型インターフェロン受容体を標的とするanifrolumabが疾患活動性を低下させ、コルチコステロイドの減量と皮膚症状を改善することが示されました」。

さらに、TULIP 1試験および第Ⅱ相MUSE試験の治験責任医師である米国ニューヨークのノースウェル・ヘルスのリウマチ学部長のRichard Furie氏は次のように述べています。「全身性エリテマトーデスは、さまざまな臓器に悪影響を与え、長期にわたる臓器の損傷や死亡にさえ至る疾患です。anifrolumabがこの疾患の治療薬となる可能性を示したという意味で、MUSE 試験および2つのTULIP試験の結果は非常に重要な結果と言えます」。

なお、TULIP試験のデータは、米国アトランタで行われた2019年の米国リウマチ学会(ACR)年次総会で発表されており、TULIP 1試験のデータはThe Lancet Rheumatologyでも同時に発表されています。

既に発表されているように、TULIP 1試験はSLE Responder Index 4(SRI4)複合評価指標による主要評価項目を達成することはできませんでしたが、副次評価項目の解析においてはOCS使用量の低下および皮膚疾患活動の改善2,3という、TULIP 2試験のBICLA評価と一致する奏効性を示しています。

TULIP 1試験とTULIP 2試験における anifrolumabの安全性と忍容性は、これまでに行われた試験の安全性プロファイルと相違ありませんでした1,2,3。なお、anifrolumab投与群の患者さんにおいては、帯状疱疹がプラセボ投与群の患者さんより多く報告されましたが(TULIP 1: 5.6% vs.1.6%、TULIP 2: 7.2% vs.1.1%)、ほとんどが軽度から中等度であり、全例が抗ウイルス薬治療で回復しました。

※Anifrolumabは本邦未承認薬です。

以上

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Anifrolumabについて
Anifrolumabは、Ⅰ型インターフェロン受容体のサブユニット1に結合する完全ヒトモノクローナル抗体であり、IFN-alpha、IFN-beta、IFN-omegaなど、全てのタイプ1インターフェロンの活動を阻害します4。Ⅰ型インターフェロンは、炎症反応経路に関係するサイトカインです5 。SLEの成人患者さんの60%~80%に、疾患活動性との相関性が明らかになっているⅠ型インターフェロン遺伝子発現の増加が見られます5,6

アストラゼネカは、メダレックス社と2004年に締結した独占権および提携契約により、anifrolumabのグローバルにわたる権利を有しています。なお、メダレックス社は2009年にブリストル・マイヤーズスクイブ社に買収されています。

TULIPプログラムについて
TULIP(Treatment of Uncontrolled Lupus via the Interferon Pathway)は極めて重要なプログラムで、TULIP 1試験および TULIP 2試験という2つの第Ⅲ相試験から成り立っています。これらの試験においては、標準治療を受けた中等症から重症の自己抗体陽性SLE患者さんに対し、プラセボ投与群と比較したanifrolumabの安全性・有効性を評価しました。

TULIP 1試験では、条件に該当する457人の患者さんを無作為化し(1:2:2)、150mgまたは300mgのanifrolumab投与群とプラセボ投与群に分けて4週間ごとに静脈注入を一定用量行い、SRI4で疾患活動性の低下を測定することによりanifrolumabの奏効性を評価しました。

TULIP 2試験では、条件に該当する365人の患者さんを無作為化し(1:1)、300mgのanifrolumab投与群とプラセボ投与群に分けて4週間ごとに静脈注入を一定用量行い、BICLAに基づいて疾患活動性の低下を測定することにより、anifrolumabの有効性を評価しました。

SRI4およびBICLAはどちらも全身性エリテマトーデスの疾患活動性を評価する複合指標で、ループス腎炎患者さんを対象とした第Ⅲ相試験での主要評価項目となっています7。それぞれBritish Isles Lupus Assessment Group(BILAG)、Systemic Lupus Erythematosus Disease Activity Index 2000(SLEDAI-2K)という疾患活動性評価ツールを用いますが、スコアリングの方法が異なります7。BICLAでは、ベースライン時に疾患活動性を持つ全ての臓器において疾患活動性が改善し、且つ、疾患活動性を持たない臓器に新たなフレアの出現が存在しないことを条件としています。つまり臓器システム全体を見て、臨床的に有意な部分的改善が認められるかを評価します。それに対し、SRI4では単独で重篤なループス腎炎の症状または、複数の重篤でないループス腎炎の症状が新たなフレアの出現なしに完治することを条件としており、臓器システム全体の改善は条件としていません。

またanifrolumabは、第Ⅲ相TULIPプログラムに加え、SLE患者さんに対する 第Ⅲ相継続投与試験、およびループス腎炎患者さんに対する第Ⅱ相試験でも評価が進んでいます。

全身性エリテマトーデス(SLE)について
SLEは、免疫系が自身の正常な細胞や組織を攻撃してしまう自己免疫疾患です8。慢性的であり、さまざまな臨床症状を伴う複雑な疾患であるため、多くの臓器に影響を及ぼし、痛み、発疹、倦怠感、関節の腫れ、発熱など幅広い症状の原因となります9。さらには、感染症や心血管疾患などが原因の死亡リスク上昇にもつながります10。しかしながら、SLE治療薬として承認を受けた新薬は、この60年間で1つしかありません11

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Morand E, Furie R, Tanaka Y, et al. Efficacy and Safety of Anifrolumab in Patients with Moderate to Severe Systemic Lupus Erythematosus: Results of the Second Phase 3 Randomized Controlled Trial [oral]. Presented at: ACR 2019 Annual Meeting; November 8-13, 2019. Abstract ID: 757228. https://acrabstracts.org/abstract/efficacy-and-safety-of-anifrolumab-in-patients-with-moderate-to-severe-systemic-lupus-erythematosus-results-of-the-second-phase-3-randomized-controlled-trial/ Accessed: November, 2019.
2. Furie R, Morand E, Bruce I, et al. A Phase 3 Randomized Controlled Trial of Anifrolumab in Patients With Moderate to Severe Systemic Lupus Erythematosus. Presented at: ACR 2019 Annual Meeting; November 8-13, 2019. Abstract ID: 1763. https://acrabstracts.org/abstract/a-phase-3-randomized-controlled-trial-of-anifrolumab-in-patients-with-moderate-to-severe-systemic-lupus-erythematosus/. Accessed: October, 2019.
3. Furie R, Morand E, Bruce I, et al. Anifrolumab: Type I Interferon Inhibitor Anifrolumab in Active Systemic Lupus Erythematosus (TULIP-1): a Randomised, Controlled Phase 3 Trial, Lancet Rheumatology 2019; doi.org/10.1016/S2665-9913(19)30076-1. Accessed November 11, 2019.
4. Furie R, Khamashta M, Merrill J.T, et al. Anifrolumab, an Anti–Interferon‐α Receptor Monoclonal Antibody, in Moderate‐to‐Severe Systemic Lupus Erythematosus. Arthritis & Rheumatology. 2017;69(2);376-386.
5. Lauwerys, B.R., Ducreux J, Houssiau F.A., et al. Type I Interferon Blockade in Systemic Lupus Erythematosus: Where Do We Stand? Rheumatology. 2013;53(8);1369-1376.
6. Crow, M. K., Type I Interferon in the Pathogenesis of Lupus, The Journal of Immunology. 2014;192(12);5459-5468.
7. Mikdashi J, Nived O. Measuring Disease Activity in Adults with Systemic Lupus Erythematosus: The Challenges of Administrative Burden and Responsiveness to Patient Concerns in Clinical Research. Arthritis Research & Therapy 2015;17(1):183.
8. The Lupus Foundation of America. Available at https://resources.lupus.org/entry/what-is-lupus?utm_source=lupusorg&utm_medium=answersFAQ. Accessed November 2019.
9. ACR. Guidelines for Referral and Management of Systemic Lupus Erythematosus in Adults. American College of Rheumatology Ad Hoc Committee on Systemic Lupus Erythematosus Guidelines, Arthritis & Rheumatism. 1999; 42; 1785-1796.
10. Nossent J, Cikes N, Kiss E, et al. Current Causes of Death in Systemic Lupus Erythematosus in Europe, 2000—2004: Relation to Disease Activity and Damage Accrual. Lupus.16(5), 309-317.
11. Mahieu M. A., Strand V, Simon Lee S., et al. A Critical Review of Clinical Trials in Systemic Lupus Erythematosus. Lupus. 2016;25(10);1122–1140.